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471 レイ覚醒

 フルフルにパワーアップしてもらった奈落の剣(アビスブレード)を持って連続で巨人を斬りつけた。

 今の奈落の剣(アビスブレード)なら、巨人の強靭な皮膚も簡単に斬り裂くことが出来る。

 今までとは比べ物にならない切れ味だ。


「――――――――――!!」


 巨人がまた光線を放ってきた。

 なんだか攻撃がワンパターンだな。オレは奈落の剣(アビスブレード)を振るい、光線を弾いた。

 この剣なら傷付くことなく光線を容易に弾けるな。


 エイミ、ルナシェア、そしてシノブも的確に援護してくれているので余裕を持って戦うことが出来ている。

 スミレも下がらせて、皆と一緒に後方からの援護に回ってもらった。



 それにしてもステータスが鑑定出来なかったのと、あらゆる物を消滅させてくる光線に驚いて警戒したが、冷静に見たらこの巨人、あんまり強くなくないか?

 まあ、弱いわけじゃなくて思ってた程強くない、という意味だが。

 正直、神樹の迷宮にいた守護者の方がよっぽど強かったくらいだ。


 魔神の一部とか言うから絶望的なくらい次元の違う相手かと思ったが、この調子ならなんとかなりそうだぞ。

 いや、油断は禁物だな。

 アイラ姉がいたら気を引き締めろと叱責されるだろう。最後まで気を緩めないようにしないとな。



「――――――――――!!!!!」


 巨人が再び光線を撃つ構えを見せる。

 さっきまでとはケタ違いに魔力を集中させている。今までの威力ではオレを仕留めることは出来ないと判断したのか?

 パワーアップした奈落の剣(アビスブレード)でも正面から弾くのは危険そうだ。



――――――――――!!!!!



 巨人から光線が放たれた。

 下手な位置関係だとエルフの里にまで被害が及びそうだったので、オレは直前で上空に飛び、巨人の攻撃を誘導した。


「レイ君!?」「レイ殿!!」


 エイミとルナシェアの心配する声が聞こえたが、大丈夫だ。

 オレは光線が当たる前に転移魔法で巨人の背後に移動していた。

 皆には光線が直撃したように見えてしまっただろうから、余計な心配をさせちゃったな。

 まあ、そのフォローはこの巨人を倒した後だ。


「これで終わりだ! 神光(しんこう)煉獄衝(れんごくしょう)!!!」


 隙だらけの巨人の背後から(神聖剣術)を放った。奈落の剣(アビスブレード)の刀身が光り輝き、「光」と「闇」の属性が融合した魔力を帯びた剣で巨人を斬り裂いた。


「――――――――――!!??」


 巨人が声にならない悲鳴(超音波?)をあげて、(神聖剣術)の光に包まれながら消滅していく。

 最後の悪あがきに何かしてくるか警戒したが、巨人はそのまま為す術もなく消えていった。

 終わったのか······?



〈レベルが上がりました。各種ステータスが上がります〉

〈解放条件を満たしました。新たなスキルを獲得しました〉



 おっ、久々のレベルアップの表示が出た。

 それに新たなスキルも獲得したみたいだ。

 レベル999からずっと上がる様子がなかったのだが、ついにレベルアップに必要な経験値に達したのか?


 どれだけステータスが上がったのか確認する前から、すでに全身から力が溢れ出るような感覚がある。



[レイ] レベル1000

〈体力〉2685000/2685000

〈力〉1248000〈敏捷〉1327500〈魔力〉1522000


〈スキル〉

(全状態異常無効)(素材召喚)(神眼)

(獲得経験値10倍)(同時詠唱)(暴食)

(強化再生)(連携)(神聖剣術〈レベル7〉)

(限界突破)(分身)(各種言語習得)

(異世界の絆〈9/10〉)

(女神の祝福〈仮〉)(女神の導き〈3/7〉)

(超越者〈NEW〉)



 ついにレベルが四桁になった。

 そして新たに獲得したスキルはアイラ姉が言っていた(超越者)だ。

 レベルが999から1000になっただけでステータスの上昇値が凄まじいのは、このスキルの効果だろう。

 元々高かったステータスが、もはやバグったような数値になっている。


 スキル獲得の条件はやはりレベル1000になることだったのだろうか?

 それとも魔神の一部とはいえ、神の名を持つ相手を倒したことによるものだったのかな?



「レイ君、大丈夫!?」

「レイ殿、無事でありますか!?」


 エイミとルナシェアが駆け寄ってきた。

 レベルアップやスキルについて考えるのは後にするか。二人にはオレが巨人の光線を浴びてしまったように見えたみたいなので、ずいぶん心配させてしまった。

 オレは自身の無事を二人にアピールした。


「よかったであります。いくらレイ殿といえど、あの攻撃は危険でありましたが故に······」

「心配してくれてありがとう、ルナシェア、エイミ」

「ううん、無事ならよかったよ······」


 二人とも心底安堵した表情をしていた。

 心配してくれて嬉しくもあり、申し訳なくもある。ちょっと複雑だ。


「それはそうとダルクローア(あいつ)はどこ行った?」

「師匠達があの巨人を相手にしている内に、いつの間にか姿を消していたでござる」


 オレの問いにシノブが答えた。

 また逃げられたか?

 待望の魔神の一部が倒されてしまったことで、今度こそ諦めたかな?



 いや、今までのことからダルクローア(あいつ)がそう簡単に引き下がるとは思えないな。



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