表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
488/736

372 トゥーレミシアとの話し合い

 人形娘達の創造主(グランドマスター)、トゥーレミシアとの話し合いのため、長の屋敷の大広間に移動した。

 アウルムとシルヴァラは主の指示に従い、戦闘態勢を解除して、もう戦う意志はないようだ。

 オレが魔法で眠らせた他の四人も目を覚ましたが、トゥーレミシアに制されて、おとなしくしている。


 それにしても、トゥーレミシアが連れてきた6人にサフィルス、ヴェルデ、パールスを入れて9人か。

 戦闘用殺戮人形(キラードール)というのは、これで全員なのかな?



「なあメリッサ、殺戮人形(キラードール)ってこれで全員集合なの?」


 気になったのでメリッサに聞いてみた。

 メリッサだけは殺戮人形(キラードール)じゃない、別枠とか言っていたかな。


「う〜ん、グライスとプルルスがいないみたいだね。どうしちゃったんだろ?」


 まだ他にいるのか。

 探知魔法で周囲を調べても他に潜んでいる様子はないし、その二人は連れて来ていないみたいだな。

 つまり殺戮人形(キラードール)は全部で11人いるわけか。


 創造主(グランドマスター)トゥーレミシアに加え、レベル900超えの殺戮人形(キラードール)が11人。

 さらにはメリッサのような別枠の人形(ドール)も多数従えているようだし、とんでもない大軍団だな。


 人形達だけで人族の国の侵略するのは充分可能だろう。サフィルス達は魔人達にも恐れられていたし、魔王軍よりも上の存在なんじゃないか?









「初めに言っておくけど、私は幻獣人族(あなた)達の里を侵略しようとか、そういう気は一切ないわよ」


 大広間で話し合いの準備が整い、トゥーレミシアがそう切り出した。


 大広間には長のゲンライさんにフウゲツさん、そして護衛の人達。

 オレにアイラ姉、シノブに迷宮攻略組のメンバー達。その中にはレニーもいて、居心地悪そうに縮こまっている。


 向こう側はトゥーレミシアだけが席につき、他の人形(ドール)達は後ろでキレイに整列している。

 サフィルス、ヴェルデ、パールスはオレにピッタリ張り付いているけど。

 それが気に入らないのか、たまにトゥーレミシアがオレを睨みつけてきていた。



「だが、儂らは何度か魔人共の襲撃に受けている。かつての魔王軍のように、神樹の力を狙っているのではないか?」


 代表してゲンライさんが問いただす。

 実際、魔物の大群を率いた魔人が来たり、バルフィーユが来たりしているからな。

 侵略の意志はないなんて言われても、簡単には信用できないだろう。


「それはガストの独断の暴走ね。ガストは()()()()を復活させようと躍起になっていたから、封印されている可能性のある幻獣人族の里(ここ)に執着していたみたいだわ。空振りだったようだけどね」


 ガストというと、確か最初に攻めてきた魔人のことだな。バルフィーユはその魔人を助けに来ただけとか言っていたそうだが。

 しかし聞き捨てならない言葉があったぞ。

 ()()()()()()()

 前の魔王って、当時の勇者に討たれて死んだんじゃないのか?


「当時の魔王は生きておるのか?」

「そうみたいね。私は当時の魔王軍に加担していなかったから詳しくは知らないけど、勇者との戦いの末に封印されたと聞いているわ」


 それ、初耳なんだけど。

 当時の勇者って色々な所で魔物を封印していたのは知っているけど、魔王まで封印していたのか。


幻獣人族の里(ここ)には封印されていなかったみたいだし、ガストが再び来ることはないと思うわよ。つい先日、帰ってきたと思ったら、最高傑作を回収しに行くとか言って、また出ていっちゃったし。護衛役として私の人形(ドール)も一緒だから動向を把握できるんだけど、少なくとも幻獣人族の里(ここ)に来るつもりはないみたいだわ」


 ここにはリュベネイタルという強力な魔物が封印されていたけど、魔王はいなかったな。

 それでここを見限って別の場所を探しているのかな? 最高傑作って何のことだろうか?

 よくわからないけど、魔王が封印された場所なんて簡単に見つかるとは思えないし、あの魔人(ガスト)自身は大した強さじゃなかったから、放っておいても大丈夫かな?


「ガストが単独で調べていたみたいだから、今の魔王軍は幻獣人族の里(ここ)の存在を知らないはずよ。ガストも私も今の魔王軍とはあまり関わりたくないし、話すこともないから安心してちょうだい」


 そういえばあの魔人は、自分は今の魔王軍とは無関係とか言っていたな。

 トゥーレミシアの言葉を信じるなら、これ以上魔王軍が攻めてくる心配は、とりあえずはないということか。

 ゲンライさんとフウゲツ、それにアイラ姉達もトゥーレミシアが嘘をついていないと判断したようだ。



「わかった、お主の話を信じるとしよう。じゃが、ならば何故我が里に来た? 結界を突き破り、侵略の意志ありと見られても文句は言えん侵入をしてまで」

「その点は悪かったと思ってるわ。私も冷静じゃなかったみたいね」


 ゲンライさんの言葉に、トゥーレミシアが謝罪で答える。


「私が幻獣人族の里(ここ)に来たのは、私の大事な子達にはしたない行為をさせたり、ふしだらなことを吹き込んだりしている、そこの男を粛清するためよ······!」


 トゥーレミシアの視線がこちらに向いた。

 あれ、これもしかして怒りが再燃してない?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ