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閑話⑯ 1 黒魔術研究部の実験

本筋とはあまり関係ないショートストーリーです。

(フレネイアside)


 わたくしはフレネイア=セントラール。

 学園の風紀を取り締まる、風紀委員の副長を務めています。長であるリイネ様はお忙しい立場ですので、わたくしが代わって風紀委員をまとめていますわ。


 長く休校していた学園もようやく再開し、わたくし達の出番も増えてきました。

 久しぶりの学園生活ということもあり、羽目を外してしまう人がいますから。

 しかし、風紀を乱す者にはそれなりの制裁を与えねばなりません。




「黒魔術研究部が秘密裏に、何か大規模な魔法実験の準備をしているみたいなのですよ」


 報道部に所属しているリーフィが、我が風紀委員にそんな情報を持ってきました。


 黒魔術研究部とは新たな魔法の開発や、すでに失われたスキルなどを復活させることを目的とした部ですわね。

 あくまでも()()()()ですけど。

 まあ、研究部とは名ばかりで現在、部員はライカという女生徒一人しか所属していないのですけど。


 怪しい活動が多く(といっても犯罪行為と呼べるものではありませんが)もともと部員が少なかったところに去年、所属していた生徒のほとんどが卒業してしまいましたからね。


 新入部員の獲得に失敗してしまい、廃部、もしくは同好会に格下げの危機にあるはずです。


「魔法実験は学園の許可が下りなければ行えないはずですわよ? わたくしのところには許可申請は来ていませんけど」

「だから秘密裏なのですよ。周りに気付かれないように動いているみたいなのですが、私の情報網を甘く見ないでほしいのですよ」


 そういった魔法実験を行う際には、学園長の許可が必要になります。

 そして許可申請には、何名かの教師や生徒の同意が必須です。

 当然、生徒代表として我が風紀委員に必ず声がかかるはずです。


「どうやら(いにしえ)の技術を復活させて名を上げて、部の存続を賭けているようなのですよ」


 確かに、過去に失われた技術や新たな魔法を開発出来れば部の存続は可能でしょうけど。

 まあ、そんなことが学生の身で簡単に出来るはずありませんし、魔法実験も事故の危険を考えれば許可が下りるはずありません。


 だからこそ秘密裏に動いているのでしょうけど。

 成功してしまえば、なんとでもなると思っているのでしょうか?


 ちなみにライカは特別クラスには所属していませんが、魔法や魔道具の扱いに関しては優秀だと聞いています。

 けど、だからといって見過ごせませんわね。


「しょうがありませんわね。わたくしが直接行って注意してきますわ」


 まだ風紀委員も活動再開したばかりなので、満足に人数を揃えられませんから。

 そんなに大事(おおごと)にする必要もないでしょうし。


「それなら私も付き合うのですよ。なんだか特ダネの予感がするのですよ」


 リーフィも一緒に来ると言い、わたくし達は黒魔術研究部の部室へ向かいました。








 そうして黒魔術研究部の部室の前に着きました。

 相変わらず奇妙な魔法陣が描かれた、用途不明(おそらく効果はありません)な飾りや道具が置かれた、怪しい雰囲気の入口です。

 中へ入って見ましたが、誰もいませんでした。

 どうやら部室内ではなく、別の場所で実験するつもりのようですわね。


 部室内にも色々な魔道具が置かれています。

 どこから手に入れたのか、学生が手に入れるには難しいであろう高度な魔道具もありますわね。



 魔法実験を行うためのメモ帳も置いてあり、複数の実験を行うつもりみたいですわね。

 かなり年密に練られた計画のようですわ。

 休校中に色々準備していたのかしら?


 これは学生の行う魔法実験と甘く見るわけにはいかないかもしれませんわね。


「リーフィ、ライカはどこで実験するつもりなのかわかりませんか?」

「多分、校舎裏かと思うのですよ。ライカもできるだけ周りに被害が出ないようにするくらいは考えると思うのですよ」


 まあ、確かにそこくらいしかありませんわね。

 修練場や魔法実験棟などは許可がなければ使用禁止ですし、校舎裏はそうそう人が来ないでしょうし、それなりの広さがありますから、少々の魔法実験なら可能でしょう。





 というわけで、わたくし達は校舎裏へと向かいました。近くまで来ると奇妙な魔力の流れを感じましたわ。

 誰かが何かやっているのは間違いありませんわね。



――――――――――!!!!!


「きゃっ······!!?」


 小さな爆発音と悲鳴が聞こえました。

 今のは、ライカの声ですわね。

 何か起きたのでしょうか?



 わたくし達は急いで現場に駆けつけました。



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