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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
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326 エイミとミールの夜這い?

 あれからレニーに魔人族について色々聞いてみたが、あまり詳しくは聞き出せなかった。

 下っ端だからなのか、重要な情報は聞かされていないみたいだし、仕方無いかな。


 とりあえずは魔王軍の幹部は、全部で7人いるらしいということがわかった。

 ギュランはその中でも実力はそこそこだが、頭が弱いタイプだそうだ。

 まあ、確かに脳筋タイプって感じの奴だったからな。


「え〜と······すみません。幹部の方々と話す機会なんて、下っ端の自分にはないものですから、あんまり詳しくは······」


 レニーが怯えた口調で頭を下げた。

 なんだかこっちが悪者みたいだ。


「じゃあ神将ってやつについては知ってるかな?」


 オレはなるべく優しい口調を意識して、レニーに問いかけた。

 神将は魔王以上の存在らしいし、少しでも情報は欲しい。


「す、すすす、すみません! 神将様については他種族には話してはいけないタブーなんですよ! そ、それに話せたとしても、自分は詳しくは······」


 話してはいけない?

 まあ、他種族に情報を漏らさないようにするのは、別におかしいことじゃないか。


「け、けど······メリッサさんなら少しは話してくれるかもしれません。メリッサさんはトゥーレミシア様が作り出した人形(ドール)ですから、そういう()()は受けていないでしょうし」


 え、メリッサって人形なの?

 あの殺戮人形(キラードール)と表示されてた蒼髪の少女(サフィルス)とかと違って表情豊かで、とても人形には見えないんだけど。

 まあ、それを言ったらゴーレムやスライムとはとても思えないメイドさん達もいるし、今更かな?



「あのメリッサという少女は、シノブとスミレと仲が良さそうだったし、詳しい話は二人に聞き出させればいいのではないか?」


 アイラ姉が言う。まあ、それもそうかな。

 バルフィーユがいつ迎えに来るかわからないけど、しばらくはレニーとメリッサは幻獣人族の里(ここ)にいることになるんだし、一気に聞き出すこともないか。

 正直、情報が多すぎても混乱するだけだし。







 その後の話し合いの結果、レニーとメリッサは監視のもとで幻獣人族の里に住むこととなった。

 里を荒らしたのはバルフィーユで、この二人は直接的な関係はないからな。

 フウゲツさん達も、あまり理不尽な処罰はしないことにしたようだ。



 エイミとミールも少し落ち込んだ様子だったけど、父親が魔人族だという事実を知っても態度を変えないオレ達の反応を見て、だんだんと元気を取り戻していた。




 フレンリーズ王国(あっち)幻獣人族の里(こっち)で色々ありすぎて、さすがに疲れた。

 今日のところは幻獣人族の里で休んで、明日フレンリーズ王国にアイラ姉と一緒に顔を出すことにしよう。


 あっちの魔王軍関連の後始末は、リイネさん達に任せておけば大丈夫だろう。

 正直、オレがいてもあまり役に立たないだろうし。



 話し合いも今日のところはそれで終えて、解散となった。







 その日の夜。

 長の屋敷で割り当てられた自室で、そろそろ就寝しようかとしていた時にミールが訪ねてきた。


「レイさん、今日は一緒に寝てもらえますか?」

「え······!?」


 ミールの突然の言葉に、オレは変な声をあげてしまった。


「そんなに驚かなくても、学生寮では普通だったじゃないですか」


 ああ······一緒にって、同じ部屋で寝ていいかってことか。

 普段無表情なミールが顔を赤らめてモジモジしながら言うものだから、()()()()かと思っちゃったよ。


()()()()だとしても、ワタシはいつでも歓迎しますよ?」


 どうやら考えていたことを見透かされてしまったようだ。冗談っぽく言うミールを見て、少し冷静になれた。


「けど、エイミは?」

「一緒に来ていますよ。ほら姉さん、今更何を恥ずかしがってるんですか」

「う、うん······」


 ミールの後ろからエイミも顔を出した。

 ミール以上に顔を真っ赤にしている。

 え〜と、本当にただ一緒に寝に来ただけなのかな?


「ご、ごめんね、レイ君。お父さんとお母さんのことを思い出して、二人きりだと不安になっちゃって······」


 エイミが少し震えながら言う。

 やっぱり過去のトラウマってのは、そう簡単には癒えないものだよな······。


「それはいいんだけど、オレの所でよかったの?」


 誰かと一緒に居たいんだったら、ミウやキリシェさん、アイラ姉だっていると思うけど。


「表現しにくいんですけど、レイさんと一緒だと落ち着けるんです。他の方だと······ここまで安らげるかちょっと」


 それはオレをそこまで信頼してくれているということかな?

 それなら嬉しいんだけど、少し気恥ずかしくも思うな······。



 二人がそれで少しでも気が晴れるなら、オレに拒む理由はないな。

 ミールの言ったように、学生寮では同じ寝室で過ごしていたし、今更慌てることもないか。


 オレに割り当てられた部屋は一人だと広いくらいだし、布団もいくつか予備があった。


「レイさんと一緒の布団でもいいですよ? むしろ同じ布団で寝たいです」

「ミ、ミール······レイ君と一緒の布団ではちょっと······」


 ミールがそんなことを言い出した。

 エイミはさすがに恥ずかしがってるけど。


「なら、姉さんはそっちで一人で寝ていてください。ワタシはレイさんと寝ますから」

「そ、そそそれならわたしだってレイ君と······!」


 なにやら言い合いが始まってしまったが、結局は()()()話し合いの結果、別々の布団で寝ることとなった。



 同じ布団で一夜を過ごしたら、オレの理性が持つか怪しかったので、とりあえずはホッとした。




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