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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
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381 順調に迷宮攻略中

 ヴェルデのトラウマを刺激するトラブルがあり、少し休むことにした。

 とはいえ大分落ち着いてきてるから、そこまで心配はなさそうだな。けど、今後もああいう魔物が現れてヴェルデが暴走したら困る。

 ケアは必要だろう。


「ああ、よしよし。脚がいっぱいの虫で怖かったわよね〜?」


 キリシェさんがヴェルデの頭を撫でながら言う。

 ヴェルデはまだオレにしがみついているが、だんだん力が緩んできていた。

 こうしていると、本当にただの子供にしか見えないんだよな。



「なあメリッサ、ゲテモノプールって何?」


 ヴェルデを慰めるのをキリシェさんに任せて、オレは気になっていたことを聞いてみた。

 まあ、名前からしてなんとなく想像つくが。


「アウルムが召喚する蟲達いっぱいの容れ物のことだよ。特にヴェルデのお仕置き用には、気持ち悪い奴がいっぱい入ってるんだよね」


 召喚ってどういうことだ?

 もしかしてアウルムって蟲使いなのか?

 あの金髪美人のお姉さんが蟲を使役するって、あんまり想像つかないんだけど。


 ゲテモノプールの刑について聞いてみたが、なかなかにアレな内容だった。

 ヴェルデの頭だけを切り離して、身動き取れない状態にしてから、そのおぞましい蟲いっぱいの容器に閉じ込めるそうだ。

 さらにはシルヴァラのスキル封じの力で、身体の再生も何もできないようにされ、反省するまでそのままにされる······と。


 動けない状態で蟲にたかられて······いや、想像するのはやめよう。

 トラウマになるどころか、オレなら発狂する自信があるぞ。


 というかアウルムは、サフィルスには甘々の世話焼きお姉さんって感じだったけど、ヴェルデには鬼のような仕打ちをしているんだな。




「ミウ達は大丈夫だった? 無理してるんだったら今の内に言っておいてね」

「確かに気持ち悪かったですけど、もう大丈夫ですよー!」


 念のためミウ達にも確認を取った。

 ミウは無理している様子もなく、元気良く言った。


「拙者も問題ないでござるよ」

「あの虫、そんなに強くない。ヴェルデの方がずっと強いのに、なんでそんなに怖がってるの······?」


 シノブも問題ないようだな。

 スミレにいたってはヴェルデが何故、格下の魔物を怖がっているのか理解できていない様子だ。

 まあ、頼もしくて何よりだ。





「――――――もう大丈夫! 主人(マスター)、迷惑かけた分ヴェルデ頑張る!」


 しばらく休憩していたら、ヴェルデの調子が戻ったようだ。勢いよく立ち上がり、腕をブンブン振って元気アピールしている。

 立ち直るのが早いな。

 トラウマを引きずり続けるよりはいいんだけど。

 もしかしてアウルムの罰を受けても、すぐに立ち直るから反省の色なしと思われてたんじゃないか?

 それで罰の内容が、だんだんとエスカレートしていったんじゃ······。


 まあ、もう大丈夫そうだからよかった。

 メリッサにヴェルデの苦手な虫をある程度聞いておいたので、そういう魔物が現れたらオレが真っ先に排除しよう。

 というわけで迷宮攻略を再開した。




 現在、285階層まで来ている。

 先ほどの宣言通り、ヴェルデが張り切って襲いかかってくる魔物を殲滅していた。


「シャアアアッ!!!」

「――――――吹っ飛んじゃえ、デスプロージョン!」


 物陰からいきなり現れた、巨大な蛇の魔物を一瞬で吹き飛ばした。

 今の魔物はレベル280だったけど、そこらの雑魚と大差なく倒してしまったな。


 この階層から昆虫系だけでなく、蛇や亀といった爬虫類系の魔物が目立つようになった。

 今までも現れなかったわけではないが、昆虫系の方が圧倒的に多かったからな。

 こういう変化は迷宮も大詰めだということだろうか。


 爬虫類系の魔物は昆虫系に比べてステータスが全体的に高く、強敵揃いだ。

 けど昆虫系と違って群れる奴が少なく、単体で襲いかかってくるので寧ろ戦いやすい。

 ヴェルデのトラウマを刺激することもないし、こちらとしては好都合だ。



「ミウちゃん、いくわよ〜」

「はいー、お任せくださいー!」


 キリシェさんとミウが協力して、道を阻む巨大な亀の魔物に立ち向かっていった。頑丈な甲羅を持つ防御力の高い魔物だったが、二人は難なく倒した。



「そ〜れ、潰れちゃえっ!」

「······そんな毒、ボクには効かない」


 今度は巨大なサソリの魔物が現れ、メリッサが自分よりも一回り大きいハンマーで、そしてスミレは右手に奈落の剣(アビスブレード)、左手に精霊剣アースレジェンドの二刀流で迎え撃った。


 サソリの魔物は強固な外殻を持っているが、スミレの剣はそんなものお構いなしに斬り裂いた。

 さらにメリッサがハンマーで魔物を叩きつけ、追い打ちをかける。


「これで終わりでござる!」


 そしてシノブがトドメを刺し、魔物が倒れた。

 どんな魔物が現れても、皆それぞれ対応して、危なげなく倒している。


 もうここまでで結構な数の魔物を倒して来ているので全員、いい感じにレベルアップしていた。

 オレとシノブはレベル999のまま変化はないけど。



 この調子でどんどん進めていこう。


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