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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
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閑話⑮ 5 人形娘達を圧倒する変態男(※)

※(注)変態男が登場します。

(シノブside)


 サフィルス殿の知り合いである、アーテル殿とアルブス殿が師匠と手合わせすることになったでござる。

 お二人はサフィルス殿と同等の強さを秘めているため、二人がかりだと師匠も手を焼いているようでござる。


 とはいえ、やはり師匠には敵わないようで、二人が負けを認めるのも時間の問題に見えるでござるな。


「サフィルス殿、お二人が出している、あの糸のようなものはなんでござるか?」


 武器の使用は禁止したが魔道具は禁止されていないという理屈で、二人が両手から細い糸を師匠に放ったでござる。

 

「――――――創造主(グランドマスター)より与えられた、アーテルとアルブス専用の対象の力を封じ込める魔道具です」


 ただの糸ではなく、それなりに強力な物みたいでござるな。細く脆そうに見えて、師匠でも引き千切れないくらいの強度があるようでござる。

 しかし、師匠の力を封じることはできないみたいでござる。



 師匠が右手に巻きついた糸を強引に解き、反撃に出たでござる。

 師匠の動きは精錬されていて無駄が無く、アーテル殿とアルブス殿を押しているでござる。


「――――――暗黒の霧(ブラインド·ミスト)


 アーテル殿が視界を塞ぐために魔法を放ち、師匠の周囲だけが黒い霧に覆われ、そこにすかさずアルブス殿が攻撃を加えるために向かっていったでござる。


「――――――受けなさい、白の衝撃(ホワイト·インパクト)!」


 アルブス殿の拳に尋常ではない魔力が込められ、黒い霧に包まれた師匠に攻撃を仕掛けたでござる。

 視界を封じられた状態で、あの攻撃をまともに受ければ、師匠でもマズいかもしれないでござる。




「――――――? 妙な手応えです。何か柔らかいものが······?」


 黒い霧の中に、拳での一撃を打ち込んだアルブス殿が首をひねっているでござる。

 師匠がうまく受け止めたのでござろうか?



「なかなかの攻撃です。しかし、私には効きませんよ」

「――――――!!? !? ???」


 霧が晴れて師匠の姿が見えてきたでござる。

 いや、()()()姿()ではなかったでござる。

 黒いマスクで素顔を隠し、衣服を脱ぎ去り下着一枚の格好をした、自身を正義の仮面と名乗る時の姿になっていたでござる。


 今までとは違う師匠の姿に、明らかにアルブス殿が動揺しているのが見て取れるでござる。

 というか先ほどのアルブス殿の攻撃は普通、男性ならば大ダメージを受けるであろう場所にヒットしていたのでござるが、まるで効いている様子はないでござる。



「ここからは私がお相手しましょう。さあ、どこからでもかかってきなさい」


 師匠······いや、正義の仮面殿が構えを取ったでござる。突然の師匠の変貌に、アーテル殿とアルブス殿が顔を見合わせているでござる。


「――――――何が起きた? 先ほどの男とは雰囲気が違う」

「――――――身につけていた防具を何故、外したのですか? しかし、今の姿の方が脅威度が上昇しているように思えます」


「「――――――どういう意図があるにせよ、あたし(アタシ)達は全力であたるだけ(です)!」」


 動揺していたのは一瞬、二人はすぐに気を取り直して正義の仮面殿に攻撃を仕掛けていったでござる。


「その意気や良し、受けて立ちましょう」


 正義の仮面殿がそう言い、激しくぶつかり合ったでござる。

 アーテル殿とアルブス殿の連携攻撃の数々を、正義の仮面殿は鮮やかに受け流しているでござる。

 もともとの師匠も優れているでござるが、正義の仮面殿の姿の時はさらに圧倒的な力を発揮するでござるから、二人の攻撃はことごとく防がれているでござる。


「――――――強い、強すぎる。これはあのアイラという人族を上回っている?」

「――――――今までとは桁が違います。これがサフィルス達が認めた、あの男の本気ということですか」


 二人が一度距離を取ったでござる。

 自分達の攻撃がすべて防がれて、動揺がより一層強くなっているようでござる。


「――――――ならば」

「――――――これならどうですか!」


 二人の両手から再び糸が放たれ、アーテル殿のは右腕、アルブス殿のは左腕と、それぞれ正義の仮面殿の腕に絡みついたでござる。

 しかし、その糸が効果がないことは先ほどの攻防でわかっているはずでは?


「――――――さっきのは拘束用」

「――――――これは()()()です。これを防ぐことはできますか?」


 どうやら先ほどの糸よりも強力なもののようでござる。しかし、その糸も正義の仮面殿には通用していないでござるな。


「はっ!!」


 正義の仮面殿が両手に絡まった糸を強引に引っ張り、アーテル殿とアルブス殿を自身のところまで引き寄せたでござる。


「――――――そ、そんな······」

「――――――殲滅用まで通用しないのですか······!?」


 糸の魔道具の効果が発揮しないことに驚愕するお二人。正義の仮面殿はそんな二人の頭を、それぞれ両手で掴んだでござる。


「今度はこちらの番です。少しばかしお仕置きをしてあげましょう」

「――――――強い······」

「――――――う、動けません······」


 ガッシリ掴んでいるので正義の仮面殿の力を前に、まったく逃れることができない二人。

 動揺する二人に構わず、正義の仮面殿はお二人の頭を()()()()へ近付けていくでござる。


「――――――な、何を······!?」

「――――――は、離してください。()()()()との接触は非常に危険だと判断しまし······」

「さあ、お覚悟なさい!」


「「――――――っっっ!!!??? ●●☆◆☆☆◆◇○●☆☆●」」


 正義の仮面殿の()()()()から二人はなんとか逃れようと必死に藻掻くでござるが、まったく身動きが取れないようでござる。



 ······正義の仮面殿のお仕置きは刺激が強すぎる故に、拙者は直視出来ずに目を逸らしてしまったでござるが、サフィルス殿は何やら羨ましそうな様子で見ていたのは気のせいでござろうか?










「――――――··················きゅ〜」

「――――――··················きゅ〜」


「これで勝負あり、ということでよろしいですな?」


 数分後、お二人は完全に気を失ってしまっていたでござる。

 気を失っている二人は正義の仮面殿の言葉に何も答えられないようでござる。


 いや、()()()()では答えられるはずないでござるな······。アーテル殿とアルブス殿は二人仲良く正義の仮面殿の下着に収まって············く、詳しく言うのはやめておくでござる······。




「――――――さすが主人(マスター)、お見事です。アーテルとアルブスをあれほど簡単に無力化するとは」


 サフィルス殿が称賛の言葉をかけたでござる。

 これは勝負ありということで良いのでござろうか?



 お二人が目を覚ましたら、どんな反応を見せるのか少し怖いのでござるが。



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