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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第七章 古代天上都市フェーマ 天使族の置き土産
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523 調査続行

(バルフィーユside)


 天使族の遺跡······いや、都市か?

 そこを調査していたら、見たこともねえタイプのゴーレムが現れた。

 数は全部で5体。

 俺達を侵入者と見なして排除する気満々だ。


 退屈な調査になるかと思ってた矢先だ。

 精々派手に暴れてやるかな。


「――――――創造主(グランドマスター)、戦闘の許可を」

「ええ、構わないわ。でも、周りの建物はあまり破壊しないようにしなさい」


 アウルムが代表してトゥーレから許可を取り、殺戮人形(キラードール)共が戦闘態勢に入る。

 俺一人で5体とも相手にしても構わねえんだが、コイツらも戦いたがっていやがるしな。

 ま、少しくらい譲ってやるか。


 ゴーレムの相手は俺達に任せて、トゥーレとガストは高みの見物に徹するつもりか。

 トゥーレはともかく、ガストの野郎は戦闘能力に関しては貧弱だからな。

 巻き込まれないようにしてくれた方がいい。


「侵入者ヲ排除スル」


 ゴーレムの1体が俺に攻撃を仕掛けてきた。

 俺は片手でゴーレムの腕を受け止めたが、思っていたよりも重い。

 こりゃあ、気を抜くとヤバいかもな。


「くらいなっ、煉獄火炎弾!!」


 俺はもう片方の手から炎球を繰り出し、至近距離から喰らわせてやったが、ゴーレムは衝撃で弾き飛んだだけで、無傷だった。

 手加減したとはいえ傷一つねえとは、かなり頑丈だな。それなら、俺も遠慮する必要はなさそうだ。


「カツテナイ脅威ト判断。全力デ排除スル」

「ハハハハハッ、いいねぇ。本気でかかってこいよ!」


 ゴーレムの動きがさっきよりも速くなりやがった。

 言葉通り本気になったみたいだな。

 そうでなきゃ面白くねえ。



――――――――――!!!!!



「終わりだ!」

「グ、ギギ······」


 何度か激しく打ち合い、とうとうゴーレムの身体が砕けた。俺の攻撃にそこまで耐えるとはなかなかだったが、ここまでのようだな。

 ゴーレムの身体が崩れ、完全に沈黙した。

 さて、他の4体はどうだ?




「――――――シルヴァラ、トドメを!」

「――――――了解、下がってください、アウルム」


 様子を見ると、丁度アウルムが2体のゴーレムを長く伸ばした髪で拘束して、シルヴァラがトドメを刺したところだった。

 少々手こずったみたいだが、コイツらなら問題なく倒せるようだな。



 残る2体は他の殺戮人形(キラードール)共が囲んで、倒したのが見えた。

 考え無しに特攻したと思われるヴェルデやロセウスが、大きな傷を負っているな。

 まあ、あれくらいならすぐに修復するだろうが。

 他の奴らも細かい傷を負っているが、概ね問題なさそうだ。




「思っていたよりも手間取ったわね。大丈夫? ヴェルデ、ロセウス」


 すべてのゴーレムが沈黙したのを確認して、トゥーレがこっちに来た。

 放って置いても大丈夫だろうに、トゥーレ自ら傷の深いヴェルデとロセウスを修復している。



 俺の見たところ、殺戮人形(キラードール)の中でも特に戦闘能力が高いアウルム、シルヴァラ、そしてグライスなら一対一でもあのゴーレムは倒せただろう。

 ただ他の奴らは複数がかりでないと、ちょいとばかし厳しいってところか。


 トゥーレ自慢の殺戮人形(キラードール)に匹敵する力を持つゴーレム······か。

 なるほど、使役するゴーレムでこれなら天使族はそれ以上の力を持っていてもおかしくねえ。

 神をも上回る力を手に入れたってのも、真実味が出てきたな。


「妙ですね。ゴーレムを排除しても、天使族自身が出てくる様子がありません」


 沈黙したゴーレムを確認しながら、ガストが言う。

 確かに天使族どころか、生物の気配も相変わらず感じねえな。


「このゴーレム達は、おそらくは警備用なのでしょう。そのゴーレムが倒されたのだから、私達を警戒してどこからか様子を伺ってるのかもしれないわ」


 ま、トゥーレの言う通り、使役してたゴーレムがやられたからといってノコノコ出てくるわけねえか。


「本音を言えば、天使族と友好的に話し合いたいのだけど、この様子だと難しそうね」

「問答無用で襲ってきたんだから、仕方無えだろ? こういう事態も想定してたから殺戮人形(キラードール)どもを連れて来たんじゃねえのか」


 そもそも結界を破って入ってきた俺達は侵入者だからな。そんな俺達が友好的に接したいと考えてるなんて、天使族も思ってねえだろ。


「それもそうね。それじゃあ新たなゴーレムが出てくる様子はないし、とりあえずは建物を一つ一つ見て回りましょう」


 トゥーレはそう言って、調査を再開した。

 切り替えの早さは相変わらずだな。


 周りには大小様々な建物が並んでいる。

 気配を全く感じないのは気になるが、天使族どもがどこかに潜んでいるのは間違いねえだろう。



 初っ端からこれなら、俺にとっては楽しい調査になりそうだ。



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