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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第二章 始まりの町アルネージュでの出来事
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48 不死身の竜

 凄い迫力の竜の石像だな。

 アルケミアの話によるとフリゼルート氷山には昔、不死身の竜が封印されたとか。

 もしかしてこれが封印された竜なのか?



 石像には所々にヒビが入り今にも動き出しそう············というより動いている。

 あの竜の胴体部分に刺さった剣が気になるな。



(大地の精霊剣(せいれいけん))攻撃力+800

大地を司る精霊の力を秘めた剣。対象を石化させる効果を持つ。



 結構強い剣だな。

 聞いた話と状況から考えてこの剣で竜を封印しているのかな?

 複数の首を持つ竜、確かヒュドラとか言ったかな。

 首が全部で八つある。

 これってまるで············。



「フム、まるで伝説にあるヤマタノオロチだな」


 アイラ姉もオレと同じことを思ったみたいだ。

 古代の日本の話に出てくる有名な魔物だ。

 となるとあの剣は草薙の剣ってところか?

 まあどうでもいいことだが。


「そういえば何かの話で出た疑問でござるが何故首が八つで()()()なのでござるか? 首が八つなら股は七つでござろう?」


 シノブがそんなことを言い出した。

 そういや何かの漫画でそんな疑問があったな。

 何の漫画だっけ?

 何でもいいか············。


「それは違うぞシノブ、首が八つなら股も八つだ」

「しかしアイラ殿、手の指で数えると指は5本でござるが股は4つでござるよ?」


 まあシノブの言いたいこともわかる。

 オレも初めはそう思ってたしな。


「指の間を数えてしまうとそうなのだがな。あの竜の胴体を中心に首を八方に伸ばした状態で数えるのだ。それだと股の数も八つだろう?」

「6、7、8······おおっ、本当でござる」


 だから()()()ノオロチで間違いはないんだよな。

 ものすごくどうでもいいことではあるけど。


「しかし紛らわしいでござるな。だったらヤツクビとか別の呼び方でもいいと思うでござるが」


 そうかもしれないがヤツクビノオロチだと違和感があるしな。

 ヤマタノオロチでいいと思う。


「あ、あなた達っ、何の話か知りませんけど状況がわかっていますの!? そんな悠長に話をしている場合じゃありませんことよ!?」


 アルケミアの言う通りそんなことを話している場合じゃないな。

 しかしならどうするべきか?

 封印が解けかかっているとしてオレ達に出来ることなんてあるかな?



――――――――ズズズッ!!


 石像がさらに大きく揺れた。

 胴体部分に刺さっている剣がちょっと動いたような······。

 ん? スミレが石像に近付き剣をジーッと見てるぞ。

 何か気になるのかな?


 スミレがそっと剣に手を伸ばす。



―――――――ズポッ


「············抜けた」


············スミレは軽く引っ張っただけだが見事に抜けたな。

 刀身もなかなか美しいと言える剣だ。

 でもそれ、抜いて大丈夫なのかな?


「抜けた······じゃありませんわよっ!!?」


 アルケミアが思い切り叫んだ。

 こんな大声を出せる人だったんだ。



―――――ビシッビシッ、バキィイイインッ


 石像のヒビが一気に拡がりついに砕けた。

 まるで脱皮するかのように中から石像そのままの姿の竜が現れた。


「「「ゴアアアッ!!!」」」


 八つの首すべてが唸り声をあげた。

 洞窟内に響き渡る。



―――――ゴッ······ドドドッ!!!


 まずい、今ので洞窟が崩れ始めた。


「この先が出口だ、皆走れ!!」


 アイラ姉が言い、全員が奥の穴に向かって走る。

 MAPを見る限りこの先が出口のはずだ。

 全員が外に出たのと同時に洞窟が完全に崩れた。

 危なかったな············。


「た、大変な事態ですわ······(いにしえ)の竜の封印が解けてしまったなんて······」

「不死身の竜と言っていたがどういう魔物なのだ?」


 アイラ姉がアルケミアに問う。


(わたくし)も詳しくは知りませんが数百年前に当時の勇者様と国の騎士団が総出で挑み封印したらしいですわ。どんなに斬っても死なないので封じるしかなかったと······」


 結構ヤバイ竜みたいだな。



「「「ゴオアアアッ!!!」」」


 崩れた瓦礫を吹き飛ばして竜が姿を現した。

 これは倒すしかなさそうだな。






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