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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
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391 決着の時?

 神樹の迷宮の守護者との戦いは、激しい乱戦となっていた。迷宮の守護者のステータスはオレの鑑定魔法では見えなかったが、アイラ姉が言うにはレベルは1200という強敵だ。


 守護者も迷宮の植物を操る力を持っていて、さらに眷属と思われる魔物も複数現れて、気の抜けない戦いが続いている。


「聖魔退斬剣!!」


 聖剣術を放ち、迫りくる植物を排除した。

 迷宮の植物の枝や蔦くらいなら()聖剣術を使うまでもないが、斬り払ってもすぐに新たな植物が生えて襲ってくるので、一見キリがないように見える。


 だが、おそらくは無限湧きではなく限界があるはずだ。下の階層に居た本体も、体力を消耗しながら操っていたからな。

 守護者の体力がどれくらいあるかわからないが、倒し続ければ戦っているアイラ姉が有利になるはずだ。



――――――――――!!!!!



 周囲を囲む枝の先からレーザー光線が放たれた。

 この攻撃は下の階層でもやってきたから対処法はある。同じ攻撃が通用すると思うな。



――――――――――!!!!!



 今度は枝の先から炎の玉が放たれてきた。

 撃てるのはレーザー光線だけじゃないのか。

 だが、この程度なら大した問題は······。


「うおっ······?」


 向かってくる炎の玉をかき消そうと構えようとしたら、足が動かない。

 下を確認すると、床の蔦がオレの足に絡みつきながら凍り付いていた。

 もしかして蔦が「氷」属性の魔法を使ったのか?

 オレは強引に氷を砕いて、その場を逃れた。


「気を付けてください。最上層の迷宮の植物は様々な属性攻撃を使用してくるみたいです!」


 ミールの「氷」魔法も蔦が放つ魔法に相殺されて、効果が出ていない。

 エイミの「炎」魔法やフウゲツさんの「風」の攻撃も的確に防がれている。


 やはりコイツらは学習能力があるようだ。

 同じ攻撃をしてもだんだんと耐性を持ち、効果が出なくなっている。

 ひょっとしたらコイツらの属性攻撃も、こちらの攻撃を学習して使えるようになったのかも。



「フウゲツさん、エイミ、ミール! こっちに来て!」


 今度は枝から凄まじい暴風が巻き起こった。

 フウゲツさんの「風」の攻撃を学習したものか?

 ともかく攻撃がどんどん多彩になってきている。

 三人にオレの近くに集まってもらい、魔法障壁を張って、なんとかやり過ごした。


「あ、あぶなかったよ······」

「私達の攻撃が通じなくなってきてるわ。このままだとマズいわね······」


 エイミがホッと息をつき、フウゲツさんが冷や汗を拭った。

 確かにこのままだとヤバそうだ。

 多勢に無勢過ぎるし、一気に戦力を削る必要があるな。



 迷宮の植物が八方から、レーザー光線やら炎やらの攻撃を放ってきた。

 オレは展開している魔法障壁にさらに魔力を込めて、攻撃をすべて弾く。

 足下の蔦はすでに排除したので周囲に集中できるが、攻撃が苛烈過ぎて、このままだと破られそうだ。


「三人でオレの代わりに魔法障壁の維持を頼む! 強力な範囲魔法でコイツらを一掃する!」

「うん、わかったよ!」

「お任せください、レイさん」

「そっちは任せたわよ、レイ君」


 三人に周囲の攻撃を防ぐ魔法障壁のことは任せて、オレは魔法を撃つ準備に入る。

 単純な範囲魔法や、今まで使ったものだと効き目がない可能性があるので、出来る限りの魔力を込める。



「テラ·スパークヴァース!!!」


 障壁が破られるのと同時にオレは「雷」属性の魔法を放った。

 天井付近から発生した雷が床に落ちて、強力な電撃が周囲の植物や魔物を襲う。

 もちろんオレ達には被害が及ばないように、新たな魔法障壁を張るのも忘れていない。



 「雷」属性は勇者専用魔法だからなのか、同じくらいの魔力を込めても、他の魔法よりも威力が桁違いに出る。

 まあオレは勇者じゃないはずなんだけど、そんなことはこの際どうでもいい。


 迷宮の植物も魔物も、焼け焦げて炭化して消滅していく。思っていた以上に効果的だ。


「さすがレイ君ね。まさか一発で全滅させるなんて······」


 フウゲツさんが関心しているのか、呆れているのか半々な口調で言った。

 エイミとミールは普通に称賛してくれたが。



 だが、まだまだ油断は禁物だ。

 あくまでも一時的に全滅させただけで、すぐに新手が現れるだろうからな。



 と思っていたのだが、周囲の植物が再生する様子がない。魔物も同様に新たに現れる気配はない。

 もう種切れなのかな?

 だとしたらちょっと拍子抜けだけど、それならそれで助かる。



――――――――――!!!!!



 激しい衝突音が響いた。

 アイラ姉と迷宮の守護者の激突音だ。

 そうだ、まだアイラ姉が戦っているんだった。



 見たところアイラ姉は傷らしい傷は負っていないが、守護者の方はかなりのダメージを負っているように見える。

 周囲の植物が再生しないのは、守護者がアイラ姉との戦いに集中していて、操っている余裕がないからか?



 アイラ姉なら、このまま一気に決められるかな?



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