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閑話⑱ 3 一般生徒目線の騒動

(リーフィside)


 私は報道部所属の兎人族、リーフィ。

 今日も特ダネ集めに勤しんでいるのですよ!

 とはいえ、最近はめぼしいネタが無いのが現状なのですけど。

 まあ、ネタが無いというのは、事件も何もなく平和だということでもありますけど。


 エルフの生徒が故郷の里に帰って戻って来ないという話もありますけど、さすがに学園外、それもエルフの里のことになると、私では調べるのも限界がありますし。

 学園長がレイっちとアイラさんを連れて里の様子を見に行ったそうですし、それにフェニアさん、さらには聖女ルナシェア······じゃなくてルナさんもついて行ったそうなので、心配いらないと思うのですよ。

 そのネタは皆さんが帰ってきたら聞いてみることにするのですよ。



 やはり私が一番知りたいネタは、あの謎の仮面の人物、正義の仮面に関することなのですよ。

 最近はあまり姿を現さなくなってしまったので、正体を掴むどころではないのですが。


 王都で起こる事件や事故などから人々を救い、さらには悪いことをした人物には()()()()と称して罰を与える。

 まあ、男性の犯罪者などは普通に捕らえてるみたいで、お仕置きするのは主に女の人だけみたいですけど。

 あの仮面の人物のお仕置きは、あまりに特殊な故に、当然といえば当然なのですけどね。


 私も受けたことあるのですが、お仕置きとは、男の人のアレを顔に押し付けて······ひゃああっ!!?

 お、思い出しちゃったのですよ、あの時の感触を······!!

 ま、まあ······()()を顔にくっつけられただけで、それ以上、何かされたわけではないのですが······。

 それだけでも充分、衝撃的すぎて今でも鮮明に思い出しちゃうのですよ。



 私以外にも、お仕置きを受けた人がいるのですよね。学園内では、フェニアさんにフレネイアさん、それと隣のクラスのサラーナさんも受けたらしいのですよ。

 フレネイアさんの話では、なんとフレネイアさんの姉である聖女アルケミア様も受けたとか。

 聖女様にまで手を出すなんて、とんでもない話なのですよ。


 ちょっと前には召喚された悪魔(サキュバス)にも、お仕置きしているのを見ましたし、私が把握していないだけで、他にもいそうなのですよね。


 たくさんの女性にこんなことをするなんて、普通に考えれば、とんでもない変態なのですけど、仮面の人物を悪く言う人は何故かいないのですよ。

 ··················私も、男性の感触はそんなに悪くなかったというか、何と言うか······。

 寧ろ、後学のためにもう一度······。


 い、いけないのですよ!!

 変なことを考えてないで、ネタ集めに向かうのですよ!!





 気を取り直してネタ集めに向かうと、何やらグラウンドの方が騒がしいのですよ。

 グラウンドの中心にいるのは、最近になって学園で見かけるようになった緑髪の新人メイドさん?

 それともう一人の新人メイドの蒼髪の子に、リイネ様にロディン様。

 何やら、模擬戦っぽいことをしているのですよ。見学者も多く集まって、盛り上がっていますね。

 今日、そんなイベントを行うなんて告知、なかったはずなのですよ?


 緑髪のメイド、確かヴェルデさんでしたっけ?

 ヴェルデさんを蒼髪のメイド、サフィルスさんとリイネ様が二人がかりで相手にしているみたいですね。

 ロディン様は見学者の誘導、そして安全のための結界をミウネーレさんやキリシェさんなど、数人がかりで張っているのが見えるのですよ。



「――――――それじゃあ、遠慮なくいく!」


 ヴェルデさんが魔法を放って、リイネ様達に攻撃を仕掛けたのですよ。

 見かけによらず、高威力の魔法を使えるのですね。派手な爆発が起こって、周囲も大盛り上がりですね。


 楽しそうなヴェルデさんとは裏腹に、リイネ様はかなり真剣な表情なのが気になるのですけど。

 ちなみにサフィルスさんは無表情で、何を考えているのか、いまいちわかりませんね。


 その後も激しい攻防が繰り広げられているのですよ。ヴェルデさんの魔法は強力で、ミウネーレさん達が張っている結界が何度も砕けそうになっているのですよ。

 本当にこれは模擬戦なのですかね?



――――――――――!!!!!



 そんなリイネ様達の模擬戦に、空から乱入者が現れたのですよ。

 現れたのは、それぞれ黒と白の髪と翼を生やした二人の女の子でした。鳥獣族?

 いえ、そんな感じはしないのでイベントの一環でしょうかね。

 よく見たら、サフィルスさんやヴェルデさんと顔付きが似ているので、姉妹······もしくは親族でしょうか?


「――――――やっと見つけた、ヴェルデ、サフィルス」

「――――――パールスは、ここにはいないのですか?」


 黒髪と白髪の子達が、それぞれ言います。

 やはり二人の知り合いのようなのですよ。


「――――――アーテル、アルブス、何故ここに? 創造主(グランドマスター)からの指示ですか?」


 サフィルスさんが二人に問います。

 黒髪がアーテル、白髪がアルブスですか。

 この会話もイベントの一環なのでしょうか?

 だとしたら、なかなかに凝っていますね。


「――――――違う、あたし達の独断」

「――――――アタシ達の行動に創造主(グランドマスター)は関与していません」

「「――――――それよりも、あなた達が主人(マスター)と呼ぶ、あの方はどこ(ですか)?」」


 二人が声を揃えて、そう言ったのですよ。

 誰かを探しているのですかね?


「お前達はこの二人(サフィルス達)の知り合いか? だとしても、学園内でこれ以上、騒ぎを起こされては困る。即刻、この場から······」

「――――――見知らぬ人族に用はない」

「――――――殲滅されたくなければ、どこかへ消えなさい」


 前に出て、そう言うリイネ様を、アーテルとアルブスは威嚇するように魔力を解放したのですよ。

 この二人、リイネ様を上回るくらいの、とんでもない魔力を秘めているのですよ。



 というかコレ、本当にただのイベントなのですかね?




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