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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第二章 始まりの町アルネージュでの出来事
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40 迷宮探索~シノブとユーリ~ (前編)

(シノブside)


「ユーリ殿っ、あぶな―――――――」


 拙者がそう叫ぶのと同時に邪気とやらが気味の悪い光を放ったでござる。





····································





 気が付くと拙者はさっきまでとは違う場所にいたでござる。ここはどこかの洞窟の中でござるか?

 それよりもユーリ殿、他の方達はどこでござるか。


「う······ん······」


 近くでユーリ殿が倒れているのが見つかったでござる。特に怪我はしてないようでござるな。

 気を失っていたようでござるがすぐに目を覚ましたでござる。


「こ、ここはどこですか!?」

「拙者にもわからぬでござるよ。あの邪気とやらが光ったと思ったらここにいたでござる」

「邪気が······ま、まさか迷宮化!?」

()()()()()()とは何でござるか?」


 拙者が問うとユーリ殿が説明してくれたでござる。

 ユーリ殿の話では邪気は魔物を生み出すだけでなく、このように迷宮を作り出してしまうこともあると。

 不可思議な話でござるな。


 迷宮から脱出するには出口を探すか、最奥にいる守護者とやらを倒す必要があるらしいでござる。



 アイラ殿や師匠、他の方達はどこにいるのでござろうか? そういえば拙者は探知やMAPとやらの魔法を使えたでござるな。

 すぐに確かめると拙者達がいる所は迷宮の地下25階層でござった。


 他の方達はもっと上の階層にいるようでござる。

 う~む、この迷宮は地下30階層までのようでござるし、下へ向かって最奥を目指した方がよさそうでござるな。

 そのことをユーリ殿に話すとすごく驚かれたでござる。


「守護者と戦う気ですか!? 守護者は下手したらレベル100を超えてることもありえるんですよ! ぼく達だけで勝てるわけないですよ!?」


 拙者もレベル100は超えてるでござるが。

 ああ、ユーリ殿には拙者のレベルは見えないんでござったな。

 う~む、どうするべきでござるか············。

 MAPとやらを見る限り上を目指すには時間がかかりすぎると思うでござるが。


「ユーリ殿はどうしたらいいと思うでござるか?」


「もちろん出口を探すべきですよ。でもここが迷宮のどの辺りかわからないですし······」


「ここは迷宮の地下25階層でござるよ。この迷宮は30階層までらしいでござるし、下を目指した方が早いでござるよ」


「なんでそんなことがわかるんですか!?」


 拙者には探知やMAPの魔法が使えるでござるから。そう言ったらユーリ殿はずいぶん驚いていたでござる。


「そんな高等魔法を······なんてデタラメな······」

「ユーリ殿は拙者が守るでござるからやはり下を目指すでござる」

「······っ、大丈夫です! 女の人に守ってもらわなくても自分の身くらい―――――」



―――――――ボコッ、ボコッ、ボコッ


 突然地面が盛り上がり何かが現れたでござる。

 出てきたのは人が溶けたような姿をしたデッドグールという魔物でござった。

 レベルは40~50。数はおよそ10体。

 ユーリ殿にはまだ危険な魔物でござるな。


「グール系の魔物!? だったらシャイン·スコール!!」


 ユーリ殿が「光」の魔法を放ったでござる。

 光のレーザーが雨のように魔物に降りそそいでいくでござる。


「グゥ······ガアアッ!!」


 そこそこダメージを与えたようでござるが倒し切れていないでござる。

 怒ったデッドグールがユーリ殿に襲いかかったでござる。


「うわああっ!?」

「やらせないでござるよ!」


 拙者のオリハルコンの小太刀で魔物達を斬り裂いたでござる。

 しかしこの魔物、頭や体を斬っただけでは死なないようでござる。

 ならば拙者もユーリ殿に習って「光」魔法を使うでござる。


「リュートシャイニング!! でござる」


 まばゆい光がデッドグール達を照らして消滅させたでござる。


「ひ、「光」の上級魔法!? そんなものまで使えるんですか!?」


 ユーリ殿が拙者の魔法を見てまたもや驚いているでござる。おや? ユーリ殿の足下に反応が······。


「ユーリ殿! あぶないでござる!」

「えっ······うわああっ!?」


 ユーリ殿の足下から今度は巨大なミミズのような魔物が現れたでござる。

 ダンジョンワーム。レベルは57。

 かなり強い魔物でござる。


「とうっ、でござる!」


 なんとか拙者の攻撃が間に合い、ダンジョンワームを斬り裂いたでござる。



――――――ビチャッ、バチャッ!!


 魔物は倒したでござるが斬り裂いたダンジョンワームから緑色の体液が吹き出し、拙者とユーリ殿はそれをモロに被ってしまったでござる。

 毒とかはなさそうでござるがベタベタして気持ち悪いでござる。


「大丈夫でござるかユーリ殿?」

「う······ああ······」


 ユーリ殿は腰が抜けたらしく、うまく立てないようでござる。

 ん? おや、ユーリ殿もしやお漏らししてしまったでござるか?

 下の部分が魔物の体液とは違う色で濡れているでござる······これは気付かないふりをしてあげた方がいいでござるな。



 拙者は周囲に結界魔法を張り、魔物のこれ以上の侵入を防いだでござる。

 とりあえず少し休むでござる。

 服が気持ち悪いので洗浄魔法をかけるでござる。


「シ、シノブさん、何を!?」


 ユーリ殿がなにやら慌てているでござる。

 服をキレイにするために脱いだだけでござるよ?

 着たままよりも脱いだ方が魔法をかけやすいのでござる。


 そういえばユーリ殿に名前を呼ばれたのは初めてのような気がするでござるな。


「ユーリ殿も服を脱いででござる」

「え······な、なんで」

「そのままだと洗浄魔法がかけにくいでござる。さ、早く脱ぐでござる。ああ、下は全部脱がなくてもいいでござるよ」


 なかなか脱がないので少し無理やり脱がしたでござる。う~む、こうして見ると師匠と違いかなり細身でござるな。

 もう少し鍛えた方がよいのでは?

 まあそれよりも服と身体に洗浄魔法をかけてキレイにするでござる。


「······本当に何でも出来ますね······シノブさん」

「ユーリ殿は洗浄魔法は使えないでござるか?」

「ぼくは攻撃魔法ばかりで生活魔法は苦手です······」


 ふむ、そうだったんでござるか。

 魔法は得意だと思ってたんでござるが。


「シノブさんは怖くないんですか? ······こんな迷宮の奥地に迷い込んでしまったのに」

「拙者は······それなりに平気でござるがユーリ殿は怖いのでござるか?」

「······そりゃ怖いですよ。こんな事態予想外ですし」


 おや、てっきり怖くないと言うかと思ってたんでござるが、どうやら相当に落ち込んでいるようでござるな。

 この後はどうするでござるかな。


 ユーリ殿がこの調子では先に進むのは危険でござるか······とはいえ上へ向かうにしても先は長いでござるし、どうするべきでござるか。


 ············そういえば師匠はリン殿に()()とやらを与えて強くしていたでござるな。

 拙者も加護とやらを与えられたらユーリ殿を強くできるのでござるが······。

 試してみるでござるか?



 確か()()()()()()とやらをするのでござったな。

 やり方は師匠の本を見たことあるので、なんとなくわかるでござる。


「ユーリ殿、やっぱり下も全部脱ぐでござる」

「え?」

「脱・ぐ・で・ご・ざ・る・よ!」

「え、ちょ······うわああっ!?」


 え~と······この後どうするんでござったか?

 とにかく記憶を頼りに色々試すでござる。




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