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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第七章 古代天上都市フェーマ 天使族の置き土産
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522 天使族の遺跡の謎のゴーレム

魔人族視点になります。

(バルフィーユside)


 神槍を使い、天使族の遺跡を覆っている結界を吹き飛ばした。もともとはナークの専用武器だっただけに、扱いがかなり難しかったが、まあこれくらいなら余裕だ。



――――――――――!!!!!



 結界が消えて、天使族の遺跡が姿を現した。

 思っていた以上に大規模だな。


「さあ、皆いくわよ」


 トゥーレが先導して、俺達は天使族の遺跡の調査を開始した。







「遺跡って言うより、まるで大都市だな」


 まず最初に出た俺の感想がそれだ。

 遺跡というから、てっきり古臭い建物とかを想像していたが、結界を抜けた先には大都市と呼べる規模の街並みが広がっていた。


 まあ、珍しいがあり得ない話でもねえ。

 町や国規模を結界で覆い隠して、外部から完全に遮断して隠れ住む前例もあったらしいからな。

 天使族も、何らかの理由で外部との接触を避けていたのか?


「しかし妙ですね。荒れ果てている様子はないが、生物の気配がまるで感じられない」


 ガストが周囲を見渡し言う。

 確かに俺の感覚でも、生物の気配は感じねえな。

 やっぱり天使族ってのは、とっくの昔に滅びちまったのか?


「天使族が地上から姿を消したのは何千年も前という話よ。その時に滅びたのなら、こんなにキレイに街並みが残るはずないわよ。周りの建物を見る限り、そんな長い時間放置した感じじゃないし」


 トゥーレが言うように、周囲の建物は整備されたように小綺麗に残っている。

 道端には石ころ一つ転がってねえ。

 何千年も前に滅びたんなら、もっとボロボロに荒れ果てているはずだからな。


 だが、だとするなら天使共はどこに消えたんだ?

 あんな強力な結界が張ってあったんだから、外に出たってわけでもないだろうしな。


「――――――天使〜、どこいるの? 隠れてないで遊ぼうよ〜」

「――――――ヴェルデ、暴れたら天使出て来るかな?」


 殺戮人形(キラードール)の中でも特にお子様な性格のロセウスとヴェルデが我慢出来ずに、周りを探り出した。

 大声で天使を呼んだり、建物を不必要にガンガン叩いてやがる。


「――――――ロセウス、ヴェルデ! 不用意に動くのはやめなさい。あ、プルルスも勝手な行動は慎みなさい! グライス、プルルスを止めなさい」


 殺戮人形(キラードール)のリーダー格であるアウルムが、あちこちで勝手に動こうとする他の人形達に苦慮していた。

 シルヴァラや他の比較的まともな性格の奴らもアウルムを手伝い、勝手な行動を取ろうとする奴を止める。

 戦力を揃えるためとはいえ、殺戮人形(キラードール)を全員連れてきたのは失敗だったんじゃねえか?

 戦力面ならアウルムとシルヴァラ辺りが居れば充分だろうしな。


 当の人形使い(トゥーレミシア)は、殺戮人形(キラードール)共の勝手な行動をあまり気にせず、周囲の建物の調査に夢中になっている。


「この建物に使われている素材、見たことのない金属ね。魔人族や人族とは違った技術力を持っているみたいだわ。こうなると天使族の暮らしぶりも気になるわね」


 やれやれ、ああなると声をかけても耳に入らないかもしれねえな。

 天使族どころか他の生物の気配もねえし、俺からしたら退屈な調査になりそうだ――――――



――――――――――!!!!!



 と思っていたら、周囲の建物の入口の扉が開き、何かが出てきた。


「生体反応、確認」


 出てきたのは、見たことのないような金属に覆われた人型のゴーレムだった。

 サイズは俺らより一回りでかいくらいで、ゴーレムとしては小型の部類に入るな。

 数は······全部で5体か。


「ドノ認識番号トモ一致シナイ。侵入者ト判断。速ヤカニ排除シマス」


 ゴーレムがそう言うと同時に、腕から突起物が生えてきて、そこから魔力の塊を放ってきた。

 とんでもない力を込めた攻撃だ。

 まあ、まともに喰らうようなトロい奴はこの場にはいねえから、全員それぞれゴーレムの攻撃を避けていた。(ガストはグライスに抱えられていた)


 ゴーレムの攻撃が通った地面が見事に抉られていた。まともに喰らえば確かにやべぇかもな。


「ゴーレム? 天使族の使役している物かしら」


 トゥーレが興味深そうにゴーレムを見る。

 あんまり不用心に近付くんじゃねえぞ。


「あなた達と敵対する気はないわ。あなた達を使役する主人がいるのなら、一度話し合いを······」

「侵入者ハ排除シマス」


――――――――――!!!!!



 対話を求めたトゥーレだったが、ゴーレムは問答無用で攻撃を加えてきた。

 俺はすぐにトゥーレを抱え、ゴーレムから距離を取る。こりゃあ、話は通じそうにねえな。


「話し合いは無理っぽいな。ま、せっかくの歓迎だし、派手に暴れてもいいだろ?」


 荒事なら、俺からすれば寧ろ望むところだ。

 俺だけでなく、殺戮人形(キラードール)共も戦いたがっているようだしな。


「仕方無いわね。ゴーレムを全滅させれば主人が姿を見せるかもしれないし。けど、あのゴーレム達かなり強いわよ。バルフィーユは心配いらないでしょうけど、貴女達は気を付けて戦いなさい」


 はっ、言われなくても心配いらねえよ。

 殺戮人形(キラードール)共も、そこらのゴーレムにやられるほどヤワじゃねえだろうに、少しばかし過保護すぎやしないか?



 まあ、いい。

 退屈な調査になるかと思っていたが、これなら俺も楽しめそうだ。

 天使族の使役するゴーレム······その力、見させてもらうぜ。



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