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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
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362 新たな従僕

 ようやく()()()が終わり、朝となった。

 昨日があんなに濃い一日になるとは思わなかった。

 フレンリーズ王国の書庫では本の迷宮に取り込まれ、幻獣人族の里に戻ったらサフィルスと同型の人形(ドール)であるヴェルデとパールスが現れたり、そしてその日の夜には()()()()()があったりと。


 おかげで絆スキルのカウントが9まで上がり、後一人で10人達成するところまで来てしまった。

 他の人形(ドール)娘達と同じようにしていたのに、何故メリッサは加護スキルが得られなかったのかはわからないけど。



 結局、ミールとミウは最後にはそのまま寝てしまい、オレの部屋で泊まっていく形となっていた。

 サフィルス、ヴェルデ、パールス、メリッサもあのままだと()()()()()()ことになりかねなかったので、最終的には睡眠魔法で強制的に機能停止状態にした。

 今はみんな仲良く並んで寝ている状態だ。

 ············正直かなり危なかった。


 こんなところをアイラ姉に見られたら、どうなるかわかったものじゃないな。


 けどアイラ姉は、まだフレンリーズ王国から戻っておらず、そのことに少し安心してしまった。

 今日は朝の訓練も中止かな。

 普段ならアイラ姉がいなくても自主的にやるんだけど、さすがにまだ疲れが抜けていない。

 ステータス画面では〈体力〉は全回復しているのだがな············気持ちの問題なのだろうか?





「し、ししし、失礼しましたー!」


 しばらくすると、目を覚ましたミウが昨夜の出来事を思い出したのか、顔を真っ赤にしながら自分の部屋に戻っていった。

 オレもそんなミウの様子を見ながら、似たような表情をしていたかもしれない。


「レイさん、次回は二人きりで楽しみましょう」


 ミールも同じく目を覚まし、意味深なことを言って部屋に戻っていった。

 そんなミールが魅力的に映り、それもいいかもなんて思ってしまった。


 いかんいかん、中途半端な気持ちでそんなことになっても、良い未来はないだろう。

 まだミールに告白の返事をしていないのだし、いい加減に答えを出さないとな······。




 ミウとミールが部屋に戻った後、人形(ドール)娘達も目を覚ました。

 機能停止状態というのは、やはりオレ達のように睡眠を取っているのと変わらないようだな。


 それにしてもメリッサ以外は加護スキルを得てしまったので、ただでさえ強い人形(ドール)娘達のステータスが、さらに上がっている。


 この子達が、また敵に回ってしまったらどうしよう。根は悪い子達じゃないのは、なんとなくわかったけど、子供っぽくて暴走気味だし、真の主であるトゥーレミシアの出方次第では、どう転ぶかわからないんだよな。



「――――――あ〜♡♡、主人(マスター)はんからの愛が熱いわ~」


 パールスまでオレを主人(マスター)とか言い出した。

 加護スキルでステータスが増した影響を実感しているのか、顔を火照らせながら、自分の身体を触っている。

 サフィルスとヴェルデも、自身の身体を確かめていた。



「むぅ、アチシだけ仲間外れにされた気分だよ」


 唯一、加護スキルを得なかったメリッサが不満そうだ。どうしてメリッサだけ獲得できなかったのかな?

 まあ、オレ自身も加護スキルのことを完全に把握してるわけじゃないから、おかしいことじゃないんだが。

 そもそも何故、()()()()()()()をしたら加護を与えられるのかも、意味不明なことだからな。


「――――――ヴェルデ、いつまで主人(マスター)の身体に張り付いているつもりですか? いい加減に離れてください」

「――――――やだ! ヴェルデもお兄さんを主人(マスター)にする!」


 またもやヴェルデがオレから離れたがらなくなっていた。この子までオレを主人(マスター)にするとか言い出してしまったし。

 サフィルスが強引に引き剥がそうとするが、ヴェルデは意地になってオレから離れない。

 そんなに懐かれるようなことをした覚えがないのだが?


「――――――お兄さん、ヴェルデの主人(マスター)になって! ヴェルデ、サフィよりも役に立つ! どんな相手でも殲滅できるよ」


 ヴェルデが上目遣いにそう言ってきた。

 仕草は可愛らしいのだが、言ってることが物騒だ。殲滅してほしい相手なんて、今は特にいないし。

 かといって無下に断ったりしたら、どんな行動するかわからないんだよな。


「えーと、主人(マスター)になったら、オレの言うことを聞いてくれるのかな?」

「――――――うん! ヴェルデとってもいい子! ちゃんと主人(マスター)に従うよ!」


 ヴェルデが力いっぱい宣言したが不安だな。

 そもそもキミが幻獣人族の里(ここ)に来たのは、我儘言っての暴走じゃなかったか?

 不安ではあるが、言うことを聞いてくれると言ってるし、信用してみるかな。


「わかったよ。認めてあげるから、オレの指示にちゃんと従ってね」

「――――――うん!」


 オレがそう言うとヴェルデが嬉しそうに返事した。

 まあ、今後のことは後で考えよう。

 とりあえずはオレの言うことに従ってくれると約束してくれたから、それでよしとしておこう。



「――――――ほんなら新たな主人(マスター)はん、ウチのこともよろしゅうな〜」

「――――――ヴェルデ、パールス、主人(マスター)の第一の従僕は私ですからね」

「なんだか楽しそう! アチシもおにーさんのこと主人(マスター)って呼ぼうかな?」


 他の三人も口々にそう言った。

 なんだか早まったことをしてしまったかな?



 オレが新たな主人(マスター)とやらになってしまい、真の主であるトゥーレミシアって人は怒ったりしないだろうか?




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