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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
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379 待機組の休憩中の出来事

 和気あいあい(?)としながら休憩を取り、時間が過ぎていった。

 昨日のエイミとミールの部屋に訪れた件では、キリシェさんが期待するような展開はなかったと説明すると、少しガッカリした反応をしていた。

 ミウは何故か、ちょっとホッとしたような表情だったけど。それで質問攻めは終わりかと思った、オレの考えは甘かったようで、さらに色々と追求された。


 サフィルス達との出会いやら、何故主人(マスター)と呼ばれるようになったのか、などなど。

 気になるのはわかるけど、オレ自身もよくわかってないことなので、答えにくくて困る質問だ。



――――――――――!!!!!



 キリシェさんとミウからの質問攻めに気を取られていたら、派手な爆発音が響いた。

 ヴェルデ達のチャンバラで、オレが目を離している内に魔法でも使い出したのだろうか。

 スキルと魔法の使用は禁止していたのだが、チャンバラに熱中しすぎて忘れちゃったのかな?

 さすがに止めなきゃと思い、目を向けると、こちらの方に何か転がってきた。


「きゃあああー!!?」


 転がってきたモノを見て、ミウが悲鳴をあげた。

 キリシェさんは声を出さなかったけど、驚いているっぽい様子だ。

 正直、オレも驚いて声が出なかった。


 転がってきたのはヴェルデの生首だった。

 身体はなく、本当に首だけがこちらに転がってきたのだ。突然の惨劇に肝を冷やしたが······。


「ヴェルデ、レイおにーさんにスキルは使っちゃダメだって言われたじゃん!」


 緊張感のない、いつもの口調で言うメリッサの声を聞いて、なんとか冷静になれた。

 メリッサの後ろでは、スミレが驚いているかわからない、いつもの無表情でこちらを見ていた。

 審判役だったシノブは、ちょっと戸惑った表情をしているが。


「――――――むぅ〜、メリッサだってスキル使おうとしてたじゃん!」


 生首だけのヴェルデが、何事もないかのように喋り出した。ヴェルデが人形(ドール)なのは知っていたけど、首だけになっても平気なのか······。

 漫画やアニメなんかではよくある設定だけど、実際に目の当たりにすると、かなりビビる光景だな。


「······なんでヴェルデは()()()()()になってるんだ?」


 とりあえずは状況の確認だ。

 人形(ドール)だから血は流れていないようで、血まみれになっていないのはよかった。

 生首が転がってきただけでも、充分にホラーだったが。


「メリッサ殿とスミレ殿が、息の合った連携でヴェルデ殿を追い詰めたのでござるが、お二人の攻撃から逃れるために、ヴェルデ殿が自爆したのでござる······」


 シノブが状況説明をする。

 ヴェルデは爆発系の魔法攻撃に優れていて、スキルにもそういった攻撃の威力を高めるものがある。

 シノブが言うように、頭だけを切り離して文字通り自爆したらしい。

 それでヴェルデの胴体が見当たらないのか。


 一応、ヴェルデなりに威力を抑えたつもりのようで、周囲に目立った被害はない。

 ドでかいクレーターができてるけど。


「ヴェルデは頭さえ無事なら、身体はいくらでも再生できるからね。トゥーレが自爆用の魔法をいっぱいヴェルデの身体に付与していたよ」


 メリッサが無邪気に言うが、(おっそ)ろしいことをしているな、トゥーレミシア(あの人)

 言葉通りヴェルデの身体はすぐに再生して元通りになった。

 人形(ドール)だからなのか、身体だけでなく着物も肉体の一部と認識されているらしく、新品同様にキレイになって再生されていた。

 サフィルスやパールスもバラバラになっても平気なのかな?



「びびび、びっくりしましたー······」


 ミウはまだ顔色が悪い。

 まあ、生首がいきなり転がってくるなんて、かなりショッキングな光景だったろうからな。

 キリシェさんは、すでにいつも通りの調子に戻っていた。本当にメンタルの強い人だな。


 シノブ達にはチャンバラを終わりにして、ヴェルデの自爆によってできたクレーターを元通りにさせることにした。








 それから2時間程経って、アイラ姉達が迷宮から戻ってきた。280階層までの攻略が完了したようだ。

 思ってたよりも早い帰還だな。


「少々ペースを早めて攻略を進めたが、特にこれといった問題はなかったぞ」


 アイラ姉が言う。

 270〜280階層も今までと変わらず、問題なく進めたようだ。

 アイラ姉以外も疲労している様子はなく、まだまだ体調は万全といった感じだ。


「迷宮の外は問題なかったか? あの辺りに破壊痕があるように見えるが、まさか魔物が現れたのか?」

「いや、あれはヴェルデ達が······」


 キレイに元通りにさせたつもりだったが、アイラ姉の目は誤魔化せなかったか。

 下手に隠すと妙な誤解をされかねないので、正直に話した。それを聞いてアイラ姉は呆れた表情を見せ、すぐにヴェルデ達へのお説教が始まった。

 ヴェルデ、メリッサ、スミレ、そして何故かシノブも正座させられて怒られていた。




 次はオレ達が迷宮に入る予定なのだが、こんな調子で大丈夫だろうか?




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