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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
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363 人形娘達とのそれぞれの交流

 ヴェルデ、パールスまでオレを主人(マスター)と呼ぶようになってしまった。

 特別な契約を交わしたとか、そんなことはないから、ただの遊びの一環かもしれない。

 まあ、一応オレの言うことを聞いてくれるらしいから、そういうことでもいいかな。



 ヴェルデにおとなしくしててと指示を出したら、文句も言わず素直に従ってくれている。

 多少、オレにベッタリなのが気になるが、その内飽きるだろうと思い、好きにさせている。






 朝食も済ませ、尋問の続きをすることになり、昨日のメンバーに加えて長のゲンライさん、キリシェさん、ユーリも参加している。

 とはいえ大まかな事は昨日聞いたし、やることといえば軽い質問と、今後の取り決めくらいだが。


 昨日のように二人を正座させようとしたのだが、ヴェルデがオレから離れたがらずにして、パールスまで便乗してくっついてきた。


「······なんだか二人とも、ずいぶんレイ君に懐いちゃってるわね」


 フウゲツさんがそんな二人を見て、呆れ半分に言った。正直、オレはこんなに懐かれるようなことはしていないはずなんだけどな。


「――――――ウチらはレイお兄さんを主人(マスター)として崇め従うことにしましたわ〜。主人(マスター)はんの言うことならなんでも従うつもりやで」

「――――――ヴェルデも主人(マスター)の言うことなんでも聞く!」


 パールスとヴェルデがそう宣言した。

 口からでまかせではなく、本気で言ってるっぽいんだけど何か不安だ。


「――――――私も主人(マスター)の指示に忠実に従います」

「じゃあアチシも!」


 何故かサフィルスとメリッサも宣言しだした。

 サフィルスは本気で言ってるかもしれないが、メリッサは明らかに面白半分に便乗しただけだろ。


「さすが師匠でござるな。一夜にして彼女達を屈服させてしまうとは」


 シノブが感心したように言うが、()()()()()何かした覚えはないぞ?


「······レイ君、この里にいる間だけでも、彼女達のことお願いしてもいいかしら?」


 フウゲツさんの言葉にオレは苦笑いしながら了承した。まあ、しばらくは様子を見た方がいいだろうからな。






 ゲンライさんとフウゲツさんから、ヴェルデとパールスがしばらく幻獣人族の里(ここ)に滞在する許可が出た。

 里に滞在せずに創造主(グランドマスター)のもとに帰った方がいいのでは、と思ったのだが······。


「う〜ん、アチシはバル兄にここにいろって言われてるし、トゥーレからも許可出てるから残るよ」

「――――――私も主人(マスター)の側に残ります」


 メリッサとサフィルスは帰るつもりはないようで、それならヴェルデも残ると言い出し、パールスもそれに付き合うことにしたようだ。

 まあ、暴れたり悪いことしないなら、それは構わないんだけど······。


「なあ、トゥーレミシアって人は、メリッサ達の行動に文句は言わないの?」


 メリッサはともかく、他の三人は指示にない勝手な行動だったよな?


「大丈夫大丈夫! トゥーレは最近忙しそうにしてたから、そんなことで文句言いに来ないよ、きっと」


 本当か?

 メリッサはそう言うが、嫌な予感しかしないんだが。






「ヴェルデ殿、師匠の言うことをちゃんと聞くでござるよ?」


 シノブがヴェルデに釘を刺している。

 温泉施設で散々暴れたので、シノブにしては珍しく少々強めに言い聞かせているな。


「――――――わかってる! ヴェルデ、主人(マスター)の言うこと、ちゃんと聞いてるもん!」


 確かに、今のところはおとなしくオレの言うことを聞いてくれている。

 まあ、もし仮にオレの目の届かないところで何かしでかしそうになっても、ヴェルデ一人くらいならシノブが止められるだろう。

 シノブはメリッサとも仲良くやっているし、そこまで心配はいらない······と思いたいな。



「パールスちゃんの話、じっくり聞きたいわ~」

「――――――ウチも主人(マスター)はんのお姉さんのアイラはんの話、興味あるわ~」


 向こうではキリシェさんとパールスが、何やら怪しげな談笑を交わしている。

 この二人、雰囲気も性格もよく似ているから、気が合いそうだな。

 なんだか〈混ぜるな危険〉と頭をよぎったが、考えないようにしておこう······。





「しかし里の結界がこうも簡単に抜けられるのは、見過ごせん問題じゃな······」


 ゲンライさんが難しい表情で言う。

 最初のガストとかいう魔人は、里の結界が弱まっていたために、そこを突かれて侵入されたのだが、その後のバルフィーユや人形(ドール)娘達は強化した結界を抜けてきたのだからな。


 まあバルフィーユや人形(ドール)娘達が規格外だということではあるのだろうが、無視できる問題じゃないよな。


 バルフィーユ(クラス)の強さを持つ、悪意を持った奴が攻めてくる可能性もあるわけだし、まだまだ問題は山積み状態だな。






 そういえば、アイラ姉はまだ帰ってくる様子がないな。そんなにリイネさんとエネフィーさんと込み入った話があったのだろうか?



 こっちの話し合いもある程度落ち着いたし、アイラ姉にも事情を説明しないといけないだろうから、一度フレンリーズ王国に顔を出しとこうかな。





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