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6 初めての魔物退治

テンプレが続きます。

 次の日、オレ達は冒険者ギルドの依頼をさっそく受けることにした。

 といってもまだランクはFなので受けるのは常備されている簡単なものだが。


(ヒールリーフの採集)


 これは納品クエストってやつかな。20本以上で1回達成らしい。報酬は銀貨2枚。

 ちなみにヒールリーフは薬草の一種らしい。

 そのまま使っても傷を治す効果があるがそれを材料にポーションを作るとより効果が上がるようだ。


(ゴブリンの討伐)(ウルフの討伐)

(オークの討伐)


 こっちは討伐クエストか。

 やっぱりいるのか、ゴブリン、ウルフ、オーク。5体以上討伐して達成のようだ。



 さっそく依頼を達成しに行こう。

 ヒールリーフは町を出て近くの森に生えているらしい。森の入り口付近だと大した数はなく奥地に行かないとまとまった数は手に入らないようだ。

 森の中ではゴブリンやウルフが出るらしいので丁度いい。


〈ヒールリーフ×23〉


 もう依頼達成の数以上集めてしまった。

 ヒールリーフは専門の知識がないとただの雑草と見分けが難しいのだが、オレ達は見ただけで名前が表示されるので探すのは簡単だった。


 しかも23本というのはあくまでオレのアイテムボックスの中の数だ。

 アイラ姉とシノブも同じくらいの数を見つけて自分のアイテムボックスに入れていた。

 後でまとめておこう。


「ゲギャアアッ!!」


 ゴブリンが現れ、襲いかかってきた。

 ゴブリンは邪鬼と呼ばれる小柄な魔物だ。

 大体一度に5~6匹で現れる。


「はっ!!」


 ゴブリンを殴り倒すとあっさり絶命した。

 人型の魔物なので倒すのに戸惑うかと思ったんだがゲーム感覚のためかあまり気にならない。

 ゴブリンは他の魔物と違って死ぬと体が消滅して魔石だけがその場に残る。


〈ゴブリンの魔石×15〉


 結構貯まってきたな。


「フム、手応えがないな」

「弱いでござるな」


 アイラ姉とシノブも余裕そうだ。



〈レベルが上がりました。各種ステータスが上がります〉



 いきなりメニュー画面が開き、そう表示された。

 え、レベルアップ?



〈魔法を覚えました。新たなスキルを手に入れました〉



 メニュー画面に次々と文字が表示される。あまりにも情報が多すぎる。

 ていうかゴブリンしか倒してないのにもうレベルアップって早すぎないか?


[レイ] レベル251

〈体力〉5600/5600

〈力〉4650〈敏捷〉3120〈魔力〉7050


〈スキル〉

(全状態異常無効〈NEW〉)(素材召喚〈NEW〉)

(獲得経験値10倍)(各種言語習得)



 レベルが1上がってステータスが増えてる。

 (魔法)の項目には物凄い数の魔法名が表示されている。数えきれないくらいあるんだがこれ全部使えるのか?


 あとステータス画面に(スキル)の項目が出来てる。

 オレのスキルは4つ。

 〈NEW〉の文字がついてるのは今手に入ったやつってことか?

 (獲得経験値10倍)と(各種言語習得)には〈NEW〉の文字はないのは最初から持っていたスキルってことか?


 スキルの項目を押すと説明文が出た。


(各種言語習得)

あらゆる言語、文字を理解できるようになる。



 簡単な説明だな。

 もしかして異世界でも言葉や文字が普通に通じていたのはこのスキルのおかげか?

 他の説明も見てみるか。


(全状態異常無効)

あらゆる身体の異常を無効化する。



 うん、まんまの説明だな。

 でもなんとなくわかる。毒とか麻痺とかを無効化してくれるスキルだな。

 これってかなり凄いスキルじゃないか?


(素材召喚)

アイテムの素材となるものを異次元より召喚する。

召喚する素材によって消費魔力は変化する。



(獲得経験値10倍)

パーティー全員の獲得経験値を通常の10倍にする。



 う~ん、素材召喚ってのは説明だけじゃいまいちわからないな。

 獲得経験値10倍ってのはまんまだな。

 でもパーティー全員ってことはオレだけでなくアイラ姉やシノブにも効果があるってことか。

 このスキルのおかげでレベルアップが早かったのかな。でもゴブリン数十匹が10倍になっても大した経験値にはならない気がするんだが。


「おお、レベルとやらが上がったぞ」

「拙者もでござる」


 アイラ姉とシノブもレベルが上がったようだ。

 二人ともオレと同じように魔法とスキルを覚えたらしい。


[シノブ] レベル221

〈体力〉4350/4350

〈力〉3150〈敏捷〉5800〈魔力〉2300


〈スキル〉

(全状態異常無効〈NEW〉)(薬物錬成〈NEW〉)

(魔法付与〈NEW〉)(獲得経験値10倍)

(各種言語習得)



 ん? シノブのスキル、オレのと違うんだが。

 まあ個人でスキルが違うなんて珍しくないし、むしろそれが普通かな。


(薬物錬成)

あらゆる薬を作り出すことが可能になる。錬成するには素材となるアイテムが必要。



(魔法付与)

アイテム類に魔法の力を付与する。



 相変わらず簡単な説明だな。

 薬物錬成はゲームでいう所の生産系スキルかな。多分ポーションや毒消しなんかを作るための。


 魔法付与は武器に炎や氷の力をつけたり出来る感じかな? 試してみないとわからないか。

 アイラ姉の方はどうかな。


[アイラ] レベル381

〈体力〉18200/18200

〈力〉6550〈敏捷〉8250〈魔力〉4080


〈スキル〉

(全状態異常無効〈NEW〉)

(アイテム錬成〈NEW〉)

(獲得経験値20倍)(各種言語習得)



 アイラ姉はアイテム錬成か。


(アイテム錬成)

薬物を除くあらゆるアイテムが錬成可能になる。錬成するには素材となるアイテムが必要。



 薬物以外のあらゆるアイテムって凄くないか?

 素材さえあれば武器や防具も作れるのかな。

 シノブはその薬物を作れる。

 そしてオレは素材召喚のスキルがある。


 あれ? もしかしてオレ達が三人力を合わせれば何でも作れるってことか?

 まあ試してみないとどの程度まで可能なのかわからないか。


 それとアイラ姉にはもうひとつ注目するべきスキルがある。

 (獲得経験値2()0()倍)スキル。オレとシノブの倍の効果だ。

 凄いなアイラ姉······。

 でもオレ達三人とも経験値を増やすスキルを持ってるけど、この場合どうなるんだ?

 一番効果の高いアイラ姉のスキルが優先されるのかな。


「グルルル······」


 おっと、新しい魔物が現れた。

 今度はゴブリンじゃない。ウルフだ。大型犬を更に一回り大きくした感じの魔物だな。

 そんなウルフが1、2、3······8匹か。丁度いい。

 たった今覚えた魔法を試して見よう。



 精神を集中させると、魔力の流れみたいなのがわかる。初めて使うのに、やり方がはっきりわかる。

 攻撃魔法は「炎」「氷」「水」「風」etc······あらゆるものがあるな。

 初めてだし、ここは基本の「炎」属性から試そう。


 最下級魔法の(ファイア)を選ぶ。

 魔力を集中させて魔法を放つ。


「ファイア!!」



―――――――!!!!!!!!!!



 8匹のウルフは跡形もなく吹き飛んだ。

 ·······え? 何この威力······?

 (ファイア)って「炎」属性で一番弱い魔法なんだけど。

 メ○を撃ったらメラ○ーマどころか、マダ○テだったくらいの威力なんだけど。

 魔力を強く込めすぎたらしい。

 最下級でこの威力、最上級魔法も使えるっぽいんだけど必要あるかな?

 慣れるまでは町中では絶対に使えないな。


 ウルフはゴブリンと違って死んでも消滅せずに死体は残る。はずなのに何も残らなかった。

 いや、魔石だけは残ってるな。



〈レベルが上がりました。各種ステータスが上がります〉



 え、またレベルアップ?

 ウルフ8匹倒しただけだぞ。いくら何でも早すぎるだろ。まさか······一つ可能性があった。


 オレもアイラ姉もシノブも、獲得経験値を上げるスキルがある。

 そしてそれはパーティー全員に効果がある。

 オレとシノブは10倍。アイラ姉は20倍。

 10×10×20=2000倍。

 つまりオレ達の獲得経験値は通常の2000倍になってるんじゃないか?


 ウルフ8匹でも×2000で16000匹分。

 レベルが上がってもおかしくはない。この予想が正しければチートすぎるな。


「レイ······」

「うん······わかってるアイラ姉、魔法は危険だね」


 アイラ姉とシノブも今の魔法にはドン引きだ。

 二人も魔法が使えるはずだけど、練習が必要だな。それと今、オレが気付いた獲得経験値2000倍の可能性も話しておこう。


「つまり、私達三人が一緒に行動すれば強くなりやすいということか」

「おお、それはすごいでござるな」

「ウム、この世界は何が起こるかわからない。可能なら出来る限り強くなった方がいいだろう」


 今でも充分強いとは思うけど、アイラ姉の言う通りだ。オレ達よりもレベルが高い奴がいたっておかしくはない。


 その後も魔物が次々と現れたので、練習として魔法で倒していく。

 何回かやってる内に威力の調整はなんとなくわかった。

 アイラ姉とシノブもそれなりに上手く使っている。その間に何度かレベルも上がった。

 それなりに収穫はあったので一度町に戻り冒険者ギルドに向かう。

 依頼の完了手続きだ。


「完了手続きですね。では報告とギルドカードの提出をお願いします」


 受付は昨日と同じお姉さんだ。ミャオさんという名前らしい。

 猫耳の獣人だけあってピッタリな名前だ。

 オレ達はギルドカードを出す。


「はい、討伐依頼の確認を············え?」


 ミャオさんがオレ達のギルドカードを見て目を丸くする。ちなみにオレのギルドカードの討伐記録はこうなっている。


〈討伐記録〉

ゴブリン・・・・・31体(122)

ウルフ・・・・・・16体(55)

一角ウサギ・・・・10体(37)

キラービー・・・・24体(99)

オーク・・・・・・6体(17)



 ( )内の数はオレとアイラ姉とシノブの倒した数を合わせたものだ。

 ( )外はオレ自身が倒した数だ。

 ゴブリンはオレが31体、シノブが38体、アイラ姉が53体倒している。

 あれからゴブリン、ウルフ以外の魔物もかなり出てきた。サイクロプスはギルド登録前だったので討伐記録には載っていない。


「それとヒールリーフ220本納品します」


 オレはいくつかに分けた袋詰めのヒールリーフを出す。それを見たミャオさんは更に目を丸くした。


「に、220本っ!!?」


 ミャオさんはすぐに鑑定して、すべて本物のヒールリーフだと確認した。


「こ、こんなに大量に一体どこで······」

「森でたまたま群生地を見つけたんで出来る限り採ってきたんです」


 ············というのは嘘だが。

 本当はオレのスキル〈素材召喚〉によるものだ。何度か試したがこのスキル、素材となるものなら大抵の物は出せる。

 銅、銀、鉄、金、白金(プラチナ)とか、ファンタジー定番のミスリルやオリハルコンまで召喚出来た。

 素材がレアなモノ程消費魔力が大きくなる。


 伝説の金属と呼ばれるオリハルコンなど、手の平サイズの物を召喚するだけでオレの魔力の大半を消費した。


 そして薬の()()であるヒールリーフも召喚できたのだ。

 しかも消費魔力はそれ程でもなく、今のオレでも数百本は一気に召喚できる。

 50本くらいは自力で見つけたものだが他はすべて召喚したものだ。

 異次元から召喚してるらしいが一体どこから出てきてるのやら。


「こ、こちらが依頼達成の報酬になります」


 三人の合計報酬を受け取る。

 ランクFの依頼なので大した報酬額ではないがこれだけの数があればそこそこの金額になる。


 ミャオさんは驚きっぱなしだし、周りの冒険者も注目している。

 かなり目立っちゃったな。

 しかし昨日のように絡んでくる者はいない。



 この調子なら異世界でお金に困ることは、そうはないだろう。






    




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