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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
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343 書物の迷宮〈5階層〉

 本の姿をした魔物の群れを倒した。

 オレとサフィルスは変動ないが、今の戦いでエネフィーさんのレベルが87に上がっていた。

 アイラ姉とシノブがこの場にいないので、オレの(獲得経験値10倍)スキルの効果しかなく、少しばかし効率が悪いが、順調に強くなっている。


 この迷宮に出現するのは、今までにない無機物タイプの魔物だが、特に問題なく進めそうだ。



「私に気を遣わずに進んでくださいませ。今の私は絶好調ですので、心配無用ですわよ」


 エネフィーさんに合わせて進んでいたのだが、そのことを指摘されてしまった。

 なるべく怪我をさせないように気を遣っていたけど、余計なお世話だったかな。


 まあ、エネフィーさんの戦闘技術は高いし、多少格上の魔物が現れても倒せそうだしな。

 少し攻略ペースを上げることにした。




 そうして2階層、3階層と順調に進んでいった。

 出てくる魔物は、ほとんどが魔導書タイプの奴ばかりだが、たまに迷宮特有のゴブリンなども出現した。

 大した魔物でもないので、問題なく蹴散らせているが。


 エネフィーさんも活躍しているが、サフィルスは戦闘用殺戮人形(キラードール)と呼ばれているだけあって、圧倒的戦闘力での無双状態で魔物を倒していた。

 敵だと恐ろしいが、味方だと本当に頼もしいな。



「――――――殲滅完了しました。周囲に敵対反応はありません」


 サフィルスの言う通り、魔物の反応はなくなった。時間が経てば、また現れるだろうけど、今は警戒を解いて良さそうだ。


 相変わらずの無表情だが、褒めて欲しいと言いたそうな雰囲気に見えたので、オレはサフィルスの頭を撫でた。

 ちょっと表情が緩んだような気がした。

 こうしていると普通に可愛い女の子にしか見えないな。


「······アイラさんがレイさんのことを、天然のたらしだと言っていましたけど、こういうことなのですわね」


 それを見ていたエネフィーさんに、何故かそう言われてしまった。

 アイラ姉、エネフィーさんにどんな話をしているんだ?






 迷宮も5階層まで進んできた。

 ここまでは大して時間もかからずに、順調に来れたな。エネフィーさんのレベルも98になっていて、そろそろ100を超えそうだ。


 5階層は大部屋のフロアだ。

 今までの経験から、こういうフロアはボスが出てきそうだな。

 そう思って警戒していると案の定、部屋の中心に1冊の本が現れた。


 これまで倒してきた魔導書タイプの魔物と変わらないと思っていたら、ページが開いて魔物が召喚された。

 てっきり魔法を撃ってくるかと思ってたんだが、本の中から飛び出すように、魔物が姿を現した。



[ラージバジリスク] レベル150

〈体力〉23000/23000

〈力〉1950〈敏捷〉3050〈魔力〉2600


〈スキル〉

(石化の瞳)(猛毒)(麻痺)(身体強化〈小〉)

(状態異常耐性〈中〉)



 出てきたのは巨大な蛇の魔物だ。

 レベルは150とそこそこ高く、状態異常攻撃持ちだ。普通なら厄介な相手だったかもしれないが。


「――――――対象を排除します」


 サフィルスが一瞬にして、魔物を切り刻んだ。

 蛇の魔物が輪切りになって倒された。

 まあ、この程度の魔物じゃサフィルスの相手にもならないよな。



 だが、これで終わりではなく、最初に現れた本はまだ残っていて、新たに魔物を召喚してきた。

 今、倒した巨大蛇の魔物の同個体や、同じくらいの巨体の馬のような魔物など、複数同時に現れてきた。


 レベルは120〜150くらいでそこまで脅威じゃないが、あの本をなんとかしないと無限湧きの可能性があるな。

 オレとサフィルスは手分けして魔物を排除する。



「グオアアアッ!!!」

「きゃっ······!?」


 エネフィーさんに向かって馬の魔物が突進してきた。巨体の割に動きが早く、あの体勢じゃエネフィーさんは避けられない。


「――――――対象の守護を実行します」


 サフィルスがエネフィーさんの前に立ち、魔物の突進を受け止めた。

 守ってあげてと言ったのを、ちゃんと聞いてくれているみたいだ。


 サフィルスが反撃に無数の斬撃を飛ばし、魔物を切り刻んだ。

 オレも巨大蛇の魔物を魔剣で両断して、召喚された魔物を一通り倒した。



 再び本のページがパラパラめくられて、新たな魔物が飛び出して来ようとしている。


「そうはさせませんわっ!!」


 エネフィーさんが素早く動き、魔物が召喚される前に自身の剣を本に突き刺した。



――――――――――!!!



 その瞬間、本からまばゆい光が放たれた。

 魔物の攻撃かと思って、オレは慌ててエネフィーに駆け寄った。



〝資格ある者よ。汝に祝福を与えん〟



 そんな声が聞こえてきたと同時に、本はエネフィーさんの身体に吸い込まれるように消えてしまった。

 なんだ? 何が起きたんだ?



 奥の方にあった扉が開いて、下に続く道ができた。

 どうやら今ので、このフロアはクリアしたことになったみたいだが······。




 エネフィーさんの身に何か起きないか心配だな。




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