表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
433/736

330 初期メンバーで迷宮攻略開始

 それから数日が経った。

 聖女アルケミアやリイネさん達は魔王軍の襲撃を警戒しつつ、フレンリーズ王国の復興を手伝っている。


 エネフィーさんはアイラ姉に、他の兵士達と共に鍛えあげられていた。

 本人の希望だったので、エネフィーさんや兵士達は喜々としてアイラ姉の訓練を受けていた。


 おかげで、ほんの数日でエネフィーさんのレベルは70を超えていた。

 一時は国が滅亡する寸前まで追い込まれていただけ、にエネフィーさん達の気合いの入り方は相当なものだった。

 もう少し鍛えれば魔王軍幹部ギュランくらいなら、一対一で戦っても勝てるようになりそうだな。




 オレはフレンリーズ王国と幻獣人族の里を行ったり来たりしながら、両方の作業を手伝ったりしていた。

 この数日でどちらも復興が進み、落ち着いてきている。



 ちなみに、あれからギュランが尋問できるくらいには意識が回復したので、エネフィーさんやリイネさんと一緒に地下牢に様子を見に行ったりもした。

 エネフィーさんには強気に出ていたが、リイネさんを見ると表情を引きつらせていた。

 あれだけ一方的にボコボコにされたので、相当に苦手意識ができたようだ。


 あの蒼髪の少女について質問すると······。


「はっ、そうだぜ。俺様にはトゥーレミシア様よりお借りした殺戮兵器がある。使うつもりはなかったが、アレは俺様でも手に負えないくらいの力を秘めているぜ。俺様が命令を下せば、この国の人間なんてあっという間に皆殺しに出来るんだぜ?」


 などと得意気に言い出した。

 手に負えないとか言ってるくせに、命令は出来るのかよ。まあ本当のことだろうけどな。


 おそらくトゥーレミシアって奴に、一時的に命令権を与えられているのだろう。

 そしてあの少女はレベル900もあったし、この国の人間を皆殺しにする力は、確かにあるだろう。



「そいつは残念だったな。あの蒼髪の少女なら、とっくに逃げ帰ったという話だぞ?」

「なっ······う、ウソつくんじゃねえよ!? あの人形は魔人族の精鋭部隊を、たった一体で壊滅させられる力があるんだぞ! いくらてめぇが強くても、勝てる相手じゃねえよ!」


 しれっと言うリイネさんに、ギュランは慌てて言葉を返す。やはりあの蒼髪の少女は、魔王軍の中でも相当に強い方らしいな。


「確かに、わたしでも太刀打ち出来ない強さだったな。だが、突如現れた男によって簡単に追い払われたらしいぞ? 貴様らの拠点から連行してきた魔人に、事情を聞いていないのか? 暴走して手がつけられなかったが、今もこうして何事もないのが、わたしの話が真実だという証拠だろう」


 リイネさんが()()()のことは曖昧にしながら言う。ギュランは信じられないといった表情で、ワナワナ震えている。


「それよりも、貴様らがここフレンリーズ王国に攻め込んできた目的、それと今言っていたトゥーレミシアという奴についてなど、聞きたいことがたくさんある。すべて話してもらおうか?」


 その後はリイネさん、エネフィーさん、そしてアイラ姉が加わって、ギュランと他の魔人族達に色々と尋問する流れとなった。

 特にアイラ姉の尋問は容赦ないからな。

 おそらくは知っている限りの情報は、これで引き出せるだろう。


 尋問はアイラ姉達に任せて、オレは途中で抜け出した。ギュラン達に尋問しようとする三人を見て、オレまで背筋が凍りそうな感じがしたのは、気のせいだと思いたい。












 ここ数日の出来事はそんな感じだ。

 もう何日かしたら状況も完全に落ち着き、エネフィーさん達から異世界の情報を聞くことも出来るだろう。

 その時は、オレ達が異世界人だと話すつもりだ。


 こちらの情報を隠したまま、向こうから情報を得るのは難しいだろうからな。

 アイラ姉とも相談して決めたので、その方向で話を進めるつもりだ。





 さて、今後のことを考えるのはこれくらいにしておくとして、今日のこれからの予定だ。

 今、オレは幻獣人族の里の神樹の前まで来ている。オレだけではなくアイラ姉とシノブもいる。

 今日は三人で神樹の迷宮の攻略に入る予定だ。

 ゲンライさんやフウゲツさんの許可は、すでに取ってある。


 オレとアイラ姉とシノブ。

 三人だけで行動するのも久しぶりだ。



「今日はお前達のレベルアップが目的だ。迷宮(ここ)ならば、手応えのある敵も多いだろう」


 迷宮攻略を目指しつつ、オレとシノブはレベルアップして(超越者)スキルを得るのが目標だ。

 迷宮内の魔物は外で出現する奴よりも強いし、三人で行動すれば獲得経験値2000倍状態になる。

 今日中に得ることも可能かもしれない。


「つい先日、190階層まで到達したでござるから、拙者の転移魔法でそこまで行けるでござるよ」


 シノブが言う。

 神樹の迷宮は全300階層だから、そろそろ3分の2を攻略したことになるのか。

 区切りの良い200階層に、特別な魔物とか居そうだな。


 まあ、居たとしても全ステータス100万を超えているアイラ姉に敵うような奴とは思えないけど。

 オレやシノブのステータスだって、決して低くはない。その気になったら、今日中に全階層制覇も可能かもな。




 さっそくシノブが転移魔法を使い、オレ達は神樹の迷宮190階層まで移動した。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ