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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第七章 古代天上都市フェーマ 天使族の置き土産
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524 救援要請

 フルフル達幽体(レイス)と共にメアルさんとデューラさんがエルフの里を出て行って、数日が経った。

 あれから特に何か起きることもなく、平穏に過ごせている。


 メアルさん達のおかげなのか、里に滞在中にエイミとミールに対して悪く言ってくる者はいなかった。

 まあ、エイミとミールは実家に引きこもっている状態だったので、里のエルフ達と顔を合わせることがほとんどなかった、てのもあるけど。

 さすがにメアルさん達の口添えがあるとはいえ、二人にとってエルフの里は居心地の良い場所じゃないだろうからな。





 実は現在、オレ達は王都まで帰ってきていた。

 メアルさん達が去り、神将(ダルクローア)が引き起こした騒動の後始末もあらかた終わったのだから、もう二人はエルフの里に滞在する理由はないので、オレの転移魔法で一足先に王都まで戻ってきているのだ。


 戻ってきて早々、ミウ(ミウネーレ)やキリシェさん、それにリイネさんにロディン達にエルフの里での出来事を説明させられて大変だった。


 アイラ姉や学園長達はまだエルフの里にいるが、向こうもそろそろやることは終わるだろう。

 そうなったら、平和な学園生活の再開かな?








「あ、目が覚めました? レイさん」


 次の日、懐かし(?)の学生寮でのんびり朝を迎えたのだが、そんなミールの声で起こされた。

 いや、正確には布団の中で下半身がムズムズしたので、めくってみたら案の定といった状況なのだが。


 エルフの里に居た時は、()()()()()()()自重していたのだが、帰ってきて早々とは······。


「よく寝ていたので、起こすなら()()()()が一番かと思いまして」


 返答に困る言葉だ。

 いや、確かに気持ち良かったし、目はバッチリ覚めたけど。


「ミール、レイ君起きた? もう朝食の時間になるけ······」


 そんな時に、寮の食堂に行っていたと思われるエイミが戻ってきた。

 ミールが()()()()()()していた状況だったわけで、オレは丁度服を着直そうと立ち上がったというタイミングで、まだ()()履いてない状態だった。

 エイミの言葉が途中で止まり、視線がオレの下半身に向き······。


「ひぃやあああーーーーっっ!!!???」


 次の瞬間、エイミの悲鳴が響いた。







「姉さんも、()()()()初めてではないでしょうに、いつまで経っても初心(うぶ)な反応をするんですね」

「ミ、ミールと違ってわたしは慣れてないし、慣れる気もしないからね!?」


 そんな感じに、ちょっと気まずい会話をしながら朝食を済ませた。

 王都に帰ってきた影響もあるのか、二人が完全にいつもの調子に戻ってくれてよかった、と思っておこう。



 今日は学園はお休みなので、色々自由に動くつもりだ。エルフの里の件はアイラ姉達に任せているし、龍人族の国に現れた妖精族のことに関しても聖女セーラ達に任せて問題ないだろうから、オレに出来ることはない。


「おはようですです、マスター!」

「おはようございます、マスター様」


 寮の入口で掃除をしていたディリーとアトリが声をかけてきたので、オレも挨拶を返した。

 ちなみにエルフの里に連れて行っていたメイドさん達は、メイド長のグラム以外は全員王都に戻らせている。

 エルフの里の復興作業もほとんど終わっていたから、もうお役御免だったからね。

 学園長の補佐役としてのグラムだけは、まだエルフの里に残っているが。


 だが、学園や学生寮で働くメイドさんの中に人形娘達の姿はない。

 パールスはエルフの里で負傷し、その治療と検査のために連れ戻されていた。

 そしてつい先日サフィルス、ヴェルデ、それにアーテルとアルブス、そしてシルヴァラといった他の人形娘達も彼女達の真の主人(グランドマスター)であるトゥーレミシアに呼び戻され、魔人領へと帰っていったからだ。


 天使族の遺跡の調査のためとか言っていたが、本当に全員連れて行くとはな。

 人形娘達は高い戦闘能力を持ち、特にリーダー格のアウルムとシルヴァラは(超越者)のスキルを持つアイラ姉とも、まともに渡り合える実力者だった。


 そんな人形娘達を全員連れて行くなんて、はっきり言って過剰戦力だと思うのだが。

 それとも天使族というのは、それだけヤバイ種族なのだろうか?

 神をも超えた力を手に入れた種族とも言われているが、単なる眉唾物だと思うけどな。



――――――――――!!!!!



 そんなことを考えていたら、上からいくつかの蒼い羽根が落ちてきた。

 すごく見覚えのある羽根なのだが······?


「――――――主人(マスター)············」


 見上げると、そこにいたのはやはりサフィルスだった。遠目でもわかるくらい、ボロボロに負傷した姿だ。

 真の主人(トゥーレミシア)と天使族の遺跡の調査に行ってたはずのサフィルスが何故ここに?


「大丈夫か? しっかりしろ、サフィルス」

「――――――申し訳、ありません主人(マスター)主人(マスター)に、救援要請を······」


 オレはゆっくり降りてきたサフィルスを受け止めた。思ってたよりも、負傷が酷い。

 救援要請と口にしているが、遺跡の調査中に何者かに襲われたのか?

 サフィルスがここまでボロボロになるなんて、相当ヤバイ相手だ。

 トゥーレミシアは、他の人形娘達はどうしたんだ?



――――――――――!!!!!



 考えている暇もなく、今度は巨大な影が周囲を覆った。

 あれは······大型の魔物か?




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