表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第七章 古代天上都市フェーマ 天使族の置き土産
695/736

503 妖精族の浮島へ

 リンから龍人族の国での出来事を教えてもらった。


 浮島に住む妖精族を支配した魔王軍幹部率いる魔人族が、その浮島を利用して、龍人族の国に攻撃を仕掛けてきたらしい。

 黙って見てるわけにはいかない龍人族側は、ユウ達と共に浮島に乗り込み、魔王軍幹部の魔人含む、元凶達を捕らえることに成功したとのこと。

 魔王軍幹部と言っても、神将ほどの実力はなかったようだな。フレンリーズ王国に現れたギュランという魔人くらいの強さかな?


 ちなみに魔王軍幹部はゲーエルという名で、今は他の魔人ともども龍王の城で拘束中だとか。


「魔人達は龍人族や妖精族、それにユウさん達の活躍で、それほど苦戦せずに鎮圧出来ました。問題だったのは、ゲーエルが妖精族の浮島中にばら撒いた魔虫の方で······」


 話を聞く限り、どうやらエルフの里で神将ダルクローアが使っていたのと同じ、生物に寄生して操る(タイプ)の魔虫のようだな。

 その魔虫にテリアが寄生されてしまったのか。

 テリアはかなりの実力者であり、レベルは以前見た時はスミレ達と同じくらいあったはず。

 もしかしたら、今はもっと強くなっているかもしれない。


 そんなテリアが魔虫に寄生され、操られてしまったら、魔王軍幹部を相手にするより、ずっとヤバいだろう。

 どうにか寄生した魔虫をテリアから追い出し、倒すことは出来たようだが、未だに意識不明というのが現状か。


 ダルクローアが使っていた魔虫も、長く寄生されていると生命力や魂の力が吸い尽くされ、手遅れになるという話だった。

 テリアは寄生されて、そんなに時間は経っていないはずだし、まだ手遅れではないはずだ。


「それで、テリアはどこに? 龍王の城?」

龍王の城(ここ)ではなく、妖精女王の城で治療中です。妖精族は魔法が得意な種族で、精神系の治療も行えますので」


 妖精女王の城というと、上にある浮島か。

 ユウや聖女セーラ達も、そこにいるようだ。

 それにしても、あんな大きな島が浮いてるなんて、改めて、ここはファンタジーな世界なんだと実感するな。




「話は済んだか? なら、すぐに飛び立つぞ」


 リンの後ろから、フードを被った人物が姿を現した。冥界の神の使いを名乗っていた、メデューサの少女ジャネンだ。

 この子も、まだ龍人族の国にいたのか。

 側には霊獣カオスレイヴンが待機している。


「すみません、ジャネンさん。お願いします」


 どうやらリンは、ジャネンの使役する霊獣に乗せてもらって、浮島(あそこ)から降りてきたようだ。


「また会ったな。もう一人の勇者······レイだったな」

「ああ。前に会った時より、顔色が良くなってるな。もう神将に受けた傷は大丈夫なのか?」


 ジャネンの肌は少し灰色っぽいのでわかりづらいが、以前よりも血色が良いように見える。


「へ〜、フードから蛇みたいなのが少し見えてるけど、もしかして冥界のメデューサ族かな? うっわぁ〜、珍しいね」


 メリッサがオレ達の間に遠慮なく入って、ジャネンの顔を覗き込んだ。

 メリッサは前に龍人族の国に来たことがあったけど、その時はジャネンと顔を合わせなかったんだっけ?

 ジャネンは顔をしかめながら、メリッサから視線を逸らす。


「ところで、レイさん。今、気付きましたけど、シノブさんとスミレさんを連れて来たのはともかく、何故、魔人の手先である、その少女がいるんですか?」


 リンがメリッサを見て、警戒している。

 以前、メリッサが来たのは、魔人バルフィーユと共に龍王の城を襲撃した時だからな。

 オレと一緒にいるから、その程度の反応だっただけで、本来なら問答無用で捕らえるなり、攻撃を仕掛けてもおかしくない。


「ああ、メリッサとは実は――――――」


 オレはメリッサを側に置くことになった出来事を簡単に話した。

 バルフィーユが幻獣人族の里に現れて、なんやかんやあってメリッサともう一人の魔人(レニー)を置いていったことを。(本編322話辺りを参照してください)




「そんなことがあったんですか······」


 オレの話を聞いて、リンが思案顔を見せる。

 まあ、こっちはこっちで色々あったからな。


「師匠、リン殿も。今はそれよりも、テリア殿のことが先決でござるよ」


 シノブの言う通りだな。

 積もる話は後でいいだろう。

 テリアの容態を見たら、改めてリンやセーラ達と色々と情報交換しよう。




 オレ達は霊獣カオスレイヴンの背に乗り、妖精族の住むという浮島へと向かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ