384 迷宮攻略最終局面に向けての話し合い
アイラ姉にこってり絞られた後、改めて迷宮攻略を再開することになった。
まだ、さっき見たミールの裸が頭から離れないのは内緒だ。
神樹の迷宮も、いよいよ最終局面に入ったってとこかな。メンバー全員、体調は万全で誰もがやる気満々だ。
さすがに全員連れては行けないので、メンバーを厳選しなくてはならないが。
オレとアイラ姉、そしてフウゲツさんは固定で、他のメンバーをどうするかは今から決める。
神託を受けているシノブもメンバーに入れるかは、これからの話し合い次第だ。
「フム、シノブもそうだが実力で考えるならば、サフィルス達も適任と言えるだろうな。迷宮の守護者は今まで出てきた魔物以上の力を秘めているのは、まず間違いないだろうからな」
アイラ姉が言う。
今までに神樹の迷宮に出現した魔物のレベルは、大体100〜200くらいでボスモンスターが600前後だった。
レベル900を超える人形娘なら問題なく対抗できる。ここまでで結構レベルアップしているが、他のメンバーだと少々苦戦を強いられてしまうかもしれない。
それに、今のところはそんな気配はないが、迷宮の外に魔物が湧き出る可能性もある。
そういう可能性も考慮して、迷宮外にもレベルの高いメンバーを待機させておくべきだろう。
「それとエンジェ様やレイ君達の話だと、迷宮の守護者に挑むのは五人のパーティーにしておいた方がいいのよね?」
フウゲツさんの言うように迷宮攻略し、ダンジョンコアを手に入れるには、五人以下のパーティーで迷宮の守護者に挑まないといけない。
五人以上のパーティーで迷宮の守護者を倒しても、ダンジョンコアは手に入らないんだよな。
まあ、ダンジョンコアが手に入らないだけで攻略自体は可能だから、あくまでも余裕があればだけど。
今のところ、特に必要とする用途はないし。
蟲系の魔物を召喚して使役できるようになるダンジョンコア············必要あるかな?
まあ、ゾンビを召喚できるやつよりはマシかもしれないけど。
「あくまでも迷宮の守護者に挑むのが五人パーティーってことで、直前までは何人パーティーで迷宮攻略しても問題ないと思うけど」
迷宮の守護者がいるのは最終階層だろうし、直前の299階層までは五人以上で挑んでも問題ないはずだ。
それとも、そんな屁理屈は通用しないかな?
今からでも龍人族の国にいるエンジェに確認しに行くべきだろうか?
「フム、いっそダンジョンコアとやらの入手を諦めるのも視野に入れるべきだろう。神託でもダンジョンコアを入手しろとは指定されていないのだろう? 迷宮の守護者がどれほどの強さかわからぬからな。少ない人数で挑み、勝てる相手かどうか。舐めてかかり、返り討ちにあっては目も当てられぬが」
アイラ姉は特に用途のないダンジョンコアを手に入れるよりは、確実に攻略を目指すべきだと思っているようだ。
けど、アイラ姉なら一人でも迷宮の守護者を倒せるんじゃないかな?
迷宮の守護者が今のアイラ姉でも敵わないような奴だったら、何人がかりでも勝てない気がするんだが。
「いえ、できるならダンジョンコアは手に入れておくべきだわ。手に入れずに迷宮攻略をしても、再び迷宮が復活する可能性があるわ」
フウゲツさんがそう主張する。
確かにダンジョンコアが迷宮出現の元凶なら、攻略して一時的に迷宮が消滅しても、再び現れることもありえるか。
やはりダンジョンコアは、こちらの手中に収めておくべきかな。
アイラ姉もフウゲツさんの言葉でその可能性を考え、ダンジョンコアを手に入れる方向に動くことにした。
「ミールの話だと、迷宮の守護者は神樹に宿る精霊の可能性があるのだったか? そもそも精霊とは何なのだ?」
「決まった形を持たない生命体のことを、精霊と呼んでいるわね。神の使いとも呼ばれているけど、詳しくはあまりわかっていないのよ。エルフの中でも高位の者なら、精霊と対話ができると聞いたことがあるのだけど」
アイラ姉の疑問にフウゲツさんが答えた。
オレの中にある精霊のイメージはゲームとかの知識になるけど、大体似たようなものかな。
もし本当に神の使いだとしたら、オレ達に神託が下ったことに関係があるのかも。
ミールは今の自分なら、精霊の声を聞けると言っていた。エルフの中でも高位の者なら、精霊と対話出来るらしい。ミールはハーフエルフだが、レベルが高いし、実力的にその資格があるということかな。
なら、迷宮の守護者に挑むパーティーにミールを入れるべきだな。ミール自身もそれを望んでいるし。
そうなると、エイミもメンバーに入れるべきかな?
その後も意見を出し合い、最終的には皆が納得できる迷宮攻略のメンバーが決まった。