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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第二章 始まりの町アルネージュでの出来事
58/736

51 聖女の試練達成

 竜を倒したことでオレのレベルも上がった。



[レイ] レベル396

〈体力〉22500/22500

〈力〉15500〈敏捷〉13900〈魔力〉24700


〈スキル〉

(全状態異常無効)(素材召喚)

(獲得経験値10倍)(同時詠唱)(暴食)

(各種言語習得)(異世界の絆〈1/5〉)



 オレのレベルもあと少しで400になるな。

 アルケミアに加護を与えてしまったけど絆スキルの数字に変動がないな。

 〈仮〉では人数のカウントはされないのか。



 アルケミアも一気にレベルアップしている。

 竜にトドメを刺したことでレベル140になっていた。セーラのレベルを上回ってしまったな。

 しかも〈仮〉とはいえ加護を与えたからステータスもセーラよりはるかに高い。



 オレ達が異世界人だということを話すしかないかな······。

 しかしセーラとリンと違って厄介なことになりそうなんだよな。


「い、古の竜を倒しましたわ······信じられない······」


 自分でトドメを刺したのにそれが信じられないみたいだ。

 アルケミアがその場に膝をつく。

 以前のセーラのように一気にレベルアップした反動が来ているようだ。

 レベルアップしても体力は回復しない。

 つらそうにしているアルケミアをアイラ姉が支える。



「グラム、ご苦労様。後はゆっくり休んでてくれ」

「了解。いつでもお呼び下さい」


 グラムと他のゴーレムをダンジョンコアに戻した。激しい戦いがあったためか周囲に魔物の気配はない。


「······レイさん、このスキルは一体············」


 アルケミアが疑問に思うのは当然だよな。

 誤魔化すのは無理そうだし············どうしよう?


「アルケミア殿、詳しい話は試練を終えてからに」


 アイラ姉が言う。

 まあこんなところでする話じゃないしな。


「そうですわね······わかりましたわ······」


 一応は納得したようだ。

 アルケミアの体力が回復するまでしばらく休むことにした。







 休憩を終えて再び頂上を目指す。

 魔物も現れることなく楽に進めていく。

 そうしてようやく見晴らしのいい頂上付近にたどり着いた。


 標高4500メートルか············なかなかの絶景だ。


「ここまでありがとうございます。すぐに祈りを始めますわ」


 ここからはオレ達に出来ることはない。

 アルケミアが祈りの体勢に入った。


「女神リヴィア様、今こそ試練を果たします······―――――――――――」


 アルケミアが祈りの呪文を唱えた。

 すると上空から光が降りそそぎ、アルケミアを照らす。

 幻想的な光景だな。



〈条件を満たしました。スキルレベルが上がります〉


 アルケミアのスキル(聖女の資格)がレベルアップしたようだ。

 どうやらこれで今回の試練は終わりらしい。



[アルケミア] レベル140

〈体力〉1880/3040

〈力〉1060〈敏捷〉1550〈魔力〉4140


〈スキル〉

(聖女の資格〈4/9〉)(聖なる守り)

(浄化の息吹)(異世界人の加護〈仮〉)



 山を登る前とは比べものにならないステータスになったな。



(聖女の資格〈4/9〉)

聖女になる資格を持つ証。9つ試練を達成することで正式な聖女となる。

「聖」属性魔法の効果が大幅にアップ。

周囲の魔物のステータスを下げる。

すべての試練を終えると〈特殊〉スキル解放。


「これで試練は終わりですか?」

「はい、無事に終わりましたわ」


 アイラ姉の言葉にアルケミアが答えた。

 ということはもうここには用はないわけか。

 また来た道を戻って下山するのも面倒だな。


「それじゃ騎士達も待ってるだろうし、戻ろうか」

「ええ、このまま山を下り······」


「転移」


 オレは皆を集合させて転移魔法を唱えた。

 もうアルケミアには加護のことを知られたし今さら転移魔法を隠す必要もないだろう。

 騎士達には見られないように入り口から少し離れた所に転移した。


「え? ······ええ!? こ、ここは」


 突然場所が変わったことに驚くアルケミア。

 周囲を見渡しここが山の入り口付近だと気付いたようだ。

 ちなみにスミレは表情に変化がないので驚いているのかわからない。


「これは転移魔法だよ。行ったことのある場所なら自由に移動できるんだ」

「こ、こんなことが······でも確かにここは······」


 アルケミアに説明したがかなり驚いているな。

 すぐに山の入り口で待機していた騎士達と合流する。アルケミアの無事と試練を終えたことを祝福していた。



 その後は来た時と同じように馬車に乗り町へと向かう。当然のことながら馬車の中ではアルケミアに色々と質問された。


「セーラ達には話したことだけど······」


 加護スキルを手に入れてしまった以上隠すのも難しい。仕方ないのでセーラ達に話した範囲でアルケミアにもオレ達の事情を話した。


「異世界人······まさかあなた方は神の使徒様なのですか?」

「いや、そんな大それたものじゃないよ」

「しかし······加護を与えるなど神の所業······」


 アルケミアは何かとんでもない勘違いをしているような······。


「この加護はセーラさんにも与えたのですか?」

「いや······セーラには与えていないよ。絆を深めるって条件が詳しくわからなくてね······」

「では(わたくし)以外には誰かに?」

「オレがセーラの護衛騎士のリンに······アイラ姉とシノブが領主の息子のグレンダさんとユーリにそれぞれ与えたけど」

「············そうですか······」


 それを聞いたアルケミアが何か考え込む。

 アイラ姉とシノブは特に口を挟まないで静観している。

 スミレは聞いているのかすらわからない無関心な感じだ。


「みなさん(わたくし)の専属護衛になりませんか?あなた方の力は世界をより良い方向に変えられます。後世に名を残す英雄になれますよ」


 そう来たか。まあオレ達のことを知ったら取り込みたいと考えても不思議じゃないよな。

 しかし別に英雄になることに興味はない。

 すでにアルネージュでは英雄と呼ばれていっぱいいっぱいだってのに。


 目の前で困っている人を見たら助けるだろうけど自分から世界を救うだとかは勘弁だ。


「残念ですがお断りします。私達は自由に動きたいので」


 アイラ姉がきっぱり断ってくれた。

 しかしアルケミアもなかなか引かない。

 どうにかしてオレ達を説得しようとしていた。

 ······やっぱり面倒なことになったな。



 結局話は平行線のまま町へ着いた。

 最初に提示されていた報酬は後日ギルドを通して受け取ることになった。



 アルケミアは最後までオレ達を説得しようとした。

 今日の所は諦めたようだがまた来そうだな············。

 変なことにならなければいいけど。




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