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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第七章 古代天上都市フェーマ 天使族の置き土産
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505 妖精の国の殺戮人形

 神薬を飲ませたことで、テリアの体力が回復している。まだ目を覚まさないけど、鑑定魔法で見る限りでは特に異常はない。

 しばらくは様子見かな。


「ありがとうございます、レイさん! テリアの顔色が良くなってきているので、もう大丈夫だと思います」


 テリアの容態が回復して、エレナが嬉しそうにお礼を言った。意識が戻るまでは安心出来ないが、テリアは小さく先ほどまでは聞こえなかった寝息をたてている。

 リンやセーラも、その様子を見て安堵していた。


「そういえば、ユウ達はどこに行ってるの?」


 疑問に思っていたので聞いてみた。

 ユウ達が、この状態のテリアをほったらかしにしておくとは思えないのだが。


「ユウさん達なら、精神を癒す薬草を採取しに、外の森に行っています」


 オレの疑問にセーラが答えてくれた。

 妖精族の住む浮島の森では、色々な薬草が採れるらしい。

 ユウ達もテリアのために何か出来ることはないかと、行動していたってことか。



「――――――あれあれ? テリちゃんの顔色が良くなっているね、ね。ユウ君達に頼まれて急いで届けに来たんだけど、もしかして必要なかったかな、かな?」


 両手いっぱいに薬草を持った女の子が部屋に入ってきた。整った可愛らしい容姿で、茶色い髪とそれと同じ色の翼を生やした少女だ。

 妖精族ではないが、人族でもなさそうだ。

 というか、この少女······どことなく見覚えのある顔立ちだが。


「あれ、プルルスじゃん。なんでここにいるの?」

「――――――ありゃ、メリッサ? そっちこそ、なんでここにいるのかな、かな?」


 メリッサが茶髪の少女を見て声をかけた。

 少女の方もメリッサを見て、意外そうな反応だ。


「メリッサ殿、知り合いでござるか?」

「うん! プルルスって名前で、アチシと同じトゥーレの子だよ」


 シノブの問いに、元気良く答えた。

 ってことは、この子は人形(ドール)なのか。

 見た目がサフィルス達とよく似ていると思ったんだよな。



[プルルス] レベル960

〈体力〉98000/1085000

〈力〉104000〈敏捷〉197600〈魔力〉142500


〈スキル〉

(神将の加護〈大〉)(状態異常耐性〈極〉)

(身体強化〈極〉)(同時詠唱)(大地の龍脈)

(願い星)(限界突破)(――――――)(――――――)



 レベル900超えで、ステータスがサフィルス達と同じくらいある。

 やっぱりこの子は殺戮人形(キラードール)の一体か。〈体力〉がやけに減少してるのが気になるけど、まあそのことはいいとして、なんでトゥーレミシアの殺戮人形(キラードール)がここにいるんだ?

 ユウ達に頼まれて薬草を持ってきたって言っていたけど、やけに親しげだな。




「――――――ボクはプルルス! よろしくね、ね」


 人形の子、プルルスがウインクしながら笑顔で名乗った。

 詳しい話を聞くと、あの幻獣人族の里に現れたガストとかいう魔人が龍人族の国(こっち)にも現れて、少しばかし騒動を起こしたらしい。

 この子(プルルス)とグライスという2体の殺戮人形(キラードール)は魔人の護衛として同行していたとか。

 魔人とグライスはすでに魔人領に撤退していったみたいだが、プルルスだけはユウ達を気に入り、ここに残ったそうだ。

 本当にこっちでは色々なことがあったんだな。


「――――――へ〜、そのシノブって子と、そっちの男の人も勇者なんだね、だね。ユウ君も強かったけど、その二人からはそれ以上の力を感じるかな、かな?」


 プルルスがオレとシノブの顔を交互に見比べる。表情豊かで人懐っこい性格みたいだな。

 殺戮人形(キラードール)と呼ばれる存在とは、とても思えない。

 鑑定魔法でステータスを確認しなかったら、普通に無邪気な子供としか思わなかったかも。


「――――――そっちの子は獣人? なんか違うかな、かな? もしかして幻獣人族ってやつ? うっわ〜、珍しいね、ね」


 今度はスミレの方に目を向けた。

 好奇心旺盛な子だ。

 スミレは特に反応することなく、無表情のままだ。なんだかスミレの方が人形っぽいな。



「ねぇ、プルルスさん。ユウ達は?」

「――――――ああ、エレちゃん。ユウ君達なら、もう少し薬草を集めてから戻るって言ってたよ、よ」


 エレナの問いに、プルルスが答える。

 ユウ達は、まだしばらくは戻って来なさそうだな。

 あのマティアって子も、一緒に薬草採りに行っているらしく、シノブ達も会いたがっていたので、少し残念だな。帰って来るまで待つか?



 テリアもその内に目を覚ますだろうし、とりあえずは一件落着だ。

 時間潰しに妖精族の城を見て回ろうかな。



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