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411 ルナシェアの疑問(※)

※(注)引き続き変態男が登場します。

(ルナシェアside)


 濃密な邪気を浴びて体調不良で倒れた騎士達も、大分回復してきたであります。

 しかし、体調が回復しても再び邪気を浴びれば、また倒れてしまうでありましょう。

 やはりレイ殿が言っていたように、騎士達はこの村に待機させておくべきでありますかな。

 叔父殿は納得せず、無理にでもついてくると言いそうでありますが······。



「ルナシェア殿の安全は私が保障する。ソールド殿達はここで待機し、村人の安全を守っていてほしい」

「うーむ······しかし、聖女を守るべき我らが、側を離れるのは······」


 アイラ殿が叔父殿を説得しているであります。

 アイラ殿の実力は叔父殿も知っているでありますが、さすがにずいぶん悩んでいるでありますな。


 あちらの話し合いはアイラ殿に任せて、小生(しょうせい)は学園長殿と相談するであります。


「学園長殿、あれほどの邪気の発生源に心当たりはないでありますか?」

「現状ではわからないわね。そもそも里の周囲は精霊の住む森に囲まれていて、精霊がそういった異物は排除しているはずなのだけど······」


 やはりエルフの里に行かなければ、わからぬでありますな。女神様が神託を下したほどの事態。

 簡単には解決出来ないのは覚悟しているでありますが。







 そうして話し合いを続けていると、村人から情報収集をしていたフェニア殿が戻ってきたであります。

 一緒にいたレイ殿の姿がないようでありますが······?


「エイミさんとミールさんの目撃情報があって、レイさんが連れ戻しに村の外に出てしまいましたわ」


 なんでもエイミ殿とミール殿を見たという情報があり、今すぐ行けば間に合うと、レイ殿はお二人を追って出ていってしまったと。

 レイ殿ならば大丈夫だと思うでありますが、やはり心配でありますな。



「まったく、先走った行動は控えろと言ったそばから」


 その話を聞いてアイラ殿が呆れたようにつぶやいたでありますが、本気で怒っている様子ではありませんな。

 おそらくはレイ殿の行動を理解しているのでありますかな。小生もレイ殿がお二人を心配して飛び出すのは、当然の行動と思えるのでありますよ。


 連れ戻すだけならば時間はかからないはずと、しばらくは様子を見て、レイ殿達の帰りを待つことにしたであります。





 そうして待っていると、意外な人物がやってきたであります。


「失礼します。エイミ嬢、ミール嬢を連れて参りました」


 お二人を連れてきたのはレイ殿ではなく、黒いマスクで顔を隠した人物······正義の仮面殿でありました。

 相変わらずのほとんど裸の格好で、両脇にお二人を抱えているであります。


 それにしても正義の仮面殿のこの格好に少々慣れてきてしまっている気がするのは、常識的に考えて少々マズイでありますかな?


 それはそうと、ミール殿は意識があるようでありますが、少し痙攣しながら笑みを浮かべているであります。

 ミール殿が表情を変えるのは珍しく、ましてや笑っているとはどういう状況でありましょうか?

 ちなみにエイミ殿の方は完全に気を失っているでありますな。

 何があったのでありますかな?


「む、正義の仮面殿か? どうしてここに」

「ある程度、事情は把握しております。近くに彼女達の気配を見つけたので、こうして連れてきました」


 アイラ殿が冷静に対応したであります。

 もう正義の仮面殿の格好については、突っ込む気はないようでありますな。

 それにしても何故ここに居て、しかも事情を把握しているのでありますか?


「何故、二人は気を失っているのだ?」

「皆さんを心配させた罰として、私なりのお仕置きをしておきました。手荒なことはしていないので、ご安心を」

「フム、まあ二人とも無事で何よりだ。感謝するぞ、正義の仮面殿」


 お仕置き······したのでありますか。

 お二人が気を失っているのは、つまりは()()()()()()でありますな。

 小生も経験があるので、それを思い出してしまい顔が熱くなってきたであります。


 アイラ殿は正義の仮面殿のお仕置きの詳しい内容を知らないようで、お二人が怪我をしていないのを確認したら、納得していたであります。



「ああ、正義の仮面様。またお会いできて嬉しいですわ」


 アイラ殿に二人を引き渡した後、フェニア殿が正義の仮面殿に声をかけたであります。

 何やら正義の仮面殿を見るフェニア殿の様子が変でありますな?

 確かに正義の仮面殿は学園でも有名人でありましたが、フェニア殿と接点はあったのでありますか?


「エルフの里での異変は、私も聞き及んでおります。私も陰ながら協力致しますので、どうぞご安心ください」

「まあ、正義の仮面様が協力してくださるなら、心強いですわ!」


 フェニア殿、正義の仮面殿を見る目が、まるで恋する乙女でありますな······。

 これはもしかしなくとも、何かあったのは間違いないでありますな。



「ところで正義の仮面殿。レイという人物がエイミとミール(二人)を迎えに行っていたはずなのだが、会わなかったか?」

「いえ、見てはいませんな。おそらくはすれ違ってしまったのでしょう。こうしてお二人を連れて来たので、しばらくすれば戻ってくるのではないでしょうか」


 アイラ殿の質問に、正義の仮面殿はそう答えたであります。本当に()()()()()のでありますか?

 どうも正義の仮面殿の正体が、レイ殿ではないかという気がして仕方無いのでありますが。

 小生の考えすぎでありましょうか?


「それでは私はこの辺で······さらば!」


 そう言って正義の仮面殿は目にも止まらぬ速さで走り去っていったであります。

 協力してくれると言うのなら、共に行動しても良いと思うのでありますが。

 まあ、あの格好で共に行動していたら、目のやり場に困るでありますか。



「ああ、もっとお話ししたかったのに、残念ですわ」

「フェニア······貴女、あの仮面の男に気を許しすぎじゃないかしら?」


 フェニア殿の様子に、学園長殿も怪訝な表情でそう言っているであります。

 フェニア殿だけではなく、学園では何人もの生徒が正義の仮面殿を英雄視しているので、学園長殿も困っているのでありますな。



 せめて正体がわかれば良いのでありますが······。

 今度()()()()()()でありますかな。


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