閑話① 4 我が家に居候が一人(一匹?)増えました
オレは元の姿に戻って改めてシノブと合流して気絶しているエアリィを連れて自宅へと戻った。
自宅にはアイラ姉にグレンダさん、ミウがちょうど集まっていた。
町全体が霧に覆われていたのでその対策を話し合っていたらしい。
まあもう解決したんだけど。
「ごめんなさい! ごめんなさいなノヨ! アタシが悪かったノヨ! もうイタズラしないから許してほしいノヨ!」
目を覚ましたエアリィが開口一番そう言った。
エアリィの態度の急変にみんな首を傾げている。
アイラ姉は怪訝な表情だ。
「ずいぶん素直になったな······何かあったのか?」
「さあ······?」
アイラ姉の質問にオレとシノブは首を横に振った。正義の仮面のことは言えない。
エアリィの謝罪は嘘や偽りではないと、みんな感じ取ったようだ。
「まあ素直に謝罪するのなら私から異論はない。グレンダ殿も認めているし、ここに住むことは認めよう」
「ほ、本当なノヨ!?」
エアリィが目を輝かせながら顔を上げた。
「ただし、また度を超えたイタズラをするようならキツイお仕置きをしてやるからな?」
「ひぃいいいっ!!? ごめんなさいなノヨ!? もうあんなお仕置きは許してなノヨ!!」
「いや、そこまで怯えなくてもいいのではないか······?」
事情を知らないアイラ姉はエアリィの態度に戸惑っている感じだ。
まあ無事にここに住む許可も貰えたし、めでたしめでたし············かな?
「だが、住むからには働かざる者食うべからずだ。子供達のように仕事はしてもらうぞ」
「バッチ任せてなノヨ! アタシの手にかかればこの楽園をさらにもっと凄いことにしてやるノヨ!」
自信満々にエアリィは言うが大丈夫だろうか?
なんか不安なんだが············。
その心配は杞憂に終わった。
エアリィの働きぶりはなかなかのものだった。
エアリィのスキル(風の恵み)は果樹園の果物の味を調整できる力があり、甘味たっぷりの物や控えめの物など、今まで以上にバリエーションを楽しめるようになった。
「さあアンタ達! このエアリィ様の指示でテキパキ動くノヨ!」
まるで子供達の親分のように偉そうに指示を出している。
態度はでかいが指示は的確なので子供達もちゃんと従っている。
楽しそうな表情を見る限り、嫌々従ってるわけでもなさそうだ。
もうすっかりこの町に馴染んでいる。
こうして我が家に居候が一人(一匹?)増えた。