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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
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296 隣国の国王

 隣国の王女エネフィーさんに先導され、国王のいる城まで向かう。

 オレ達だけでなく、聖女アルケミアも一緒だ。

 グレンダさん率いる王国騎士団や神殿騎士団の人達は、隣国の兵士や住民達と、復旧作業を手伝うために残るようだ。



 王城は町の中心に見えており、リイネさんの国の王都と同じ感じだな。

 どちらが立派かと聞かれたら答えられないくらいの迫力だが。


「アイラさん、でしたわね? 壊された外壁を直したのはあなただと聞きましたけど、どうやったのです? 短時間であんなに立派に作り直すなんて信じられませんでしたわ」


 城に向かう道中、エネフィーさんがアイラ姉に問う。兵士から入口を壊されたと報告を受けていたようだが、来てみたらキレイに、以前より立派に直されていたんだから当然の疑問だよな。


「アイラは建物の修復などの魔法に長けている。それに並の冒険者とは文字通りレベルが違うほどの実力者だぞ」


 リイネさんが代わりに答えた。

 (アイテム錬成)や(素材召喚)はかなり珍しい、というよりリイネさんも聞いたことのないスキルだと言っていたからな。

 まだスキルのことなどは話すつもりない。


「言われてみれば、アイラさんは私の鑑定魔法では何も見えませんわね。あら? そちらのレイさんという方も······?」


 エネフィーさんがオレ達に鑑定魔法を使ったみたいだ。だがレベル29のエネフィーさんでは、レベル1000近いオレやアイラ姉のステータスは見えないだろう。


「レイやアイラだけでなく、わたしやアルケミア殿にも鑑定魔法を使ってみるといいぞ?」

「リイネさんにアルケミアさんにも? どういう············あら? 二人とも鑑定不可······?」


 リイネさんに言われるままに鑑定したらしい。

 やはり鑑定出来なかったようで、エネフィーさんが目を丸くしている。


「わたしとアルケミア殿のレベルは400を超えている。レイとアイラはそれ以上のレベルだ」

「い、いくらリイネさんの言うことでも信じられませんわよ。鑑定を妨害する魔道具でも身につけているのではないですの!?」


 淡々と言うリイネさんの言葉を、エネフィーさんは否定する。

 まあ、信じられないのも無理はない。

 この国の兵士達は、パッと見ただけだがレベル50を超える人もいなかった。


 けど、別にこの国の人達が弱いわけじゃない。

 リイネさんやアルケミアだって、初めて会った時はレベル30前後くらいだったし。

 王国騎士団隊長のグレンダさんだって、初めて会った時はレベル65だったしな。


「なら、久しぶりにわたしと手合わせしてみるか? 以前はわたしとエネフィーは同等の強さだったろう。剣を交えれば実力の違いがわかるはずだ」


 リイネさんがエネフィーさんを挑発する。

 確かにステータス的に、エネフィーさんは初めて会った頃のリイネさんと同じくらいの強さだ。

 リイネさんの言葉を受けて、エネフィーさんが腰の剣を抜こうとする。


 この二人、ひょっとして犬猿の仲なのだろうか?

 いや、犬猿の仲というより、ケンカするほど仲が良いって感じの間柄かな?



「リイネ、エネフィー殿も。今はそれどころではないだろう」


 少し呆れた口調でアイラ姉が二人を窘めた。

 アルケミアは二人の関係をよく知っているようで、微笑ましく今のやり取りを見ていた。





 そうこうしている内に王城の前までやってきた。

 やはり近くで見ると迫力あるな。

 入口に見張りの兵士がいたが、エネフィーさんの取り成しであっさり通ることができた。



 城の中は、まだ情報がうまく行き渡っていないらしく、混乱状態だ。


「みなさん、落ち着いて下さいませ。(わたくし)達が来たからには、魔王軍の好きにはさせませんわよ」


「あ、あの方は!?」「聖女アルケミア様······!?」

「アルフィーネ王国のリイネ王女様もおられるぞ!」


 アルケミアが声をかけて、周囲の人達を落ち着かせる。アルケミアやリイネさんを見て、驚きと安心の表情をうかべる。

 前にルナシェアが言っていたが、本当に聖女というのは人々の希望の証なんだな。


「アルフィーネ王国からの援軍ですのよ。父の下へ通してくださる?」

「はっ! エネフィー様、只今······」


 兵士が敬礼して玉座の間まで案内しようとするが、その後ろから、初老の男性が姿を現した。


「エネフィー、何事だ? 魔王軍はどうなったのだ?」


 初老の男性が声をかけると、周囲の兵士は一斉に口をつぐみ、姿勢を正した。

 エネフィーさんを呼び捨てにしていて、兵士のこの態度を見る限り、この人が隣国の······。


「ご無沙汰しております国王陛下。アルフィーネ王国第二王女リイネです。此度は救援要請を受け、参上致しました」

「リヴィア教会より参りました、アルケミア=セントラールです」


 リイネさんとアルケミアが跪く。

 オレとアイラ姉も、それにならって跪く。



 やはり、この人が隣国の国王か。

 リイネさんの父親のゼリューム国王は、年齢の割にたくましい身体付きで、自ら戦場で戦う王様って感じだったけど、隣国の国王は指揮官タイプかな?

 戦いには向いてなさそうな身体付きだ。



 まあ、そんなことよりも人柄はどうなのかな?

 見た感じは、話のわかりそうな人っぽいけど。






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