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425 エイミの覚醒暴走

 エイミが母親の仇であるダルクローアに対して、怒りを露わにしていた。

 しかも今のエイミは普通の状態じゃない。

 全身からとてつもない魔力を発し、身体も黒っぽく変色して頑強な皮膚に変化していた。



[エイミ] レベル825 (状態:魔人化)

〈体力〉152000/326000

〈力〉226000 〈敏捷〉207500〈魔力〉313800


〈スキル〉

(詠唱破棄)(同時詠唱)(神眼)

(魔力回復速度上昇〈極〉)(魔人化〈NEW〉)

(森の精霊の加護〈大〉)

(異世界人の加護〈小〉)



 エイミのステータス画面に(魔人化)というスキルが新たに増えていた。

 これは魔人族のレニーも持っていたが、魔人族の中でもエリートクラスしか発現しない特殊スキルという話だった。


 何故エイミがそんなスキルを?

 と思ったが、父親が魔人族なら娘のエイミがそのスキルを得ても不思議ではないのか。


 今のエイミは通常状態に比べて、全ステータスが倍近く上がっている。

 だが怒りのためかスキルの影響かわからないが、今のエイミは正気とは思えない様子だ。



「ヒッヒッヒッ······素晴らしい! まさか半分はエルフの血を引く貴女が()()魔人として覚醒するとは!」


 エイミの魔法攻撃によってダルクローアの身体は爆散したが、散らばった身体がくっつき修復していた。

 コイツ、再生能力も持っているのか。

 それとエイミがこんなに怒りを露わにしているのに、慌てた様子を見せていない。


「姉さん、どうしたと言うのですか! 落ち着いてください!?」


 ミールの言葉も、今のエイミには届いていない。

 逆にミールはエイミの暴走を見て、冷静さを取り戻していた。


「よくも、よくもお父さんとお母さんを······! う、あああーーーーっ!!!」


 エイミがさらにダルクローアに向けて「炎」魔法を放った。手加減抜きで撃っているため、オレでも直撃すれば耐えられるかわからない威力だ。


 ダルクローアは身体中の触手を伸ばして、「炎」を分散させた。

 そのせいで周囲の木々に燃え移り、炎上してしまった。これはかなりマズい。



「ここでは場所が悪いですね。さあ、デューラの娘さん。私を殺したければついて来なさい」


 今のエイミを相手にするのは分が悪いと思ったのか、ダルクローアはそう言って、この場を離れた。

 オレとミールの制止を聞かず、エイミはダルクローアの後を追って行ってしまった。


「姉さん! 待ってください······!?」


 すぐにミールもそれに続こうとするが、周囲の炎に行く手を阻まれてしまう。

 火の勢いが思ってたよりも強い。


「フリーズ!!!」


 ミールが「氷」魔法で周囲の火を消していく。

 オレも「水」魔法で消火を手伝った。

 放って置いたら森全体にまで燃え広がりそうな勢いだったからな。



「――――――気ぃ失うたエルフはん達はここに寝かせておくで〜。この様子なら、しばらく目覚まさんやろ」


 ミールに氷漬けにされていたエルフ達は、パールスが安全な場所に運んでくれていた。

 今の炎の勢いで解凍されていたが、全員気を失っている。死んではいないし、特に怪我もなさそうなので、しばらく放置でいいだろう。

 ダルクローアの洗脳が解けたわけじゃないだろうから、目を覚ましたら、また襲ってくるかもしれないし。



「ミール、一旦落ち着こう。エイミのあの暴走はどういうわけかわかる?」

「わかりません······。あんな姉さんを見るのは初めてですから」


 オレは焦るミールを宥めた。

 すぐにでも追いかけたい気持ちはわかるが、まずは冷静になった方がいい。


 探知魔法でエイミの反応は追える。

 どうやら精霊の森の奥地まで向かっているようだ。もしかして、世界樹ってのがある場所まで向かっているのか?



――――――――――!!!!!



 そう考えていた時、凄い爆音が響いてきた。

 エイミが向かった方角からではない。

 これはエルフ達の住む里の集落の方からか。

 そっちでも何か起きているようだ。



 エイミを追わなければならないし、どうするべきか?

 里の方はアイラ姉達がいるし、オレが行かなくても大丈夫かな?



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