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閑話⑲ 6 膨らむ疑念

下ネタ話が続きます。

 ミールに半ば強引に服を脱がされていたところに、別の部屋で寝ていたはずのフェニアが転がり込むように入ってきた。


「きゃああああっ!!?」


 下の服のベルトを外され、露わになっていた()()()()思い切り見られ、フェニアは顔を真っ赤にして叫んだ。



「な、何をしていましたの、ミールさん······!?」

「少し落ち着いてください、フェニアさん」


 動揺しているフェニアをミールが落ち着かせている。オレはその間に、衣服の乱れを直した。

 フェニアはミールの話を聞いて、目をグルグル回している。


「く、口で男性のを······なんて、ミールさん、貴女······そんな進んだ関係を······」

「ワタシだけではありませんよ? 姉さんやルナシェアさんだって······」


 小声で話しているが、大体の内容が聞こえてくる。恥ずかしいから、そんなに細かく話さないでくれ。

 経験のないフェニアは、顔を真っ赤にしながらも興味深くミールの話を聞いていた。


「あの······フェニア?」


 さすがに恥ずかし過ぎるので、オレは口を挟んだ。オレの声を聞いて、フェニアがビクッと反応する。


「ききき、今日のところは、これで失礼しますわ······! お騒がせして、申し訳ありませんでした」


 恥ずかしさに耐えられなくなったのか、フェニアは一方的に頭を下げて、出て行ってしまった。

 取り残された形となったオレは、呼び止めることも出来なかった。

 まあ、呼び止めるって言っても、なんて言えばいいかわからなかったけど。


「仮面男のお仕置きを受けたフェニアさんなら、もう()()()()慣れているかと思いましたが、そんなことありませんでしたね」


 ミールがしれっと、そんなことを言った。

 オレは、それに対して沈黙を貫いた。


「さて、レイさん。()()()()でしたので、続きをしましょうか?」


 気を取り直してという口調で、ミールがまたオレの服に手を伸ばす。

 しかし、それは部屋の入口から覗き込んでいる存在に気付き、中断されるのだった。







(ルナシェアside)


 目を覚ますと、見知らぬ部屋でありました。

 ここは······?

 横にエイミ殿が寝かされていたので、ここはエイミ殿達の実家の一室だと理解したであります。


 そうでありました。

 小生は正義の仮面殿に手合わせを挑み、敗れたのでありました。

 先ほどの出来事を思い出してしまうと、()()()()()()()()まで蘇ってきたであります。

 やはり、アレは慣れないでありますな······。


「ん、············あれ、ルナシェアさん? なんでここに? それに、わたしは······」


 エイミ殿も目を覚ましたであります。

 状況が理解出来ていないようでありましたので、小生は魔人騒動の後始末が一段落したので、エイミ殿達の実家を訪ねてきたことを説明したであります。


「エイミ殿は何故、寝室に? まだ寝るには早い時間だと思うでありますが」

「えっと、わたしは······その······」


 何やら話しづらい事情があるようで、口ごもっているであります。

 まあ、おそらくは正義の仮面殿がお二人の実家に居たことから、何かあったのだと予想出来るでありますが、こちらとしても聞きづらいであります。



「きゃああああっ!!?」



 そんな時、部屋の外から悲鳴が聞こえたであります。この声はフェニア殿!?

 小生とエイミ殿は急いで部屋を飛び出したであります。



 声のした部屋に向かうと、扉が開いており、中にはフェニア殿、そしてミール殿とレイ殿の姿が見えたであります。

 レイ殿も帰っていたでありますか。

 特に緊急事態というわけではないようなので、入口からそっと様子を伺うと、ミール殿と何か話していたフェニア殿が、顔を真っ赤にして飛び出して行ったであります。

 小生達に気付く素振りもないくらいの慌てようでありましたな。


「ど、どうしたんだろう、フェニアさん?」


 エイミ殿も不思議そうにしているであります。

 今度はおそるおそる部屋の中を覗くと、ミール殿がレイ殿の服を脱がそうとしているのが見えたであります。


 途中だったとか言っているでありますし、ひょっとして先ほどのフェニア殿の悲鳴は、ミール殿が()()殿()()()致しているのを目撃したでありますかな?



「ルナシェア? それにエイミも、何をしているのかな?」


 息を呑みながら続きを覗いていたら、レイ殿に気付かれてしまったであります。


「ルナシェアさん、姉さんも起きていたのですか」


 ミール殿が手を止め、こちらに目を向けたであります。中断させられて、少し不満そうな様子でありますな。


「せっかくですから、ルナシェアさんと姉さんも一緒に、()()()しますか?」

「いえ······今はそういった気分ではないので、遠慮しておくであります」


 ミール殿がそんな提案をしてきたでありますが、ここは断ったであります。

 先ほどの正義の仮面殿との手合わせで、小生も少々、いけない気分になっているので、今()()殿()()()見たら、それ以上の行為に及びそうなのであります。



 それにしても、未だにレイ殿と正義の仮面殿が、同一人物なのでは、という疑念が晴れないであります。

 ここはレイ殿にも、直接聞いてみるでありますかな。



 

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