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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第七章 古代天上都市フェーマ 天使族の置き土産
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509 妖精の城を探検

お子様達の冒険(?)です。

(シノブside)


 師匠が妖精と龍人達との、今後の大事な話し合いに呼ばれていったでござる。

 拙者は難しい話には口を挟めないので、そういったことはお任せするでござるよ。



 せっかく時間が出来たので、エアリィ殿や妖精達に妖精の国について聞くことにするでござるかな。


「ちゃっかり外の世界で楽しんでいたなんて、あれだけ心配して損したんダヨ!」

「人族は怖くなかったんデスか?」


 ちなみにエアリィ殿は、他の妖精達の質問や文句に得意気に答えているでござる。

 先ほどまでは妖精女王に睨まれて震え上がっていたのに、その女王殿がいなくなったら、またいつもの調子に戻ったでござる。


「レイおにーさんも行っちゃったし、退屈だよ。ねぇねぇ、妖精のお城を探検していいかな? な〜んか、面白そうな()()があるんだよね〜」

「············ボクも興味ある」


 メリッサ殿とスミレ殿も、妖精の国に興味津々みたいでござる。

 正直に言えば、拙者も興味あるでござる。


「紹介するノヨ! アタシの下僕のシノブとスミレなノヨ! あれ、そっちは誰だっけ?」


 エアリィ殿が仲間の妖精達に、拙者達を紹介したでござる。拙者達はエアリィ殿の下僕だったでござるか?

 それと、そういえば初対面だったメリッサ殿を指差して、首を傾げているでござる。


「シノブ達に話は聞いていたけど、本当に妖精の友達がいたんだね。にししっ、面白いな〜」

「わーっ!? や、やめるんダヨ!」


 メリッサ殿がまた、妖精の一人を捕まえて弄り出したでござる。

 勢い余って、羽や妖精の身体を毟り取りそうで怖いでござるな。


「うううっ、やっぱり人族は怖いんダヨ」

「にししっ、アチシは人族じゃないけどね」


 妖精がメリッサ殿の手から逃れて、エアリィ殿の影に隠れたでござる。

 拙者は変なことはしないから、あまり苦手意識を持たないで欲しいでござるな。





「オイラはシルファン。エアリィと同じ、風を司る妖精なんダヨ!」

「私は水を司る妖精ミスティ。よろしくなんデスよ」


 エアリィ殿を囲っていた妖精達が、拙者達の案内のために二人だけ残って、他はそれぞれ持ち場に戻ったでござる。

 残ったシルファンとミスティと名乗る妖精は、特にエアリィ殿と仲良かったという話でござる。


 シルファン殿は緑色の短髪で、ヤンチャな少年のような見た目の妖精でござる。

 ミスティ殿は少し長めの水色の髪で、エアリィ殿よりほんの少し、大人っぽい女性の顔立ちでござる。

 ちなみに、体長はどちらもエアリィ殿と同じくらいでござる。


「拙者はシノブと申すでござる」

「············ボクはスミレ」

「にししっ、アチシはメリッサだよ!」


 拙者達もそれぞれ名乗ったでござる。

 シルファン殿は、まだメリッサ殿に苦手意識を持っていて、少し距離を取っているでござる。


「城の中を案内するのはいいデスけど、あんまり面白いところなんて、ないのデスよ?」

「構わないでござるよ。拙者達は妖精の暮らしに興味あるでござるから」

「暴れたり、いきなり襲いかからないでほしいんダヨ?」


 水の妖精のミスティ殿が、拙者達の案内を務めてくれることになったでござる。

 シルファン殿はまだビクビクしてるでござるが、ミスティ殿と同じく、拙者達を案内してくれるみたいでござる。


「心配いらないノヨ。シノブ達は悪いコ達じゃないノヨ。それに、いざとなったらこのエアリィ様がいれば安心なノヨ!」


 エアリィ殿が胸を張って、そんなことを言ったでござる。シルファン殿は、そんなエアリィ殿に懐疑的な視線を向けているでござるが、拙者達が悪者じゃないということは納得してくれたようでござる。





 というわけで、妖精の城を探検開始でござる。

 中は、人族や龍人族の城と大差なく、豪華な造りとなっているでござるな。

 違いがあるとするなら魔道具と思われる、装飾品が城のあちらこちらに置いてあるのが目立つくらいでござるかな。

 魔法が得意だという妖精が作った物なら、王都の専門店とはまた違ったタイプの魔道具もあるのでござろうか?



 城の中を見てわかったのは、妖精達はエアリィ殿達のように小柄な者だけでなく、妖精女王のように人族と同じ体長(サイズ)の者も、それなりにいるようでござる。

 身体の大きな妖精は〝大妖精〟と呼ばれ、妖精の中でも位の高い人物らしいでござる。

 位が高くなったら、身体が大きくなるのでござろうか?





 案内されるまま見て回り、珍しい物がいっぱいで拙者もついつい目が行ってしまうでござるが、スミレ殿とメリッサ殿はさらに大はしゃぎでござった。


「············なんだろ、コレ?」

「わーっ、それは非常警報作動装置だから、触っちゃダメなんダヨ〜!」


 スミレ殿が目の前の赤いボタンを興味深く見て、手を伸ばしたところを止められたでござる。

 あれは防犯用の物でござるかな。


「ねぇねぇ、あの見るからに怪しい扉は何なの?」


 メリッサ殿が、城の奥の方に位置する場所にある扉を指差したでござる。

 確かに珍しい紋様がいくつも浮かび上がっていたりで、他の部屋とは違う感じでござるな。


「そこは〝開かずの間〟と呼ばれていて、私達も何があるのか知らないんデスよ。扉は何重にも封印が施されているデスから、女王様以外は誰も開けられな······」



――――――――――!!!


「あれ、ちょっと触ったら封印が解けちゃったみたいだよ?」


 ミスティ殿が止める間もなく、メリッサ殿が扉に手をかけたら、浮かび上がっていた紋様は消えてしまったでござる。



 メリッサ殿の言うように、封印とやらが解けてしまったみたいでござるが、大丈夫なのでござるか?



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