表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
422/736

320 その頃の幻獣人族の里 〜狂魔人の襲来⑦〜

(アイラside)


 魔人バルフィーユが、新たな剣を手にした。

 見ただけで鍛冶職人のドルフ殿に打ってもらった私の魔剣ヴィオ()()()と同等か、それ以上の力を秘めているのがわかる。

 手強い魔人なだけに、持っている武器も伝説級ということか。


「いくぜっ!」

「フム、来るがいいっ!」


 私とバルフィーユの剣がぶつかり合う。

 やはり剣の強度はほぼ互角か。

 ならば単純に強い方が勝つということだ。

 私は負けるつもりはない······!



 幾度となく剣を交える。

 スキを突いて足技なども放ってきたので、私も同様に攻撃を加えた。


 強い······しかもまだ本気を出していないようだ。

 ()()()()()······!

 仕掛けるチャンスを伺っているのだろう。

 ならば、ここは私から攻めるか。


「百花繚乱······桜花無双撃!!!」


 私の()()()奥義だ。

 大抵の相手はこの動きに付いて来れずに、私の剣を受けることになる。


「よっ、ほっ······とんでもねえ動きだな。受け流すのがやっとだぜ······!」


 などと言いながらも、しっかり受け流している。

 やはりこの男、強い。

 間違い無く、以前戦った冥王を上回っている。

 これほどの強者がいるとはな。


「今度はこっちがいくぜっ! 烈空断神破(れっくうだんしんは)っ!!」


 私の剣を掻い潜り、バルフィーユが剣技を放ってきた。「風」属性を纏わせた斬撃か!?

 奴の剣は受け止めたが、刀身から吹き出た鋭い風の刃が、私の身体を切り裂いた。


「その程度で私を倒せると思うな!」


 風の刃に構わず、私の剣でバルフィーユの身体を斬り裂いた。

 寸前で後ろに跳び、ダメージを軽減したか。

 お互いに、傷は再生スキルによって治っていった。


「レイの時にも思ったが、再生スキルを持った人族なんて今まで見たことなかったぜ。本当、色々規格外だな、お前らは」


 再生スキルについては私も思うところがあるが、お前には言われたくないセリフだな。

 この男も、魔人の中では規格外なのではないか?


「フム、褒め言葉として受け取っておこうか!」

「ああ、褒めてるんだぜ! 俺をこんなにも楽しませてくれてるんだからよ!」

「ならば、まだまだ遠慮なく行かせてもらうぞ!! 弐の太刀······紅葉乱舞撃!!!」


 再び剣を交え合う。

 里を襲う敵だというのに、なかなか気持ちの良い奴だ。とてつもない実力者だが、犠牲者は今のところ出してはいないし、そこまでの悪人ではないのか?



〈(聖剣術)のスキルレベルが上限に達しました。(聖剣術)が(神聖剣術)に進化します〉



 私のステータス画面にそんな表示が出た。

 これがレイの言っていた(神聖剣術)か。

 どうやら私にも使えるようになったらしい。

 これほどの強敵を前に使わない手はない!


神聖(しんせい)霊空衝(れいくうしょう)!!!」

「ぐおおーーっ!!?」


 間髪入れずに(神聖剣術)を放った。

 バルフィーユの剣を砕き、さらに深く斬り裂いた。さすがにこのダメージはすぐには再生しないだろう。


 今の反動で、私の魔剣も刀身が砕けてしまった。

 レイも言っていたが(神聖剣術)は威力が桁違いだな。せっかくドルフ殿に打ってもらった剣だが、これでは満足に扱えそうにない。


 私はレイから受け取っていたオリハルコンを取り出し、(アイテム錬成)で魔剣を修復した。

 ドルフ殿のような職人が作るレベルの武器は、私のスキルでは作り出せない。

 だが、素材があれば修復することは可能だ。



〈レベルが上がりました。各種ステータスが上がります〉



 む? 私のレベルが上がったようだ。

 まだバルフィーユを倒したわけではないのだが、今の攻防で経験値を得ていたようだな。

 模擬戦などでもレベルアップをしていたし、不思議なことではないか。


 私のレベルは999で止まっていて、どれだけ魔物を倒しても、それ以上上がる様子はなく、それが限界かと思っていたのだが、そうではなかったようだ。



〈解放条件を満たしました。新たなスキルを獲得しました〉

〈スキルレベルが一定値以上になりました。スキル(アイテム錬成)は(真・アイテム錬成)に進化します〉



 新たなスキルも得たようだ。

 さらにスキルが進化したと、続けざまに表示された。




[アイラ] レベル1000

〈体力〉3467000/3467000

〈力〉1358000〈敏捷〉1437500〈魔力〉897000


〈スキル〉

(全状態異常無効)(真・アイテム錬成)(暴食)

(獲得経験値20倍)(同時詠唱)(強化再生)

(連携)(分身)(限界突破)

(神聖剣術〈レベル3〉)(各種言語習得)

(異世界の絆〈2/5〉)

(超越者〈NEW〉)




 ·············私のステータスに表示されている数字がおかしなことになっている。

 レベル999の時と比べて、文字通り桁違いに上がっていた。

 確かに全身から溢れ出すような力の感覚は、今までとは比べ物にならない。



(超越者)

人の身の限界を超え神の領域に足を踏み入れた証。

全ステータス極限上昇。

全属性耐性極限上昇。

――――――???――――――



 これの効果によるものか。

 一番下の ??? とはなんだ?

 まだ隠された効果があるということか?

 気になるが、今はそんなことを考えている場合ではないな。



「ク、クククッ······。その感じ、どうやらお前も()()()ようだな」


 バルフィーユが立ち上がった。

 先ほどよりも、さらに獰猛な笑みをうかべていて、明らかに今までよりも桁違いの力を発していた。


 なるほど、どうやらバルフィーユも(超越者)のスキルを持っているようだな。

 そして今まで、そのスキルを使()()()()()()()()のか。




 つまりは、ここからが本番というわけか。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ