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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
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閑話⑮ 3 二人の目的

 アイラ姉はゲンライさん達と今後の話し合いのために、幻獣人族の里に戻って行った。

 ディリーとアトリ、そして他のメイドさん達は外の作物管理に向かった。

 なんでもアイラ姉に捕まる前に、アーテルとアルブスは結構暴れたようで、外の畑などがメチャクチャになっているらしく、その後始末をするためだ。


「マスターはのんびりしててくださいですです」

「これはわたし達の役割ですので、マスター様の手を煩わせるわけにはいきません」


 オレも手伝おうとしたのだが、二人にそう言って止められてしまった。

 まあ、オレはアーテルとアルブス(この二人)の面倒を見なきゃいけないから、その言葉に甘えておこうかな。




 そういうわけで屋敷に残ったのは、オレとシノブにサフィルス、そしてアーテルとアルブスだけになった。

 一応、もう暴れないと約束させたので、拘束は解いてあげた。


「えーと、とりあえず自己紹介をしようか。オレの名前はレイ。一応、サフィルスの主人ってことになってる」

「拙者はシノブでござる」


「――――――あたしはアーテル」

「――――――アタシはアルブスです」


 お互いに自己紹介をした。

 アーテルは直立不動で、アルブスはペコリと頭を下げながら名乗った。

 ちなみに紹介の必要がないサフィルスは、黙ってオレ達のやり取りを見ていた。


 サフィルスと顔付きが似ているのはヴェルデやパールスと同じだが、他の人形娘達は若干の違いはあり、見分けることができるくらいだったのだが、この二人は双子みたいに瓜二つだ。


 もっともアーテルは黒髪、アルブスは白髪、そして服装もそれぞれ黒と白のドレスを着ているので、見間違うことなく一発でわかるが。

 色が同じなら見分けるのは困難だろう。




 さて、それよりも何をしようか?

 幻獣人族の里にいるメリッサ達を呼ぶべきかな?

 けど、そうすると手のかかる人物が増えて、オレとシノブだけじゃ対処しきれないかもしれないんだよな。


「オレに興味があるとか言ってたけど、具体的にどうしたいのかな?」


 とりあえず二人に何をしたいのか聞いてみた。

 あまり無茶を言わなければ、オレのできる範囲で聞き入れようと思う。


「――――――貴方の実力が見たい」

「――――――貴方と手合わせをしてみたいです」

「「――――――サフィルス達が主人(マスター)と認めたその力をあたし(アタシ)達自身で確かめてみたい(です)」」


 手合わせか······。

 正直遠慮したいが、それじゃあこの子達は満足してくれないだろうな。


「――――――先ほどのアイラという人族も、とてつもない実力だった」

「――――――貴方はあの人族(アイラ)より強いのですか?」


「いや、アイラ姉の方が実力は遥かに上だよ」

「「――――――ならば何故、サフィルスはあの人族ではなく貴方を主人(マスター)としている(のですか)?」」


 嘘をついても仕方無いので、ここは正直に答えた。

 実際、戦闘技術などあらゆる面でオレはアイラ姉には及ばない。

 何故オレを、と言われてもサフィルスに聞かないとわからない。


「――――――私の主人(マスター)はその方です。アイラからは色々と教えを受けていますが、主人(マスター)ではありません」


 サフィルスがそう答えた。

 いや、答えになってないが。


「「――――――ならば尚更、貴方の力を見てみたい(です)」」


 結局はこの子達の希望通り、手合わせしてあげないと納得しそうにないな。

 仕方無い、少しばかし相手をするしかないか。










 手合わせをするために場所を移動した。

 一応、武器や危険な魔法の使用は禁止して行うことにしたが、さすがに町中(まちなか)でやり合うわけにもいかない。


 場所は初めてこの国に来た時にエンジェに転移してもらった、クラントールを出て少し離れた街道の外れだ。

 ここなら周りに人はいないし、少しくらいなら派手に暴れても大丈夫だろう。

 立会人としてシノブとサフィルスも一緒に来ている。



 アーテルとアルブスは基本的に二人で行動するらしく、手合わせも二対一を希望してきた。

 レベル950の二人を同時に相手をするのは骨が折れそうだが、いざとなったら前みたいに強制睡眠魔法で眠らせればいいかな。


「――――――強制的に機能停止にする魔法は禁止」

「――――――あれは反則です。アタシ達は純粋に貴方の力を見たいのです」


 と思っていたら、先に釘を刺された。

 反則と言われても、策略で勝つのも実力の内じゃないかな?

 けど、この子達が満足しないと意味がないからしょうがないか。




 なんとかこの子達が満足できるような決着にしないとな。


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