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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第七章 古代天上都市フェーマ 天使族の置き土産
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513 ゲームは進む

(シノブside)


 拙者の止まったマスのお題は、魔物の群れを討伐せよという内容でござった。

 魔物はキリングウルフという、ウルフ系の魔物でもかなり上位の種類らしいでござる。

 群れの平均レベルは約50。ボスらしき、一回り大きな魔物は60あるでござるな。

 まさか、すごろくで魔物討伐させられるとは思わなかったでござる。


 とはいえ、拙者のレベルはすでに1000を超えていて、(超越者)のスキルも習得済み。

 油断は禁物でござるが、この程度の魔物に後れは取らないでござるよ。



「とうっ、でござる!」


 襲いかかってくる魔物を片っ端から倒していき、ボスを討ち取ったところで、草原のフィールドが消え、元のマス目に戻ったでござる。


「驚いたね、あの魔物の群れを簡単に撃退するなんて。その年でその強さとは、末恐ろしいものだ」


 フィーネ殿がそう称賛してくれたでござる。

 その年でと言うでござるが、見た目はフィーネ殿も拙者と変わらないくらいでは?

 古代種のエンジェ殿のように、姿が幼いだけで、もしかしてフィーネ殿も相当な年上なのでござるかな?



 ともかく、お題はクリアしたので、どんどんすごろくを進めていくでござる。

 1回休みのメリッサ殿を飛ばして、再びスミレ殿がルーレットを回したでござる。

 今度は特にお題のない、無難なマスに止まったでござるな。

 また何か食べられると期待していたのか、スミレ殿は不満そうな様子でござるが。

 この調子でどんどん進めていくでござる。







「わーっ!!? ギ、ギブ、ギブギブギブ!!! ギブアップするノヨ!!?」


 エアリィ殿も魔物の現れるお題のマスに止まり、自信満々に倒すと意気込んでいたでござるが、相手は巨大な蜘蛛の魔物で、あっさり糸に絡め取られてしまい、捕食される一歩手前で降参したでござる。

 ギブアップ宣言と同時に、蜘蛛の魔物は消えたでござる。


「ギブアップの場合は3回分休みだね。ちなみに食われていたら、ゲームオーバーだったから危なかったね」


 しれっと言うフィーネ殿でござるが、ゲームオーバーとは、まさか死ぬということでは?


「あの魔物は幻影だからね。さっきも言ったけど、たとえ食われてたとしても、命の危険はないから安心しなよ。まあ、肉体的には無事でも、精神の方は保障出来ないけどね」


 拙者達の考えていることを読んだのか、フィーネ殿がそう付け加えたでござる。

 確かに、たとえ本物でなくとも魔物に食われてしまったら、トラウマになるでござるよな。

 幻影と言っても、さっき戦った時の手応えは本物と何ら変わらなかったでござるし。


「そ、それは怖いんダヨ······」

「ア、アタシは怖くないノヨ。さっきのだって、油断しなければ簡単に蹴散らせたノヨ」


 シルファン殿は怖気づいた様子を見せ、エアリィ殿はちょっと震えながら、胸を張ったでござる。


「妖精族でも、あのレベルの幻影を見せるのは難しいのデスよ。あなた、一体何者なんデスか?」

「その質問は、そっちが勝負に勝ったら教えると言っただろ? さあさあ、早くゲームを進めなよ」


 ミスティ殿の疑問には答えず、すごろくが続行されたでござる。

 まあ、魔物を倒せずともギブアップすればいいだけなので、そこまで恐れることもないでござるかな?






「にししっ、やっと楽しくなってきたよ! もっと強い魔物は出せないのかな?」


 その後、ゲームはどんどん進み、ゴールも近くなってきたでござる。

 エアリィ殿達、妖精族組は魔物の相手は厳しそうでギブアップを重ね、ルーレットを回せる残り回数が少なくなっているでござるが、スミレ殿やメリッサ殿はむしろ、嬉々として魔物を蹴散らしながら進めているでござる。

 というか、魔物討伐マスが多すぎるでござるよ。



「勇者の嬢ちゃんはともかく、そっちの二人もとんでもない実力だね。一体何者だい?」

「それは、拙者達が敗北したら答えるでござるよ」


 さっきのミスティ殿の質問の意趣返しに、そう答えたでござる。

 現れる魔物はレベル100もないので、二人とも無双状態で倒せているでござるな。


 しかし、お題は魔物討伐ばかりではなく······。


「············武器が消えた?」

「そこはアイテム没収マスだね。この先、武器防具無しで進むことになるよ」


 スミレ殿がマス目に止まると同時に、装備品が全て消えてしまったでござる。

 武器だけでなく、身につけていた着物まで消えてしまっているでござる。

 かろうじて、下着だけは残されているものの、収納魔法で仕舞っているアイテムまで使えないみたいでござる。


「異性の目がなくてよかったね。前に勇者パーティーがやってた時は大騒ぎになってたものだけど」


 勇者も、このすごろくで遊んだのでござるか?

 確か当時の勇者は六人パーティーだったと、エンジェ殿に聞いた覚えがあるでござる。

 勇者パーティーがどんな様子ですごろくを興じていたのか、少し気になるでござるな。


「············装備が無くても問題ない。ご主人様は裸でも堂々と戦う」


 スミレ殿が言いたいことは理解出来たでござるが、それは少々事情が違うのでは?

 まあ、それよりもスミレ殿は下着姿になっても気にしていないでござるな。

 装備が無くても、レベル100くらいの魔物ならば問題ないでござるが、それ以上の魔物も現れる可能性もあるでござるし、油断は出来ないでござる。



 ゴールまであと少し、気を引き締めるでござるよ。





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