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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
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365 お互いの事情説明

 オレと人形(ドール)娘達は、改めてエネフィーさんの部屋にお邪魔した。

 リイネさん、エネフィーさん、そしてアイラ姉はすでに着替えて、普段の服装になっている。


「まったく、えらい目に合ったぞ······」


 圧倒的ステータスを持つはずのアイラ姉が満身創痍となっていた。

 オレでは今のアイラ姉のステータスを鑑定できないのでわからないが、〈体力〉がかなり減っていそうだ。


「ふふっ、アイラだってなんだかんだ楽しんでいただろう?」

「そんなことは断じてない!」


 リイネさんが不敵な笑みをうかべて言う。

 アイラ姉は思い切り否定しているけど。

 ちなみにエネフィーさんは、何があったか詳しくはオレにはわからないが、先ほどまでの出来事を思い出しているらしく、顔を熱くさせて、うつむいている。


「えーと、それで何であんなことに?」


 オレはアイラ姉達に事情の説明を求めた。






 まあ、ある程度予想はしていたが、やはり加護スキルの効果を上げるための行為だったようだ。

 アイラ姉とキリシェさんが念話で自由に会話できるのを見て、リイネさんが行動を起こしたそうだ。

 そして、ついでにエネフィーさんも巻き込んだと。


「キリシェがやっていたことや、話に聞いたことを参考にしたのだが、ついわたしも悪ノリしてしまった。ふふっ······存外、悪いものでもないな」

「キリシェの影響を受け過ぎだ! 女同士だというのに、本当に一線を越えるところだったではないか!」


 女性同士で一線を越えるとは、どういう状況を言うのだろうか?

 気になったが、聞く勇気はオレにはない。


「まあ、おかげでキリシェのように、アイラと念話が可能になったのだしな。これからは連絡が取りやすくなるな。力も大きく上がったことだし、良いことづくめではないか」


 リイネさんとエネフィーさんは、それぞれ加護〈中〉を獲得している。

 確かに、これでアイラ姉との念話が可能になり、何かあった場合の情報が伝わりやすくなったな。



 しかし······リイネさんとは何度か絆を深める機会があったから〈中〉まで上がるのはわかるが、エネフィーさんとは、たった一晩で同じだけの絆を深めたことになるんだよな?


「アイラ姉、もしかして一晩中······」

「違うぞ、レイ! 初めは互いの昔話などで盛り上がっていたのだ。その内に加護やスキルについての話になり、悪ノリしたリイネと、便乗したエネフィー殿が迫ってきて······」


 アイラ姉が言い訳のような言葉を並べる。

 なんだか、いつもと立場が逆になってしまっているな。

 アイラ姉ってなんだかんだで押しに弱いところがあるし、迫り来る二人を本気で拒めなかったということかな。


「女性同士でこんなことは······とは思いましたけど、アイラさん······すごかったですわ」

「一体何のことを言っているのだ、エネフィー殿!? これ以上、誤解を招くような発言は控えていただきたいのだが······!」


 エネフィーさんも満更でもないように言い、アイラ姉はさらに慌てて弁解していた。

 本当に誤解なのか怪しくなってきたな······。









「それで、レイ。そちらのサフィルスによく似た人物は何者だ?」


 少々時間を置き、気を取り直したアイラ姉がオレにくっついているヴェルデとパールスを見て言った。

 あんまりな状況だったので、二人のことを今までスルーしてくれていたけど、やはり説明は必要か。

 どう説明しようか?


「――――――ウチはパールス言います〜。サフィと同じようにレイお兄さんを主人(マスター)として崇め仕わせていただいております〜」

「――――――ヴェルデも主人(マスター)に仕えてる!」


 パールスが丁寧にお辞儀しながら自己紹介をして、ヴェルデもそれに続いた。

 リイネさんとエネフィーさんは、ヴェルデを見て驚いていた。

 そういえばサフィルスと違って何かしたわけじゃないけど、ヴェルデも一度フレンリーズ王国(ここ)に来たことがあったんだったな。


 詳しい説明を求められたので、オレは昨日の出来事を話した。

 ()()()()が現れたことに関しては省いて説明したけど。





「というわけで、何故か懐かれちゃって······」

「まったく······私がいないところで、そんなことが起きていたとはな」


 アイラ姉が呆れた目で、オレに引っ付いているヴェルデ、パールス、そしてサフィルスを見た。

 サフィルスはヴェルデ達をオレから引き剥がすことを諦めたのか、一緒になって寄り添ってきている。


 ············本当になんでここまで懐かれているのだろうか?

 悪い気はしないけど、理由がわからない。



「これほどの力を持った相手を、こうも簡単に懐柔するとは······」

「さすがはレイさんですわね。私も同じ勇者として精進いたしますわ」


 リイネさんとエネフィーさんも、なんか普通に受け入れていた。

 オレって普段から、そんな規格外なことをしていたっけ?




 なんか腑に落ちないが、特にいざこざも起きなかったので、良しとしておこう。





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