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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第七章 古代天上都市フェーマ 天使族の置き土産
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閑話⑳ 2 王女のお願い?

 クラントールの町に作った屋敷と果樹園の様子を見に来たら、騎士達に占拠(?)されていた。

 オレが騎士達にどう対応しようか考えていると、屋敷の中から、豪華なドレス姿の女性が出てきた。

 どうやらこの女性が話に聞いていた王女様で、騎士達は王女様の護衛騎士団らしい。


 騎士達は10人くらいいて、全員女性の女騎士団だ。隊長と思われる人は、オレより年上っぽい二十代くらいの年齢でレベルは40ある、なかなかの美人さんだ。

 他の女騎士達も平均レベル25くらいか。

 よほど規格外な強力な魔物が現れない限り、護衛としては充分過ぎる戦力と言えるだろう。


「あなたがこの土地の所有者なのね。私はミューニィ。この国の第四王女よ」


 ドレス姿の女性がそう名乗った。

 やはりこの人が王女様か。

 年はオレと同じくらいで、ちょっとキツめの目付きだが、美人の部類に入る顔立ちだ。



[ミューニィ] レベル15

〈体力〉155/155

〈力〉25〈敏捷〉60〈魔力〉75



 これが王女ミューニィのステータスだ。

 特質したスキルもなく、数値も至って平凡かな。

 リイネさん達と違って戦う王女様ってわけじゃなく、守られるタイプの王女様って感じだな。


「オレの名前はレイ。この国について、あんまり詳しくないんだけど、王女様がなんでウチに?」

「貴様、ミューニィ様になんて口の聞き方をしている!」


 自己紹介ついでに質問したのだが、女騎士の隊長さんが横から口を出してきた。

 つい、リイネさん達と同じように接してしまった。まあ、もともと敬語は苦手なんだけど。


 そんな隊長さんに、ディリーとアトリが文句を言いそうな雰囲気だったけど、その前に王女様が手で制した。


「良いわよ、ミゼル。年も近そうだし、私も砕けた口調の方が喋りやすいわ」


 どうやら王女様より許しが出たようだ。

 ミゼルと呼ばれた女騎士の隊長さんは、ミューニィの言葉を聞いて渋々押し黙った。


「この土地を借りたのは別の国の貴族って聞いていたけど、私と同じくらいの人だとは思わなかったわ。どこの国の出身かしら?」

「えーと、アルフィーネ王国ってところだけど」


 出身地を聞かれたので、とりあえずリイネさん達の住む国を答えておいた。

 貴族ではないのだが、ややこしくなりそうだし、そこはもういいだろう。


「まあ、アルフィーネ王国なんて、あまり良い噂を聞かないわよ? いっそ、ウチに乗り換えた方がいいんじゃないかしら」


 良い噂を聞かないって、そんなことないと思うけど。寧ろ、悪いがこっちの国の方が良い話を聞かないぞ。

 リイネさん達の国とは仲が良くないみたいだし、悪いイメージがついちゃってるのかな?




「王女様、収穫物をお持ちしました」

「どうぞ、お納めください」


 果樹園の管理をしている住人達が、収穫した果物を次々と持ってきた。


「あら、ご苦労さま。ミゼル、そっちへ置いといてくれる?」

「はっ」


 隊長のミゼルや他の女騎士達が、住人から果物を受け取り、手慣れたように運んでいく。

 ここを占拠してるのかと思ったけど、ちゃんと住人達と協力しているみたいだな。

 住人達はニコニコ顔で、イヤイヤ従っている感じではない。


「ここの果実や食物はあなたが植えた物だと聞いたわ。帝都でも食べたことのない、美味しい物ばかりだわ。あなたはアルフィーネ王国出身と言っていたけど、あの国でも見たことないわよ。どうやって作ったのかしら?」


 なるほどね。

 ミューニィの話を聞くと、視察で町を回っている内にこの場所を知り、果実の味に感動してしまったとのこと。

 そのため視察をそっちのけで、ここに入浸っているようだ。

 ここに植えているのはオレのいた元の世界のもので、異世界(こっち)にはないものばかりだからな。


 気に入ってくれたのは嬉しいけど、どうやって作ったのかと聞かれると、どう答えようか困るな。

 なので、曖昧に濁しておいた。


「あら、見かけによらず口が堅いのね。私がこれだけ頼んでも話してくれないのかしら?」


 オレの顔を覗き込むように見ながら、そう言ってくる様子は少し可愛らしく見えた。



〈(洗脳)の効果を抵抗(レジスト)しました〉



 不意にオレのメニュー画面にそんな表示が出た。

 洗脳? まさか······。


 もしやと思い、住人達のステータスを確認すると全員に(状態:洗脳)と表示が出ていた。

 ニコニコ顔で王女に従っているのは、洗脳されていたからだったのか。


 だけど、ミューニィは(洗脳)のスキルは持っていないはず。

 不思議に思い、ミューニィに目を向けると、首の下あたりに着けているブローチから不穏な気配を感じた。



(支配の魔石〈アイテムランク5〉)

身に着けた状態で対象を見つめると、心と身体を支配出来る。



 そこそこアイテムランクの高い、物騒な効果のあるアイテムだ。

 何やら、きな臭くなってきたな。



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