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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
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304 リイネVSギュラン

 魔物の群れを蹴散らしていたら、魔王軍幹部ギュランが現れた。

 リイネさんはギュランと一騎討ちするつもりだ。


 周囲を取り囲む魔物や魔人族達は、今のところ手出しするつもりはないみたいだな。

 なら、オレとグレンダさんも様子見だ。


「本当に一人で俺様に挑む気かぁ? 後ろのお仲間に頼ってもいいんだぜ」


 ギュランが両腕を前に構えると、爪が伸びて鋭利な刃物のようになった。

 見た目はなかなかに迫力があるな。


「お前こそ、周りの部下や魔物をけしかけて来てもいいんだぞ?」


 リイネさんは、まったく恐れている様子はなく、不敵な笑みでギュランを挑発している。

 この人、本当に王女様なんだろうかと思ってしまう。


「レイ、いつでも動けるようにしておけ。万が一の時は、すぐにでもリイネ様を援護するぞ」


 グレンダさんが小声でそう言ってきた。

 もちろん、そのつもりだ。

 いざとなったら転移魔法で、この場からの離脱も考えている。


「ギャハハハッ! いいねえ、お前みたいな威勢のいい王女がこの国にもいたが、最近は俺様を恐れるばかりで退屈してたんだよ。お前もすぐに、俺様の恐ろしさを覚えさせてやるぜ」


 それってエネフィーさんのことかな?

 魔王軍幹部ギュランに対して恐れを抱いていたし、エネフィーさんはコイツと何度か戦ったことがあるみたいだな。


「御託はもういい、かかってこい」


 リイネさんが武器を構えた。

 まずはギュランの出方をうかがっているようだ。



「オラァァーーッ!!!」


 ギュランが両手の爪を突き出し、リイネさんに襲いかかった。

 リイネさんは素早く横に避けて、反撃の突きを放った。


「ぐはっ!? な、なかなか素早いじゃねえか······」


 肩を貫かれて、ギュランがリイネさんから距離を取る。ギュランの肩の傷はだんだんと塞がっていく。

 それなりに再生能力は高いみたいだな。


「どうした? そういうお前は欠伸が出る動きだな。わたしを甘く見ているにしても、お粗末だぞ」

「な、なにを〜!? 少し手加減してやったら調子に乗りやがって······!」


 リイネさんがさらに挑発する。

 ギュランはわかりやすいくらいに、怒りの表情をうかべている。



 そうしてギュランが次々と攻撃を仕掛けるが、リイネさんは涼しい顔で受け流す。



[リイネ] レベル416

〈体力〉43700/43700

〈力〉29200〈敏捷〉25400〈魔力〉25700


〈スキル〉

(騎士の剣術〈レベル9〉)(身体強化〈極〉)

(指揮)(同時詠唱)(詠唱破棄)

(異世界人の加護〈小〉)



 ちなみにこれがリイネさんのステータスだ。

 レベルもステータスも、ギュランを圧倒的に上回っている。


 魔王軍幹部ってことで警戒し過ぎていただけで、たいしたことなかったのかな?

 それともギュラン(こいつ)が幹部の中でも飛び切り弱いだけなのか?



「この女······! 調子に乗るのもそこまでだっ!!」


 ギュランが一度、リイネさんから距離を取った。

 そして全身に魔力を集中させて、身体を強化、変化させている。

 どうやらこれは(魔人化)というスキルの効果のようだ。



 真の力を解放して、第二形態に変身するつもりか。

 ギュランの身体がさらに一回り大きくなり、全身も鋼鉄並の強度がありそうな、硬い皮膚に変化している。

 両手の爪も、さらに鋭利になっていた。


 さらに(咆哮)と(力強化)も使い、攻撃力を上げている。

 どうやらガチで本気になったっぽい。



「へへへっ······俺様を本気にさせたことを後悔しやがれ!」


 第二形態となったギュランが、リイネさんに襲いかかった。

 巨体になったが、動きはさっきまでよりも機敏になっている。

 だが············。


真閃疾風葬(しんせんしっぷうそう)っ!!!」

「グギャアアーーッッッッ!!?」


 リイネさんが光速の突きを次々と放ち、ギュランの身体が蜂の巣のようになった。

 (魔人化)で真の力を発揮して、ステータスが大幅に上がっていたが、それでもレベル400超えのリイネさんには及ばなかった。


「ギュ、ギュラン様······!?」

「そんなバカな!? ギュラン様がこうも一方的に······」


 周囲の魔人族が完全に狼狽えている。

 ギュランの様子を見る限り、出し惜しみをしているふうでもない。

 どうやら本当に、今のが全力だったようだな。


「こ、こんなことが······。な、何者なんだ、てめえは······!?」

「名乗っただろう? アルフィーネ王国第二王女、リイネだ」

「ただの王女がこんなに強いはず······」


 あれだけリイネさんの攻撃を受けても、まだ倒れる様子はない。

 見た目通りのタフな奴だ。




――――――――――!!!



 町の入口の門が開き、騎士達が出てきた。

 アルケミア率いる神殿騎士団、王国騎士団、それにエネフィーさんや隣国の兵士達の姿もある。


 遠見の魔道具でリイネさんの戦いを見ていて、こちらが有利だと判断したのかな?



「ホーリーブレス!!」


 アルケミアが「聖」魔法を放ち、魔物達を消滅させていく。

 魔王軍幹部のギュランが一方的にやられ、狼狽えていた魔人族達は、今のアルケミアの魔法を見て完全にパニックに陥っている。



 これはもう勝負ありかな?





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