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5 今後の方針を決める

 冒険者ギルドを出たオレとシノブは適当に町を見て回ることにした。

 こちらの世界の文明はオレ達の世界に比べて、だいぶ遅れている印象だ。

 商店街のような通りがあったのでそこで色々と見る。食べ物なども売っていたので果実などを買ってみた。

 どれも見たことあるような形の果実だが、微妙に違う。



(リュカの実)

赤い小振りの果実でサクランボに似ている。



(ロッコの実)

これはブドウに似てるな。


 それぞれ2個ずつ買ってシノブと一緒に食べてみる。味は······正直微妙だ。不味くはないがかなり味がうすい気がする。

 品種改良を重ねた向こうの世界の果実とは比べるべくもない。

 シノブもなんとも言えない表情をしている。


 他にも武器、防具の売っている店を見てみた。

オレ達は武器になるようなものは持っていない。

 せいぜいアイラ姉の木刀くらいだからな。

 武器や防具も一目みただけで鑑定できた。



(鉄の剣)攻撃力+50

鉄で造られた一般的な剣。



 値段は大体銀貨10~20枚くらいだ。

 攻撃力+50か······オレ達のステータスの力を見る限り大したプラスにはならないな。

 防具もこれといったものがなかった。見た感じ、買ってもあまり意味はなさそうだ。

 一応シノブ用に投げナイフを10本程買ってあげた。



(鉄のナイフ)攻撃力+15

主に魔物を解体するために使用する。



 用途は少し違うがシノブが欲しがったのでいいだろう。値段は1本銀貨2枚。

 本当は手裏剣やまきびしのようなものが欲しかったみたいだがなかった。

 まあ代わりにはなるのかな。

 他にもいくつかの店を回ったがどれもパッとしなかった。武器や防具については後で考えよう。



 次は宿を探すか。この町には結構な数の宿屋があった。

 貴族が泊まるような高級宿から、あまり金のない者が泊まるであろう安宿まで様々だ。

 一番高級な宿は一泊金貨5~10枚とかなり高い。

 一般的な宿は銀貨3枚くらい。

 安宿は小銀貨1~2枚くらいだった。


 さすがにいきなり高級宿に泊まる気はなかったが、一般的な宿だと風呂がなかった。

 風呂は一般の宿や家にはなく貴族の屋敷にあるような贅沢品らしい。

 出来れば毎日風呂に入りたいオレとしてはキツいな······。

 アイラ姉と合流したら相談しないとな。

 とりあえずは一般的な宿の三人部屋を借りた。




 その後も町を見て回ったが大した収穫はなかった。だいぶ時間が経ち、日も暮れかけてきたのでアイラ姉を迎えに冒険者ギルドに向かった。


「今日のところはこれまでとする!」

「はいっ!!」「ありがとうございます、アイラ姉さん!」


 そこではアイラ姉と男達の声が響いていた。

 アイラ姉の言葉に礼儀正しく返事をしているのはさっきオレ達に絡んできた男二人である。

 完全にキャラが変わっている。地獄を見たのだろう。

 詳しくは聞かないようにしよう。


「さすがアイラ殿でござるな······」


 シノブがつぶやくように言った。




 アイラ姉と合流し、宿へと向かう。

 宿の料理も食べたが微妙な味だった。

 ここの宿の食事が不味いわけではなくこの世界の料理のレベルが基本的に低いようだ。


 アイラ姉も表情には出さないが「なんとかせねばな······」と言っていた。

 食事が済んだら部屋へと向かう。三人部屋。

 本当なら男のオレとは別々にすべきかもしれないが今日の所は仕方ないだろう。

 まずは寝る前に今後の方針を決めよう。



「やっぱりこの世界はオレ達のいた世界とはまったく違う異世界みたいだ。文明レベルは中世時代って感じかな。剣や槍、弓矢などで戦うのが基本で銃火器などはない。馬車はあるけど車はない。ケータイもスマホもない、そして魔物が存在する世界だ」


 今日見てわかったのはこんな感じかな。


「フム、風呂が無いというのは残念だが今日のところは身体を拭くだけでガマンしよう。それよりも決めなくてはならないのは、どうやって元の世界に帰るかだ。そうだろ? レイ、シノブ」

「といってもアテがまったくないでござるな······」

「そうなんだよな······」


 シノブの言う通りアテがまったくない。

 そもそも気が付いたら異世界にいたんだ。どうやって来たのかもわからない。

 覚えているのはアイラ姉の実家の蔵の中で虹色の宝石を触ったところまでだ。


「アイラ姉、あの蔵にあった宝石ってなんなの?」

「私にもわからんな。あの蔵にあった物は祖父が集めていた物だが、どこで手に入れたものかはなにも知らない」


 アイラ姉の祖父は三年くらい前に他界している。一体何者だったんだジイちゃん······。

 オレの知っている限りでは躾には厳しかったけど普通のじいさんだったはずだが。


「セーラ殿達の話ではこの世界には〝()()()()()()()()〟という魔法の力を秘めたアイテムがあるらしいでござるが、あの宝石がそうだったのかもしれないでござるな」


 そういえば馬車の中で雑談した時にそんなことも言っていたな。



 〝アーティファクト〟


 迷宮や古い遺跡などでわずかに見つかる古代の秘宝。店にも魔道具といわれる魔法の力を秘めたアイテムが売られていたが、アーティファクトはそれとは比べものにならないくらい凄い力を秘めているらしい。


「だったら当面はアーティファクトを探そうか。魔法の力を秘めてるなら、元の世界に帰る力を秘めたものがあるかもしれないし」

「ウム、今決められるのはそんなところだな。私に異論はない」

「拙者も賛成でござるよ」


 今後の方針が決まった。アーティファクトを探し、そしてそれとなく情報を集めよう。

 まだ異世界に来て初日だ。焦らないで行こう。


 たった一人で異世界に放り出されたならともかくアイラ姉とシノブもいるんだ。

 三人なら異世界での生活もなんとかなりそうだ。





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