閑話⑲ 5 目撃
下ネタ話が続きます。
(ミールside)
正義の仮面さんとルナシェアさん、フェニアさんとの手合わせは終了しました。
結果は言うまでもなく、正義の仮面さんの勝利ですね。
二人は気を失ってしまったので、元の姿に戻ったレイさんと家の中まで運び入れ、今は姉さんと三人で仲良く寝ています。
今は、そっとしておきましょう。
「さて、レイさん。ワタシの言いたいことがわかりますか?」
「えーと······」
さっきまで、仮面姿で大胆に行動していたため、レイさんは今は気まずそうにしています。
普段のレイさんは、変態的なことはしない常識人ですからね。
ですが、ああいった積極的な姿も割と好きですよ。
「まあ、それはもういいでしょう。ルナシェアさんとフェニアさん、ついでに姉さんも、しばらくすれば目を覚ますでしょうし」
ルナシェアさんから、卑猥な攻撃は控えるよう言われていましたが、結局、卑猥な攻撃で決着を着けてしまいましたね。
それとも、あれは卑猥な攻撃ではないのでしょうか?
二人とも、特にフェニアさんは正義の仮面さんの攻撃を受けた後、とても幸せそうな表情で気を失っていましたが。
いっそのこと、ワタシも手合わせに参加するべきでしたか。
「ちょっ、ミール!? 何をしようとしてるのかな?」
「見ての通りですが?」
「いや、この状況でそれは······」
ワタシはレイさんの服のベルトを外して、脱がそうとしています。
ああいった行為を目の前で見せられては、ワタシも少し欲求不満となってしまいます。
幸いにも姉さん達は寝ていますし、母様達もまだ帰って来ないでしょう。
「レイさんは、おとなしく座っているだけでいいですからね?」
ワタシはそう言って、困りながらも抵抗しないレイさんの服を脱がせました。
(フェニアside)
ここはどこでしょうか?
アタクシはいつの間にか、見慣れぬ部屋のベッドの上で寝かされていました。
横には意識のないルナさんに、エイミさんの姿があります。
確かアタクシは······。そ、そうでしたわ!?
ルナさんと共に正義の仮面様との手合わせに参加して、最後にあの方の······。
思い出したら、先ほどの感触が蘇ってきましたわ!!?
気を失ってしまうなんて、なんたる不覚。
それはそれとして、どうやらここはエイミさんとミールさんの実家の一室みたいですわね。
気を失ったアタクシとルナさんを、ミールさん達が運んでくれたのですわね。
正義の仮面様は、もうどこかに行ってしまわれたのでしょうか?
アタクシはそっとベッドから降りて、部屋の外を確認しました。
別の部屋では、何やら話し声が聞こえてきました。これは、ミールさんとレイさんの声ですわね。
出掛けていたというレイさんが帰ってきているみたいですが、二人で何を話しているのでしょうか?
悪趣味かもしれませんでしたが、扉の隙間から物音を立てないように様子を伺いました。
「············やはり、レイさんも興奮が残っていたみたいですね。すでに············なっていますよ」
やはり二人がいるみたいですわね。
しかし、何をしているのでしょうか?
ミールさんが、椅子に腰掛けているレイさんに手を伸ばしているのが見えますが。
位置的に、よく見えませんわ。
もう少し、よく見ようと身を乗り出したらバランスを崩して、扉を勢いよく開けて部屋の中に転がり込んでしまいました。
「フェニアさん? 起きていたのですか」
そんなアタクシを見て、ミールさんが声をかけときました。
二人は何かしていたようですが、さすがにこのような状況では中断したみたいですわ。
「もしかして、覗いていたのですか? 悪趣味ですよ、フェニアさん」
「お、お見苦しいところをお見せしましたわ······。すみません」
倒れ込んでいたアタクシに、ミールさんが呆れた口調で手を差し伸べました。
言い訳のしようがないので、素直に謝りましたわ。
ただ、恥ずかしいのでミールさんから顔を逸らそうと、レイさんの方に目を向けました。
レイさんは少し気まずそうな表情をしていました。それはいいのですが、レイさんの服装に違和感が······?
「··················え?」
つい、視線を下に向けると、レイさんの下の服のベルトが外されていました。
そして、そこからはレイさんの······男性のが露わになっていました。
「きゃああああっ!!?」
予想外のことで、つい叫んでしまいました。
レイさんもハッとして、慌てて衣服を整えています。お、思い切り見てしまいましたわ······!
さらに先ほどの正義の仮面様のを思い出してしまい、顔全体が熱くなってきます。
レイさん、あの方に負けず劣らずの、なかなかに立派なモノをお持ちで······いやいや、何を思っていますの、アタクシは!?
そもそも、何故そのように衣服を乱していましたの?
ミールさんと何かしていたようでしたが、もしや二人は身体を重ね合うほどの深い関係を······?