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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第二章 始まりの町アルネージュでの出来事
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49 VSグランドヒュドラ

「「「ゴオアアアッ!!!」」」


 崩れた瓦礫の中から復活した竜が飛び出してきた。

 八つの首すべてがこちらを睨んでいる。



[グランドヒュドラ] レベル145

〈体力〉28500/74380

〈力〉2450〈敏捷〉1780〈魔力〉1500


〈スキル〉

(全属性耐性〈大〉)(強化再生)

(並列思考〈✕〉)



 ただのヒュドラではなく()()()()と付いている。

 さすがは古の竜ってところだな············。

 とんでもないステータスだ。

 特に体力がずば抜けて高い。



[グランドヒュドラ]

八つの首を持つヒュドラの変異種。圧倒的な耐性と再生力を持つ。



 また変異種かよ。

 滅多に出ないんじゃなかったのか?

 もう何度もみてるぞ。スキルも気になるのがあるな。



(全属性耐性〈大〉)

あらゆる属性攻撃のダメージを軽減する。



 厄介なスキルだな。つまりコイツには魔法攻撃はほとんど通用しないってことかな。

 この山の寒気も言ってみれば天然の「氷」属性だがコイツには何の障害にもならないみたいだ。



(強化再生)

あらゆる傷、部位欠損ダメージを再生する。

再生された肉体は再生前より強化される。



 これも厄介すぎるスキルだ。

 自己再生の上位スキルってのところか?



(並列思考〈✕〉)

複数の物事を同時に考えられる。



 このスキルで八つの首がそれぞれ別々の行動ができるのかな?

 けど〈✕〉が付いているってことは現在使用できないってことのはずだが何でだ?

 スキルの所をクリックしたら詳細が見れた。


 飢餓状態のため現在使用不可能。······と出た。



〈飢餓〉

空腹が限界以上に達した状態。正気を失い、体力とスタミナの減少が大幅に早まる。



 空腹が限界以上か。

 数百年間石になって飲まず食わずだったからかな?

 それとも飢餓状態に追い込んで石化させたのかな?

 まあそんなことはいいか。


 つまりメチャクチャ腹が減っているわけだ。

 そんな時に目の前に人間(食料)が現れたら······。



「「「グガアアアッ!!!」」」


 唸り声をあげて襲いかかってきた。

 うん、まあそうなるよな。


「閃空追真斬っ!!」


 アイラ姉が剣技を放った。

 斬撃が飛び、八つの首の内の一つを斬り落とした。

 斬り落とされた首は地面に落ちると溶けるように消滅した。しかし一瞬で首が元通りに再生された。


 いや元通りじゃないな。

 ステータスがわずかに上がっているようだ。

 再生された傷は以前より強化される············か。

 厄介なスキルだな。


「「「ゴオアアアッ!!!」」」


 再生したのとは別の首が一斉に炎を吐いてきた。

 オレはアルケミアを、シノブはスミレをそれぞれ庇って避けた。

 うおっ!? 周囲の雪や氷が一瞬で溶けた。

 とんでもない熱量だな。


「デスクリムゾン!!」


 「炎」には「炎」でお返しだ。

 オレは奴の胴体目掛けて「炎」の上級魔法を放った。



―――――――ドオオオオンッ!!


 魔法は命中したが大したダメージはなさそうだ。

 少し威力を抑えすぎたか。

 しかしそれを差し引いても耐性が高いな。


 魔法はほとんど効かず、斬ってもすぐに再生する。

 なるほど不死身と言われるわけだ。


「に、逃げるべきですわ! あんな魔物に勝てるはず······」


 アルケミアが震えながら言う。

 しかし倒すなら今がチャンスじゃないかな。

 再生するにも体力や魔力を消費するはずだし、飢餓状態で何度も再生できるとは思えない。

 それにコイツが餌を求めてアルネージュの町までやってくる可能性もある。


「「「ガアアアッ!!」」」


 いくつかの首が伸びてこっちに襲いかかってきた。

 オレはアルケミアを抱えて避ける。

 ヤバイ、さらに横から別の首が炎を吐いてきた。

 オレはともかくアルケミアに直撃するのはまずい。


「フレアシールド!!」


 防御魔法で炎の盾を作り出し防いだ。

 あぶないあぶない······。

 そこでちょっと気を抜いたのがまずかった。

 足下の溶けた氷に滑ってバランスを崩してしまった。



「うわっ」「きゃっ!?」


 そのままアルケミアと倒れ込んでしまった。

 アイラ姉とシノブ、そしてスミレが竜の気を惹いていたので追い打ちは来なかったが倒れた体勢が少し、いやかなりまずかった。


 オレが下になり、アルケミアはオレに覆い被さる形で倒れ、唇と唇が触れ合った············つまりキスをしてしまった。


「ご、ごめん!」

「い、いえ······その、(わたくし)は······」


 すぐにお互いに離れる。

 アルケミアは顔を真っ赤にしていた。



〈解放条件を満たしました。パーティーメンバー(アルケミア)が新たなスキルを獲得しました〉


〈(魔力増加〈中〉)は上位スキル

(異世界人の加護〈仮〉)に統合されます〉


 メニュー画面にそう表示された。まさか······。



[アルケミア] レベル58

〈体力〉290/920

〈力〉520〈敏捷〉660〈魔力〉1770


〈スキル〉

(聖女の資格〈3/9〉)(聖なる守り)

(浄化の息吹)(異世界人の加護〈仮〉〈NEW〉)



 やっぱりか!?

 アルケミアのスキルに(異世界人の加護〈仮〉)が加わっている。

 アイラ姉とグレンダさんの時と同じだ。

 やはりキスをすることで加護を与えることができるらしい。


「こ、これは一体······!?」


 アルケミアは自分のステータスを見て驚きの声をあげていた。

 まずいことになったな······。

 もう誤魔化すのは無理かな。


「「「ゴアアアアッ!!!」」」


 おっと、そんなことを考えている場合じゃなかった。

 オレは再びアルケミアを抱えて竜の攻撃を避けた。

 そのスキを突いてアイラ姉が竜の胴体にオリハルコンの刀を突き刺した。


「「「グアアアッ!!?」」」


 すべての首が叫び声をあげた。

 神経はやはり共通なのか。

 だがその傷も再生されていく。

 少し再生のスピードが遅くなっている気がするが、このまま奴の体力切れを狙うのは面倒だな。


 奴の(強化再生)スキルを封じることができれば······。

 ん? そういえば············。


「シノブ! スキルスティールであの竜のスキルを奪うことはできないか?」


 シノブは以前に迷宮攻略の時に新たなスキルを手に入れていた。

 奴のスキルを奪うことが出来れば倒すことは難しくないだろう。





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