表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
464/736

352 殺戮人形襲来

(シノブside)


 神樹の迷宮も、ついに250階層まで到達したでござる。順調に進んでいるでござるが、やはり師匠やアイラ殿がいないと少々厳しく感じるでござる。

 迷宮を自由に出入りできる転移魔法を使えるのが、拙者しかいないのもあるでござるが、やはりお二人がいると安心感が違うでござるから。




 今日の活動を終え、長殿の屋敷の前まで戻ってきたところで、師匠と鉢合わせたでござる。

 師匠の話によるとフレンリーズ王国での問題はほぼ解決し、リイネ殿達は近々、国に戻るとのこと。

 そうなれば学園も再開するだろうという話でござった。


 ちなみにアイラ殿はリイネ殿達と込み入った話があるらしく、まだ帰らないとのこと。




「え〜、サフィルスだけズルい〜! アチシだっていっぱい戦いたいのに!」


 師匠達が別の迷宮を攻略してきたと聞いて、メリッサ殿が駄々をこねているでござる。

 メリッサ殿はまだ神樹の迷宮に入る許可をもらえていないので、羨ましそうにしているでござる。


 長殿やフウゲツ殿も、メリッサ殿が特に何かしたわけでもないので、悪い人物ではないことはわかっていると思うでござるが、メリッサ殿を迷宮に入らせてしまったら、何か嫌な予感がするというのも、なんとなくわかるでござる。




 師匠は長殿達に、今日の出来事を報告したら温泉に向かうと言っているでござる。

 温泉に入っている間、サフィルス殿のことを頼まれたので、丁度良いので拙者達も一緒に向かうことにしたでござる。

 サフィルス殿は師匠の側をあまり離れたがらないので、放って置くと男湯までついて行ってしまうでござるからな。





 というわけで拙者とスミレ殿、メリッサ殿、サフィルス殿、そしてフウゲツ殿も一緒に入るとのことで、皆で温泉施設に向かったでござる。


 脱衣場で着物を脱ぎ、中に入るとミール殿とミウネーレ殿の姿があったでござる。


「おや、シノブさん達も入りに来たのですか」

「一気に賑やかになりましたねー」


 拙者達を見て、お二人が声をかけてきたでござる。

 お二人以外は入っていなかったみたいでござるが、ミウネーレ殿の言う通り、賑やかになったでござるな。


「エイミ殿とキリシェ殿は一緒じゃないでござるか?」


 お二人もいたら全員集合になっていたでござるが、姿が見えないでござるな。


「姉さんはレニーさんと里の人の手伝いをしていますね。あの二人、気が合うのか最近はよく一緒に行動しているんですよね」

「キリシェさんは、さっきまでユーリと一緒にいましたよー。キリシェさん、弟が出来たみたいで可愛いと言ってましたし、ユーリも満更じゃなさそうだったんですよねー。本当のお姉ちゃんはあたしなのにー!」


 皆それぞれ色々な交流をしているようでござる。

 良いことだと思うでござるが、ユーリ殿がキリシェ殿と仲が良いと聞くと、何かモヤモヤする気がするのは、どうしてでござろうか?

 自分でも、よくわからない気持ちでござる。




 雑談を交わしながら先ほど、師匠に聞いた話をミール殿達にも話したでござる。


「皆、帰ってしまうのね。賑やかだったから寂しくなるわね」


 フウゲツ殿が残念そうに言ったでござる。

 学園が再開すれば皆、王都に帰ることになるでござるからな。

 今までのように、自由に動くことも出来なくなるでござるな。


「へえ〜、学園か〜。なんだか楽しそう! アチシも行っていいのかな?」


 メリッサ殿が学園の話を聞いて興味津々でござる。さすがに簡単には入学出来ないと思うでござるが。

 拙者が通っていたのも、学園の地下に現れた迷宮攻略のための特例でござったから。



――――――――――


 ん? 今、何か妙な感覚があった気がしたでござるが、気のせいでござるか?

 いや、この感覚は以前にも感じたことがあるでござるな。


「············結界を何かが通ってきた」


 スミレ殿も感じたようでござる。

 やはり今の感覚は、何者かが里を覆う結界を通った時に発生する、魔力の波紋というやつでござるか。

 探知魔法で確認すると、2つの反応が里に入ってきているでござる。

 敵でござるか?


「おかしいわね······。里の住人に外に出ている者はいないし、魔人や魔物にしては侵入が緩やかだったわ」


 フウゲツ殿が首を傾げているでござる。

 確かに以前、魔人が侵入してきた時は、もっと強い感覚に襲われたでござったな。


「あ〜! この反応」

「――――――ヴェルデとパールスですね」


 メリッサ殿とサフィルス殿は、侵入者が何者なのか、わかったみたいでござる。

 もしかして知り合いでござるか?


「――――――私と同じく創造主(グランドマスター)より命を授かった存在です。主に戦闘面で活躍する二人です」


 サフィルス殿と同じというと()()()()()()と呼ばれる存在でござるか?

 聞いた話によると、魔人にも恐れられているということでござるが。

 何をしに幻獣人族の里(ここ)に来たでござるかな?



 2つの反応は、まっすぐにこちらに向かってきているでござる。

 凄まじいスピードで気が付くと、もう反応が丁度真上に······。



「――――――見つけた見つけた見つけた!!! サフィ、メリッサ! 二人だけで遊ぶなんてズルいズルい! ヴェルデも混ぜて!」


 そんな叫びが聞こえると同時に、緑色の髪と翼を生やした女性が舞い降りてきたでござる。

 サフィルス殿とメリッサ殿を見て、頬を膨らませているでござる。


「――――――サフィ、勝手な行動して創造主(グランドマスター)がカンカンやで〜?」


 続いて紫色の髪と翼の女性も降りてきたでござる。どちらも色が違うだけで、顔付きがサフィルス殿にそっくりでござるな。



 一体何が目的で来たのでござろうか?

 穏便に済めばいいのでござるが······。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ