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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
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390 迷宮の守護者と眷属との乱戦

 最上層にたどり着いて、ついに迷宮の守護者のお出ましとなったようだ。

 正体不明の巨大な繭に、精霊達が吸い込まれるように消え、それと同時に繭の中身が飛び出してきた。


 てっきり昆虫系の魔物が飛び出してくるかと思ったのだが、繭から出てきた奴は体長数メートルくらいの人型の姿をしていた。

 エイリアンやクリーチャーといった表現がピッタシだと思われる見た目だ。



[リトル·シルヴァヌス] 鑑定不能

(神眼)の効果が打ち消されました。



 駄目だ、やはり鑑定できないか。

 名前の表示にリトルってついてるけど、めちゃめちゃでかい気がするのだが。

 まあ、これよりも大きな魔物も見たことあるし、この世界では小さい方ってことなのかな?


「気を付けろ! レベル1200······スキルやステータスの一部は見えんが、かなりの強敵だ!」


 アイラ姉には奴の鑑定結果が見えたようで、オレ達に注意を促した。

 レベル1200······どれほどのステータスかはわからないが、アイラ姉の言うように相当にヤバい相手だ。

 

「ーーーーーーーー」


 迷宮の守護者は何かを言いながら、床に両手をついた。声というより、超音波のような耳にキーンと響くものだ。

 神樹に封印されていたリュベネイタルという魔物もこんな耳に響く声を出していたが、それとは何か違う感じだが。



――――――!! ――――――!!



 守護者が両手から魔力を放出すると、周囲の迷宮の植物がウネウネと動き出した。

 コイツも植物を操ることができるのか。


 周りの枝や蔦が襲いかかってくるだけじゃなく、植物系の魔物まで現れた。

 トレント系の最上位種や、ルナティック·プラントなど階層のボスモンスターだった奴の姿まである。

 魔物のレベルは500〜600くらいだ。

 倒せない強さではないが、周囲の枝や蔦、そして迷宮の守護者を同時に相手をするのは、かなり厳しい戦いになる。



「レイ、フウゲツ殿達を守ることを優先しろ! 迷宮の守護者は私が相手をする。フウゲツ殿、ミール、エイミ! なるべく散らばらず、レイと共に周囲の敵を相手にするのだ!」


 アイラ姉からの指示が飛ぶ。

 アイラ姉が一番厄介な迷宮の守護者を相手にして、オレ達は周囲の植物や魔物の排除に専念する。

 確かにそれが最善だな。



「みんな、オレの側からなるべく離れないで!」

「わかりました、レイさん!」

「わ、わたしもできるだけサポートするよ······!」

「頼りにしているわよ、レイ君!」


 皆それぞれ、すでに戦闘態勢に入っていた。

 問題なさそうだな。

 迷宮の守護者はアイラ姉に任せて、オレ達は全力で襲ってくる奴らを排除しよう。



「アブソリティ·センクチュアリ!!」


――――――――――!!!


 あれから再使用できるくらいに時間が経っていたので、コイツらにも「聖」魔法を試してみたのだが、不思議な力が働いてかき消されてしまった。

 まあ、下の階層に居た奴に効かなかった魔法が迷宮の守護者に通じるわけないか。

 予想はしていたことなので慌てるほどじゃない。


「ガアアアッ!!!」


 魔物の一体であるルナティック·プラントが叫び声をあげて、無数の枝を伸ばしてきた。

 コイツは単体でも結構厄介な奴だが、さらに迷宮の植物や他の魔物まで一緒に襲いかかってくるので、脅威度がヤバい。


「アブソリュート·ゼロ!」

「エンドレスフレイム!」


 ミールが「氷」、エイミが「炎」の魔法をそれぞれ放って襲い来る魔物を撃退していく。


風彩山茶花(ふうさいさざんか)!!」


 フウゲツさんも魔物や植物の攻撃を上手く避けながら反撃して、確実に排除していた。

 さすがここまで進んで来ただけあって皆、動揺することなく戦えている。

 オレも負けていられないな。



魔楼聖神剣(まろうせいじんけん)っ!!!」

「グアアアーーッッッ!!??」


 とっておきの神聖剣術を繰り出して、ルナティック·プラントを斬り裂いた。

 ルナティック·プラントは断末魔の叫びをあげて消滅した。やはり神聖剣術は強力だな。


 アイラ姉のスキルで強化してもらったから、魔剣も神聖剣術の反動に大分耐えられるようになっているし、出し惜しみも遠慮もする必要ない。




 迷宮での戦いもこれで最後だろうし、魔物を一気に全滅させるつもりの気持ちで、全力で戦おう。

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