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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
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閑話⑬ 6 サキュバスVS仮面の男(※)

※(注)引き続き変態男が登場しています。

(リーフィside)


 私の身体がサキュバスに乗っ取られ、どうしようもなくなった状況で、例の仮面の人が現れたのですよ。

 どうして仮面の人、ここにいるのですかね?


「正義の仮面殿」

「シノブ嬢は、そちらの二人を手当てしてあげなさい。魔力を失い、相当に消耗しているようです」

「了解でござる、正義の仮面殿!」


 仮面の人の指示を受けて、シノっちはリナっちとリアちゃんを離れた場所まで運び、薬で手当てをしたのですよ。

 ずいぶん素直に仮面の人の言葉に従うんですね、シノっち。

 まあ、最善の行動だと思うのですけど。



「さあ、おとなしくリーフィ嬢の身体から出ていきなさい」


 仮面の人がビシッと(サキュバス)を指差したのですよ。


「な、なんなのこの男······。というかアタシに()()()()()を触らせるのよ! 男のなんて······気持ち悪い!」


 さっき触れちゃった、仮面の人の()()のことですね。私も感覚は普通にありますから、まだ手に感触が残っているのがわかるのですよ。

 このサキュバス、男性嫌いだからか男に慣れていないみたいなのですよ。(もちろん私も慣れていませんよ)


「リーフィ嬢を解放するつもりがないのなら、私のお仕置きで無理にでも追い出しましょうか」


 仮面の人がそう言いました。

 あの、身体は動かせないし声もうまく出せませんけど、私の意識はしっかりあるのですよ?

 サキュバスにお仕置きするというのは、つまり私に······。

 ()()()心の準備が出来ていませんでしたけど、今も出来ていませんよ!?


「男なら容赦しないわよ。幸いリーフィ(この子)、ずいぶん高い魔力を秘めているみたいだし、返り討ちにしてあげるわ!」


 サキュバスは私の身体を使って、魔法を放ったのですよ。放ったのは「炎」の上級魔法で、サキュバスの力が上乗せされているのか、私自身が撃つよりも威力が高そうなのですよ。


「その程度の魔法、私には効きませんよ」


 仮面の人は簡単に「炎」を相殺したのですよ。

 それも周囲には燃え移らないようにして。

 やっぱりこの仮面の人、とんでもない実力なのですよ。


「な、なんて奴なの······だったら」

「させませんよ」


 仮面の人が一瞬で距離を詰め、(サキュバス)の両手を掴み、魔法を撃つのを阻止したのですよ。

 全然見えなかったのですよ。

 なんという素早さ······。


「は、放しなさい! 男がアタシに触れないで、気持ち悪い!」

「ほう、もしや男嫌いですかな? ならば私のお仕置きで男の魅力を教えてあげましょう」


 そう言うと仮面の人は(サキュバス)の顔を両手で掴み、強引に()()()の前に固定しました。

 仮面の人の()()が目の前にあり、顔に当たるか当たらないかギリギリの位置なのですよ。


「な、な、何するつもりなのよ!!? や、やめなさい······おぞましい!」


 サキュバスは必死に抵抗しますが、仮面の人の力が強すぎてまったく動けないのですよ。

 サキュバスは私の身体に憑依しているので、当然サキュバスと私の目線は同じなのですよ?


 それ以上近付かれると、私もサキュバスと同じ目に合わされるということで······。

 そして仮面の人はゆっくりと()()()()を近付けて······。


「ひぃぃっ!!? やめなさいっ、いやあああっ!!!」


 ()()()()()()顔に触れる寸前のところで、サキュバスが私の身体から抜け出したのですよ。

 そのおかげで仮面の人も動きを止め、()()が私の顔に触れずに済んだのですよ。

 ホッとしたような、ちょっと残念なような············いやいや、何を考えてるのですかね、私は!?



 私の身体から抜け出したサキュバスが、今度はリナっちの身体に入り込むのが見えたのですよ。











(リーアside)


 魔法陣から召喚されたサキュバスが、リーフィさんの身体に憑依してしまいました。

 身体はリーフィさんの物のため、シノブさんも迂闊に手を出せなくなっています。



 そんな時、わたし達が散々捜し回っていた仮面の人物が現れました。

 リーフィさんの描いた絵を見て、どういう人物かは知っていたつもりでしたけど、実物はより刺激的な格好に思えますわね······。

 どうしてこの方、このような格好をしているのでしょうか?


「大丈夫でござるか、リーナ殿、リーア殿?」


 シノブさんが、わたしとお姉様に薬を差し出してきました。これは魔力回復用ポーション?

 かなりの高級品のはずですけど、シノブさんは構わず飲むように言います。

 それによって、わたしとお姉様の体調はすっかり回復しました。


「ここは正義の仮面殿に任せておけば、心配いらないと思うでござるよ」

「シノブちゃんは、あの仮面の人のこと知ってたの?」

「え〜と······以前に何度か顔を合わせたことがあるでござるから」


 お姉様の疑問に、シノブさんはそう答えました。

 シノブさんは、あの仮面の人物と顔見知りだったみたいですわね。




 シノブさんの言う通り、リーフィさんの身体を操るサキュバスを仮面の人物は圧倒しています。

 噂通り、いえ、噂以上の実力者ですわね。


 あのサキュバスは男性が嫌いなようで、仮面の人物に迫られて、酷く怯えていますわ。

 まあ男性嫌いでなくても、あんな裸同然の格好で迫られたら、恐怖を感じそうですけど。


「は、放しなさい! 男がアタシに触れないで、気持ち悪い!」

「ほう、もしや男嫌いですかな? ならば私のお仕置きで男の魅力を教えてあげましょう」


 仮面の人物はリーフィさん(サキュバス)を追い詰めたかと思うと、何を思ったのか、そのまま両手で顔を掴み、自身の下半身の目の前に固定しました。

 な、何をするつもりなのでしょうか?


「リ、リーアは見ちゃダメだよっ!」


 お姉様が私の両目を塞ぎました。

 そのせいでリーフィさん(サキュバス)の悲鳴が聞こえるだけで何も見えません。

 何が起きているのか、ものすごく気になるのですけど。



「ああっ!? サキュバスがリーフィ殿の身体から抜け出たでござる!」


 シノブさんのそんな声が聞こえました。

 それと同時にお姉様の手が離れ、わたしの視界が開きました。


「今度はあなたの身体を借りるわよっ!」

「え······わわっ!? ちょっ······」


 なりふり構っていられない様子のサキュバスが、お姉様の身体に入り込むのが見えました。



 どうやらリーフィさんから抜け出たサキュバスが、今度はお姉様に憑依してしまったようです。





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