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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
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317 変態男 VS 殺戮人形(※)

※(注)変態男が登場します。

苦手な方はご注意ください。

(エネフィーside)


 突如現れた謎の少女。

 魔王軍幹部ギュランを捜していることから、この少女も魔王軍の一員だということがわかります。



[サフィルス] (鑑定不能)



 鑑定魔法を使いましたが、名前以外は何もわかりませんでした。

 しかし、肌で感じる秘めている力は、あのギュランすらも上回っていると思われます。



 少女の攻撃によって、私とアルケミアさん以外は倒れ伏してしまいました。

 私も兵士が庇ってくれたおかげで致命傷は免れましたが、全身に傷を負いました。

 ですが、ここで怯むわけにはいきません。


「――――――邪魔者は排除します」


 立つだけで精一杯だった私に、少女はさらに刃を向けてきました。

 あの刃を受ければ命はありませんわね······。

 私は死を覚悟して目を閉じました。



 しかし、少女の刃は私には届きませんでした。

 誰かが少女の攻撃を止めて、私を助けてくれたようです。一体誰が······?



「大丈夫ですか? エネフィー王女様」

「え············ひぃっ!?」


 目を開けると、目の前には半裸の男が立っていました。いえ、半裸というより下着一枚しか身に付けておらず、ほぼ全裸ですわね······。

 思わず悲鳴をあげてしまいました。


 な、なんて恥ずかしい格好を······。

 男性の裸を見る機会なんてないものですから、つい目線が············。

 顔は黒いマスクで隠しているため、何者かわかりません。助けてもらっていなければ、この男も魔王軍の一員だと思ったことでしょう。



「怪我をされていますな、すぐに癒やしましょう。エリアヒール!」


 男から「聖」属性の光が放たれ、私の身体の傷が一瞬で癒えていきました。

 私だけでなく周囲の兵士達も回復しています。


 これは聖女のアルケミアさんすらも上回るほどの「聖」なる力······。

 な、何故この男がそのような力を!?


「さあエネフィー王女様、下がっていてください。あの少女は私がなんとか致しましょう」


 混乱して頭が上手く回りませんわ。

 こ、この正体不明の男に任せていいのでしょうか?


「聖女アルケミア殿。エネフィー王女様と周りの方々のことをお願いします」

「はい、お任せください正義の仮面様。ご武運をお祈り致しますわ♡」


 アルケミアさんは、この男を普通に受け入れていますわ。正義の仮面様?

 アルケミアさんは男の正体を知っていますの?



「――――――新たな障害出現。違う······これは先ほどの脅威? しかし脅威度が上昇している?」


 少女が男を見て、何か言っています。

 無表情ですけど、裸の男を見て動揺しているのかもしれません。


「さあ、謎の少女よ。これ以上の蛮行を許すわけにはいきません。私のお仕置きで貴女を止めさせてもらいます」


 男が少女を指差し言いました。

 黒いマスクで顔を隠し、ほとんど裸の姿をした男と小柄な少女。

 見た目だけならば、男の方が悪人に見えますわね。



「――――――ソード·フェスティバル」


 少女の翼の羽根がいくつも抜け落ち、男の周囲を旋回しています。

 そして一斉に男に向かっていきました。

 あの羽根は鋼鉄をも貫く刃······。

 防具も何も身につけていない男に、防ぐ手立ては······。


「はあっ! その程度の攻撃では私の身体は傷つけられませんよ」


 男は羽根を避けることも防ぐこともせずに、すべて受けました。

 刃の羽根は男を貫くことも刺さることもなく弾かれ、地面に落ちました。

 防具も身につけていないのに、何故?



「――――――脅威度さらに上昇。全力で排除します」


 少女の両手の爪が剣のように伸び、男に斬りかかっていきました。

 男は慌てることなく冷静に少女の両手を掴み、攻撃を止めました。

 この男、とんでもない実力者ですわね。



「ああ、さすがですわ正義の仮面様♡ 相変わらずの立派なお姿です」


 アルケミアさんが周囲の人達に治癒魔法をかけながら、男と少女の戦いを見守っています。


「あの······アルケミアさん? あの男は一体何者ですの?」


 助けてくれた方に言うことではありませんが、とても立派な姿とは思えませんわよ。


「正義の仮面様は、アルフィーネ王国の危機を救ってくれた方ですわ」


 アルケミアさんの話によると、アルフィーネ王国で現れた冥王を最後に討ち倒したのが、あの仮面の男らしいです。

 レイさん、アイラさん達でも苦戦し、劣勢に追い込まれていたところに颯爽と現れ、解決したと。


 話だけ聞きますと、確かに立派な方ですわね。

 ············格好はともかく。

 アルケミアさんも、彼の素顔は知らないみたいですわ。一体何者なのでしょうか?



――――――――――!!!!!



「――――――攻撃がすべて効果無し。ありえない······目の前の対象の存在が理解不能」


 少女の全身から繰り出される斬撃を、男はすべて防いでいました。

 防いだというより、少女の刃が男の肉体にまったく通らないだけですが。

 少女の表情に変化はありませんけど、明らかに動揺している様子ですわね。


「さあ、謎の少女よ。覚悟はよろしいかな?」


 男の言葉に、少女がビクッと反応したように見えました。これはやはり動揺しているようですわ。




「――――――最大レベルの脅威と判断。戦闘形態(バトルモーション)、最終段階に入ります」


 まだ何かするつもりのようですわね。

 少女の身体が光り、変化が起きていきました。





1話に収まりきらなかったので決着は次話に持ち越します。

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