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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
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閑話⑭ 4 そして無事に収束?

「おい、リイネ。エネフィー殿、しっかりするんだ」


 アイラ姉が訓練場内で倒れていたリイネさんとエネフィーさんに声をかけ、二人の容態を確認する。

 二人が気を失い、戦闘不能状態になった後、オレは()()姿()に戻って、アイラ姉を呼んできた。


「――――――心配あらへんで〜。二人とも気ぃ失ってるだけやから」


 パールスにはオレがアイラ姉を呼びに行っている間、二人の介抱をお願いしていた。


 ちなみにアイラ姉には、リイネさんとエネフィーさんが手合わせに熱くなりすぎて、オレでは止められなくなったと説明し、来てもらった。

 ()()()()が現れたことは話していない。



「う······アイラ、か?」

「··················あら、私は······」


 しばらくするとアイラ姉の呼びかけに応えて、二人が目を覚ました。

 それを見てアイラ姉が安堵の息を漏らした。


「まったく、レイから聞いたぞ。私に内緒で二人で手合わせをしていたらしいな。それ自体は構わんが、この惨状を見る限り、明らかにやりすぎだ」


 アイラ姉が訓練場内を見回して言う。

 訓練場の中は、二人の手合わせによってボロボロになっていた。

 オレでは二人を止めるのが難しかったってことは本当だからな。


「だが、何故二人揃って気を失っていたのだ? 手合わせで相討ちになったようでもなさそうだが」


 アイラ姉が二人に問いかける。

 目を覚ましたばかりでボーっとしていた二人も、先ほどまでの出来事を思い出したようで、取り乱した様子だ。


「あ、あれはその······少し待ってくれ、アイラ! わ、わたしにも何がなんだか······」

「あれは夢だったのですわあれは夢だったのですわあれは夢だったのですわあれは夢だったのですわあれは夢だったのですわあれは夢だったのですわあれは夢だったのですわあれは夢だったのですわあれは夢だったのですわ············」


 リイネさんはうまく言葉が出ない様子で、エネフィーさんはうわ言のように、同じ言葉を繰り返していた。

 オレは何も知らないフリをして、黙っていることにした。



「······? よくわからんが、二人とも少し休んだ方が良さそうだな。私は二人を部屋まで連れて行くから、レイとパールスは訓練場内をある程度片付けておいてくれ」

「――――――はいは〜い、ウチらにお任せあれ〜」


 オレとパールスはアイラ姉の言葉に頷いた。

 アイラ姉がリイネさんとエネフィーさんを連れて行き、訓練場内には、オレとパールスだけが残る形となった。






「――――――うふふふ〜、主人(マスター)はんの意外な一面を見てもうたな〜。ヴェルデが怖がってたんは()()のことやったんやな〜」


 二人きりになった途端に、パールスが意味深な笑みをうかべてそう言った。

 パールスには仮面の男の正体がバレてしまった。

 まあ、あの状況では誤魔化すのも無理だっただろうけど。パールスが話を合わせてくれたからリイネさん達には正体がバレずに済んだんだし、その点はよかったが。


 リイネさんとエネフィーさんに()()()()()()してしまったわけだし、正体がバレたらと思うと怖い。

 王女相手にあんなことをしたわけだから、バレたら問答無用で処刑されてもおかしくないんじゃないかな?



「············パールス、このことは」

「――――――心配無用やで〜、誰にも言わへんから安心しいや。けど、ウチ以外には知っとるのおるんか?」


 なんとか秘密を守ることを約束してくれた。

 パールスはこういう性格だし、正体を知っても特に思うようなことはないみたいだ。




「――――――サフィはやっぱ知っとったんか〜。サフィは索敵や正体見破る系が得意やからな〜。他にも知っとるのいるみたいやけど主人(マスター)はん、隠す気あるんか?」


 隠す気あるというより、絶対に知られたくないと思っているが。

 自分じゃ変身のタイミングや、その後の行動がコントロールできないから、今回みたいに運が悪いとバレてしまうんだよな。


「なあ、パールス。このマスクがどういうアイテムなのかわからないかな?」

「――――――う〜ん、ウチには解析出来へんな〜。創造主(グランドマスター)なら、特殊なアイテムについて詳しいかもしれへんけど」


 創造主(グランドマスター)というと人形(ドール)娘達の生みの親、トゥーレミシアって人のことか。

 会ったこともない人に聞けることでもないから、コレの正体を知るのは無理か。



「――――――なあなあ、主人(マスター)はん、もう一度その仮面被ってくれへん? あないな筋肉見せつける堂々とした主人(マスター)はん、ウチの好みにどストライクなんやわ〜」


 パールスが怪しい目付きで、そんなことを言ってきた。なんか雰囲気がヤバい。

 パールスは普段はまともだけど、暴走するとヴェルデとかとは別の意味で手がつけられなくなるんだよな。


「いや、オレはできるだけ()()は使いたくな······」

「――――――少しだけでええんや、頼むで〜。あの王女二人にしたみたいなことウチにもやってみてや〜。サフィとヴェルデにもやったんやろ? ウチだけ仲間外れはズルいんよ〜」


 息を荒くして迫ってくるパールス。

 かなり興奮しているのか、普通に表情が怖い。




 その後、パールスの暴走は止まる様子がなかったので、強制睡眠の魔法をかけて事なきを得た。

 目が覚めた時には興奮状態が収まっていることを祈ろう。

 やっぱりこのマスク、色々な意味で呪われたアイテムに間違いないな。



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