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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
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349 書物の迷宮攻略完了

 魔王の影との攻防の中、オレは剣技を放ち、奴の持つ聖剣を弾き飛ばした。

 聖剣はエネフィーさんの、すぐ近くまで転がっていった。魔王の影が聖剣を取り戻そうと動くが、先にエネフィーさんが聖剣を手にした。


「······っ!? こ、これは······!?」


 聖剣を持ったエネフィーさんの様子がおかしい。

 聖剣とはいえ一時は魔物化していたし、そんなものを手にしたから、何か不具合が起きたのか!?


 そんな不安がよぎったが、エネフィーさんの身体からは不具合どころか、逆に「聖」なる力が溢れ出していた。そして、エネフィーさんのスキルには(勇者の資格)というものが加わっていた。


 これって名前の通り、勇者になれる資格を持った証のスキルだったよな?

 まさか、エネフィーさんが勇者になったのか?



「··················!?」


 魔王の影は言葉を発しないが、動揺しているように見える。

 エネフィーさんが聖剣を持ったことで、魔王の影のステータスが下がっている。

 逆にエネフィーさんとサフィルスは下がっていたステータスが元に戻った上で、さらに上昇した。

 エネフィーさんが聖剣の力を使いこなしているんだな。


「わかる、わかりますわ······! 聖剣が私のことを認めてくれたのですわね······!」


 エネフィーさんも初めは戸惑っていたが、すぐに気を取り直し、状況を把握した。

 そして聖剣を手に構え、立ち上がる。


「··················!!」


 魔王の影がエネフィーさんに向けて魔法を放った。しかし、聖剣の効果により、それをかき消した。

 魔王の影の動揺がさらに強まる。



――――――――――!!!!!



 背後からサフィルスが魔王の影の両腕を斬り落とした。斬られた腕は、床に落ちる前に消滅していく。

 聖剣の効果が逆転してしまった今、魔王の影はサフィルスの敵じゃない。


 そして今がチャンスと見たエネフィーさんが、聖剣で追撃をかけた。


「これで終わりですわ! 光来魔弾剣(こうらいまだんけん)っ!!!」


 エネフィーさんの持つ聖剣から眩い光の球が放たれ、魔王の影を滅していく。

 そして、聖剣から溢れる光に包まれ、魔王の影が消滅していく。


「············っ――――――」


 断末魔の叫びをあげそうな様子を見せて、魔王の影は完全に消え去った。

 魔王の影を倒したことでエネフィーさんとサフィルスのレベルが上がっている。

 特にエネフィーさんは、トドメを刺したから大幅に上昇していた。

 勇者のスキルを得ただけでなく、他にもいくつかスキルがレベルアップしていた。



[エネフィー] レベル514

〈体力〉7800/68100

〈力〉45300〈敏捷〉40500〈魔力〉48800


〈スキル〉

(騎士の剣術〈レベル9〉)(身体強化〈極〉)

(指揮)(瞑想)(勇者の資格〈2/7〉)



 これが今のエネフィーさんのレベルだ。

 格上の敵にトドメを刺したため、一気に300以上上がっていた。

 この場にアイラ姉とシノブがいれば、もっと上がっていただろうな。


 まあ、それでも相当なレベルアップだ。

 リイネさんのレベルを追い越してしまったな。


「私が············幻影とはいえ、魔王を······この手で······」


 エネフィーさんが息を切らして、膝をついた。

 大幅にレベルアップした反動だろう。〈体力〉は回復していなかった。


 それにしても、まさかエネフィーさんが勇者になるとはな。正確には勇者()()か。

 聖女と同じく勇者になるためのスキルだったか。



(勇者の資格〈2/7〉)

勇者になる資格を持つ証。

勇者に相応しい行為を7回以上行うことで正式な勇者へと覚醒する。

全ステータス大幅アップ。

特殊属性魔法習得。

危機に陥ると全ステータスがさらに極限上昇。



 凄まじい効果だな。

 勇者の()()でこれなら、本物の勇者になったらどうなるのだろうか?

 しかし、勇者に相応しい行為ってどんなことだ? 表現が曖昧でよくわからないな。



「――――――敵対反応、完全消失を確認。周囲に新たな脅威はありません」


 サフィルスが全身の刃物を収めた。

 オレの探知魔法にも、もう反応はないし、これで終わりみたいだな。


 そういや、守護者を倒したのにダンジョンコアが出てこないな。

 それに別の迷宮の守護者であるエンジェに勝った時には(神眼)のスキルを手に入れたが、今回は新たなスキルを得ることもない。




 もしかしてまだ何かあるのかと思ったが、それは杞憂に終わり、周囲が光に包まれ、オレ達は迷宮から脱出できた。




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