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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第二章 始まりの町アルネージュでの出来事
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53 セーラ失踪

 アルケミアの試練の護衛を終えて数日が経った。今日はオレは一人で家でのんびりしている。

 アイラ姉はグレンダさんの騎士団の訓練に行っているし、シノブとエアリィは子供達と遊びに出かけている。



 しばらく前まではミウネーレやユーリが毎日のように来ていたんだけど二人とも王都の学園に行ってしまったから静かなものだ。

 ミウもユーリも王都に行く時の見送りでは名残惜しそうにしていた。

 正直オレも少し寂しくはある。


 まだ国王からの呼び出しとかはないらしい。

 国王も英雄と呼ばれているとはいえ、ただの冒険者には興味ないのかな?

 それならそれでいいんだけど。



 そういえばあれからアルケミアが何か言ってきたりとかもないな。

 先日リンから突然〝念話〟が来た時は少し困ったが。

 その内容はというと············。



―――――レイさん! アルケミア様の護衛をするというのは聞いていましたけど加護を与えているってどういうことですか!?


 いきなりのリンからのお怒りの念話だった。



―――――セーラ様からもわたしの加護スキルに関して迷宮内で何をしたのか色々説明させられて大変だったんですよ! 今度はアルケミア様から質問責めです!


 どうやらアルケミアは加護についてリンに色々聞き出そうとしたらしい。

 リンが怒っているのはアルケミアに加護を与えたことではなく、そのせいで恥ずかしい質問を受けたためのようだ。

 ······よほどアルケミアにしつこく質問されたんだろうな。



―――――何をして加護を与えられたなんてわたしにどう言えと!? そんなの説明できるわけないじゃないですかーーっ!!


 ······まあそうだよな。

 オレだって詳しく教えてと言われても困る。

 なんとかうやむやにして誤魔化したらしいが、かなり大変で恥ずかしかったとリンはお怒りだった。


 興奮状態のリンを宥めるのに苦労したよ············。



 リンの話しによるとアルケミアも約束通りオレ達が異世界人だということは他の人には話してはいないそうだ。

 ただオレ達をどうにか取り込もうと執着している様子だったという。

 何事もなければいいんだが············。



 こう思ってしまったのは()()()だったのだろうか?

 先日のように再びリンから念話が来た。



―――――レイさん、そちらにセーラ様は来ていますか!?


 かなり慌てた様子でリンが言う。

 今オレは一人で家にいる。

 当然セーラの姿はない。

 そもそも聖女であるセーラは一人で外出はしないんじゃないか?



―――――今朝からセーラ様の姿がどこにも見えないんです! 今日は儀式の日なのに黙っていなくなるなんておかしいです!!


 儀式? ああ、そういえば今日はセーラの聖女の試練を行う満月の日だったな。

 今日を逃したら次の満月は3ヶ月後になる。

 前回はオークの件で儀式はできなかったんだったよな。

 そんな日にリンに何も告げずにいなくなるなんて確かに変だな。



―――――落ち着いてリン、とりあえず直接会おう。町の中央広場まで来て。


 今日は一日のんびりするつもりだったんだが、こういう事情じゃ仕方ない。

 一度念話を切って町の中央広場に向かうことにした。




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