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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
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閑話⑬ 2 仮面の男の捜索開始

(リーナside)


 レイさんとシノブちゃんにも、協力をお願いしたら少し戸惑っていたけど了承してくれた。

 まあ、いきなりだったし戸惑うのは仕方無いよね。

 そうしてレイさんとシノブちゃん、あたしとリーア、そしてリーフィさんの五人で、例の仮面の人の捜索を開始することにした。


「通常の魔道具ですと、なんの情報もない人物を捜すのはほぼ不可能ですわ」


 リーアが言う。

 人捜しの魔道具は、捜したい人の手掛かりとなる物が必要になる。

 その人がいつも身につけている物だったり、髪の毛とかでもいいんだけど。


 でも、問題の仮面の人の手掛かりになるような物なんて、あたし達は持っていない。


「ですが心配は無用です。新しく開発中の魔道具に人捜し用の改良型もありましたから。これは捜したい人物の似顔絵などがあれば捜索可能ですわ。············まだ開発中の試作品ですけど」


 リーアが作ってる魔道具は、主に犯罪者を見つけるための物みたい。

 完成すれば手配書からでも、犯罪者を見つけることは可能になるとか。

 すごいけど、それまだ未完成の試作品なんだよね?


「フッフッフッ、似顔絵は任せてなのですよ! 報道部の情報誌作りでよく描いていますから、自信あるのですよ! 手配書のより上手く描いてみせるのですよ」


 リーフィさんが紙とペンを取り出して、すごい速さで絵を描いている。

 報道部に所属してるって言ってたし、いつも持ち歩いてるのかな。

 リーフィさんは、あっという間に仮面の人の絵を描き上げた。



「さ、さすが報道部所属のリーフィ殿······。すごくリアルでござるな」


 シノブちゃんが出来上がった絵を見て、ちょっと頬を染めている。

 うん、本当にすごくよく描けてる。

 紙には仮面の人の全身像が描かれていた。

 うわぁ······筋肉とかまで、すごい表現出来てる。


「······例の仮面の人物とはこのような姿をしているのですか? 正義の味方というより、悪の怪人に見えますけど······」


 リーアも頬を染めながらリーフィさんが描いた絵を見ていた。

 顔は黒いマスクで隠してるのに、身体は下着一枚しか身につけていない裸の格好だもんね。


「リーフィさん、絵上手いね······。けど、その······男の人の身体とか、よくここまでリアルに描けるね?」


 見てて、あたしまで恥ずかしくなってきたよ。

 上半身もリアルだけど、()()()もすごく丁寧に描かれているよ。············その、()()()()()()()とか。


「まあ、その······仮面の男の身体を近くで見たことがあるのですよ。下の方なんかは見たどころじゃないですし······」


 リーフィさんが、しどろもどろに答えた。

 何かを思い出したのか、顔を真っ赤にしながらブンブン左右に振っている。

 仮面の人と何かあったのかな?



「えっと、それでこの絵を使ってどうやって捜すの?」


 レイさんが気まずそうに言った。

 そ、そうだよね。

 こんな話題、男の人でも恥ずかしくて気まずくなるよね。


「こうして拡げた状態で魔道具の中にセットしまして······レイさん、魔力を流してもらえますか? この魔道具を起動させるには膨大な魔力が必要なんです」

「あ、ああ······わかった。こんな感じでいいのかな?」


 リーアに言われた通りに、レイさんが魔道具に魔力を流し込む。

 起動したみたい。

 改めてレイさん、すごい魔力だよね。

 その魔道具、起動させるには優秀な魔導師5〜6人分の魔力が必要なのに。


「ありがとうございます、レイさん。さっそく反応があったようなので現場に向かいましょう」


 リーアの持つ魔道具に簡単な町の地図が浮き上がり、ポツンと点が示されていた。

 当たり前だけど、示された点は店の外の位置にあるね。


「なあ、リーア。それってアテになるの?」

「まだ実験段階の試作品ですのでなんとも······。とにかく示された場所へ向かってみましょう」


 レイさんの疑問にリーアは曖昧に答えた。

 あたしもアテにしていいのか疑わしいんだけど。


 魔道具を持つリーアを先頭に、あたし達は店を出て示された場所へ向かっていく。

 そうして町の大通りにたどり着いた。

 こんな目立つ場所に問題の仮面の人がいるの?



 そろそろ日が暮れる時間になるけど、大通りには結構な人が集まっていた。

 何か騒ぎが起きてる?


 騒ぎの中心にはピエロの仮面をつけて、派手な服装をした人が色々なパフォーマンスをして、周りの人達を盛り上がらせていた。

 あれって仮面をつけてるけど······。


「大道芸人の方みたいですわね。魔道具はどうやらあの方に反応しているようですわ」

「え? じゃあ、あの人が例の仮面の人ってことなの?」


 服を着て、ピエロの仮面をつけてるだけで全然イメージが違うんだけど、リーアの魔道具が示してるんだから、そうなのかな?


「違うと思うのですよ? 例の仮面の男はもっとガッチリした身体付きだったのです。あの人は服の上からでも細身の方だとわかるのですよ。体格が違いすぎるのです」


 と思ってたらリーフィさんが否定した。

 まあ、あたしもおかしいと思ったんだけどね。


「··················」


 リーアが魔道具を見て何か考え込んでる。


「······さて、試運転はこれくらいにして、本格的な捜索に乗り出しましょう。レイさん、もう一度魔力を送り込んでもらえますか?」


 あ、誤魔化したね。

 やっぱりまだ試作品だから、ちゃんと機能してないみたいだね。

 レイさん、シノブちゃん、リーフィさんが苦笑いしてる。



 改めて魔道具を起動させたけど、それで本当に例の仮面の人を見つけられるのかな?





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― 新着の感想 ―
[気になる点] 絵から探す魔道具はちょっと強引すぎる気がする インクで平面に描かれた図形の意味を認識してるって最早神託レベルの性能だよね
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