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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
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299 その頃の迷宮攻略組③

(ミールside)


 冒険者ギルドで、何やら騒動が起きているようです。入口の扉を吹き飛ばして出てきた男性は気を失っています。

 命に別状はなさそうですが。


「な、何があったのかな······!?」

「ケンカですかねー?」


 姉さんとミウネーレさんが建物の中を覗き込みます。ケンカにしては派手すぎます。

 扉の壊れ具合を見る限り、相当な力で吹き飛ばされています。


 何が起きているかわからないので、ワタシ達は慎重に冒険者ギルドの建物に入ります。



――――――――――!!!


 建物の中では、激しい戦闘が繰り広げられていました。


「おとなしく観念するですです!」

「ディリー、あなたは後ろから攻めなさい!」


 あれはディリーさんとアトリさんですね。

 二人が相手をしているのは小さな女の子です。

 その周囲には冒険者達が倒れ伏しています。

 死んではいないようですが、何があったのでしょうか?

 ギルドの職員の方達は、巻き込まれないように遠目から戦いを見ています。



「にししっ、おねーさん達強いね! 周りのおっちゃん達は一発で気絶しちゃったのに」


 女の子は自分よりも一回り大きいハンマーを武器に戦っています。

 小柄な見た目とは裏腹に、ものすごい力です。


「スキあり! ですです!」


 後ろから女の子に攻撃を仕掛けたディリーさんでしたが、簡単に防がれてしまいました。

 ちなみにディリーさんの武器は、アダマンタイトの剣という少々ゴツい物です。


 遺跡の迷宮でレイさんが手に入れた物をディリーさんに渡したそうです。

 というより、もともとはディリーさんの物でしたが。


 アトリさんの武器は、シノブさんが使っているような小太刀です。

 オリハルコンではなく、ミスリル製ですが。


 そういうわけで、ディリーさんとアトリさんの武器はオリハルコン製には劣りますが、充分強力です。

 その上、二人ともかなりの高レベルで、並の冒険者などでは相手にもならない実力者なのですが。



 そんな二人を相手に、小さな女の子は余裕で迎え撃っています。

 鑑定魔法でステータスを確認してみますか。

 おや? 妨害魔法の効果で表示されません。



[メリッサ] レベル459

〈体力〉512000/512000

〈力〉41000〈敏捷〉49500〈魔力〉44400


〈スキル〉

(魔神の加護〈小〉)(身体強化〈極〉)

(神将の祝福)(擬人化)(自己再生)

(防御貫通)(――――――)



 一度鑑定を弾かれましたが(神眼)を使って、表示を開きました。


 見た目とは裏腹にこの女の子、とんでもなく強いです。ディリーさんとアトリさんは、今ではレベル200を超える実力がありますが、女の子はその倍近いレベルです。


 スキルも見たことないものがいくつかある上に、一つだけ(神眼)でも見えないのがあります。



「これで終わりです! アシッドスコール!!」


 アトリさんが(強酸)スキルで女の子に向けて、滝のような雨を降らせました。

 アトリさんの(強酸)はかなり強力で、触れればワタシでも強い痛みを感じるほどです。


「残念! アチシにそんなの効かないよ!」


 女の子は片手で魔法障壁を張り、強酸の雨を防ぎました。そしてもう片方の手で巨大なハンマーを振り回し、二人を弾き飛ばしました。


「まだまだ······ディリーは負けないですです!」

「無様を晒してはマスター様に顔向けできません!」


 お二人はすぐに立ち上がりましたが、ダメージが大きそうです。

 (耐性)スキルと(自己再生)を持っていても、回復が追い付いていないみたいです。



 それにしても、女の子の名前はメリッサと表示されていますね。

 もしかしなくても、レニーさんが捜している女の子というのは······。


「メリッサさん! 何やってるんですかっ!」


 レニーさんが女の子、メリッサに向かって怒鳴りました。メリッサがこちらに目を向けます。

 やはり捜していた女の子とは、この子のことなんですね。


「あ、レニー! どこ行ってたの? アチシ捜したんだよ」

「それはこっちのセリフですよ! こんな大暴れしてたら、バルフィーユさんに怒られますよ!」


 こうして言い合いをしているのは、どこにでもいるような兄妹? 姉妹? に見えますね。

 しかし、このメリッサという女の子、レベル400を超えているなんて普通ではありません。

 もしかしてレニーさんも······?



[レニー] レベル608

〈体力〉729000/729000

〈力〉60900〈敏捷〉59900〈魔力〉52300


〈スキル〉

(狂魔人の加護〈大〉)(魔人化)(自己再生) 

(身体強化〈極〉)(状態異常耐性〈中〉)

(物理耐性〈中〉)(――――――)(――――――)




 (神眼)の力でレニーさんのステータスを開きました。強い······。

 ワタシよりもレベルが上です。

 この強さは冥王クラスですよ。



(魔人化)

魔人族がその力を解放し、真の姿へと変化する。



 しかも、このスキルは魔人族という種族のものです。獣人族などの(獣化)と違い、魔人族でもエリートクラスしか持ち得ないスキルのはずですが······。



 それよりも(魔人化)スキルを持っているということは、レニーさんは魔人族だということですよね。

 基本、魔人族は他種族を見下し、侵略や略奪行為を平気でやるような奴らです。

 魔王の手先などが代表的ですね。



 もしかして、レニーさんは魔王の手先なのですか?

 あの気の弱そうな姿も演技で、ワタシ達を油断させていたということですか?

 そもそも、この町に来た目的は何でしょうか?



 なんにせよ、放っておくわけにはいきませんね。




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