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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第二章 始まりの町アルネージュでの出来事
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58 アルケミアの動揺(※)

※(注)引き続き変態男が現れます。

男の変態度が上がっています。

下ネタ嫌いの方は飛ばして下さい。

(アルケミアside)


 目の前に知らない男が立っていましたわ。

 黒いマスクで顔を隠し、下着一枚のほとんど裸のような格好で······。


「な、な、何者ですかあなたはっ!!?」


 と、というか今(わたくし)が触っていたのはこの男の············。

 いやあああーーっ······き、汚いーーっ!!?

 なんてモノを触らせるのですかこの男は!?



「せ、正義の仮面さん······?」

「何故この男がここにっ!?」


 セーラさんとリンはどうやらこの男を知っているようです。リンも驚いているので彼女が連れてきたわけではないようですわね。

 何者ですか、この男は?



「私の名は正義の仮面。聖女アルケミアよ、同じ立場であるにも関わらず聖女セーラ殿の試練の邪魔をしようとは許せません。あなたにはお仕置きする必要がありそうですな」


 せ、正義の仮面?

 そういえば変な格好をした正義の味方がいるという噂を聞いた覚えがあるような······。

 しかし変な格好というよりただの変態でしょう!?

 これのどこが正義の味方ですか!


「お······お仕置き······」

「まさかこの男、アルケミア様に······」


 後ろでセーラさんとリンが何か言っています。

 この男、(わたくし)に何をするつもりですの!?


「わ、(わたくし)はセーラさんに聖女としての心構えを説いただけですわ。何もやましいことはしていませんことよ?」


 そう、(わたくし)は間違ったことは言っていませんわ。確かにセーラさんを強引に連れてきたことは認めますけど。


「あなたはセーラ殿が聖女としてふさわしくないとおっしゃっているがそれは違います。彼女は聖女にふさわしい方だ」

「な、何を根拠にそんなことを」

「セーラ殿はあなたと違い元は平民です。なのでより人々の気持ちを理解していると言えます。上に立つだけでは下の者の考えを理解するのは難しいのでは?」


 む······変な格好をしているくせに正論を口にしますわね。(わたくし)は貴族寄りの考えを持っていますからね。それに反発する者も確かにいますわ。


「ですが下の者の考えを理解しているからといって上に立つ器とは言えませんわ」


 あまり弱気な態度を見せれば甘く見られてしまいますし、理解していればいいというわけではありませんわ。


「ではアルケミア殿、あなたの方はどうなのです? あなた自身は聖女にふさわしいと言えるのですか?」

「······(わたくし)が聖女にふさわしくないと言うつもりですの?」


 この男······何を言い出すのかと思えば。

 (わたくし)は聖女にふさわしくて当然ですのよ。

 セーラさんにもルナシェアさんにも負けるつもりはありませんわ。


「ならば試してみましょう、あなたが聖女にふさわしいのかを」


 (わたくし)を試す?

 面白いことを言いますね。


「どう試すと言うのですか?」


 (わたくし)がそう言うと男はおもむろに自身の下着に手をかけました。


「はっ!!」

「「きゃっ!!?」」


 男の行動に(わたくし)とセーラさんが同時に声をあげてしまいました。

 この男、唯一身に付けていた下着を脱いでしまいました。

 つまりは全裸············。


「な、な、何を考えていますの!!? は、はしたないですわ!早くしまいなさい!!」


 (わたくし)は思わず顔を背けます。

 とても直視できませんわ!

 (わたくし)は男性とのそういう経験はないのですよ!

 男性の裸自体見たことありませんのよ。


「聖女たる者どんなことにも目を背けるべきではありません。私の裸体程度も直視できないのですか?」


 何を言ってますのこの男は!?

 それとこれとは話が······。

 しかし時にはどんな凄惨な光景にも目を背けてはならないこともあるのは事実ですわね······。


 この男そこまで考えて············いえ、騙されてはいけませんわ!

 ただの変態ですわよ!


「ふむ、やはりあなたは聖女にふさわしくないのでは?この程度のことで心を乱すとは」


 く······この男、言いたい放題言ってくれますわね。

 確かにそうですわね。

 男性の裸程度に動揺していてはいけませんわ。


「そんなことありませんわ。そんなことで心を乱したりはしませんことよ!」


 (わたくし)は男の方に目を向けます。

 ······なるべく下の方は見ないように男の顔を見ます。


「ほう、ならばそのまま視線を逸らさずにいられますかな?」


 男がゆっくりとこちらに近づいてきますわ。

 ······目を逸らしてはいけませんわ。


 この男の意図がわかりました。

 こうやって(わたくし)を言葉で言い負かせて自分を正当化させようとしているのですわ。

 動揺すればこの男の思う壺ですわ。


「た、たとえ何をされようと(わたくし)は屈しませんわよ」


 男がどんどん近づいてきますわ。

 大丈夫ですわ······さすがに(わたくし)に危害を加えたりとかはしないでしょう。

 これはただの脅しですわ。



 大丈夫······大丈夫のはずですわ······。






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