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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
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289 シノブのレベルアップ(色々な意味で)

 隣国が魔王軍の襲撃を受けているということで、オレとアイラ姉はアルフィーネ王国騎士団と共に救援に向かうこととなった。


 その事情説明のために、転移魔法で幻獣人族の里に戻ってきた。今、オレ達は長の屋敷でゲンライさんとフウゲツさんに事情を話している。


「魔王軍の襲撃か······。儂らにとっても他人事ではないことだな」


 事情を聞いたゲンライさんが言う。

 この里も魔人族の襲撃を受けたばかりだからな。


「そういえば()()()()はどうなったの?」


 少し気になったので聞いてみた。

 里を襲撃した魔人は生きて捕えていたからな。


「意識は戻ったけど何も話さないわね。こちらの出す食事にも手を出さないし。あのままだと衰弱して死ぬかもしれないわ」


 フウゲツさんが答えてくれた。

 例の魔人は生きる気力をなくしたような状態だと言う。ただでさえ瀕死の状態だったのに、あれからずっと飲まず食わずって······。

 むしろよく今も生きているな。

 魔人族の生命力は相当に高いらしい。



 あれから新たな魔人族の襲撃はないみたいだ。

 あの魔人に仲間とかはいないのかな?

 もし仲間がいるのなら、助けに来たりするかもしれないのだが。


 結界の強化も完了したみたいだし、その点は心配いらないかな。





 オレとアイラ姉はリイネさん達と共に他国の救援に向かうため、しばらくは神樹の迷宮の攻略に参加できなくなる。

 向かうのはオレとアイラ姉の二人だけで、シノブや他のみんなは里でお留守番だ。


 そうなると転移魔法を使えるのはシノブだけになるので、迷宮攻略は今までのようにいかなくなるだろう。


 迷宮は今のところ、150階層まで攻略済みだが、自由に行き来できるのは転移魔法のおかげだからな。




「シノブは部屋にいるかな?」


 シノブにも事情を説明しておかないとな。


「さっきスミレちゃんが、外からエンジェ様の眷属を連れて来ていたわね。ディリーさんとアトリさんと言ったかしら?」


 フウゲツさんが言う。

 スミレがクラントールから二人を連れて来た?

 何をしてるのだろうか?



 気になったのでオレはシノブとスミレの部屋まで向かった。

 アイラ姉も一緒についてきている。

 扉の前に立つと、中から騒がしい声が聞こえる。

 ······主にシノブの悲鳴のような声なのだが。


 オレは扉をノックして部屋に入った。

 部屋にはディリーとアトリ、そしてスミレとシノブの四人がいた。



「あ、マスター! お邪魔してますですます!」

「スミレ様に招かれて来ました、マスター様」


 オレを見て眩しい笑顔でディリーが挨拶してきた。

 その後ろで、アトリもペコリと頭を下げる。


「······何をしていたのだ、お前達?」


 アイラ姉が呆れた口調で問う。

 スミレは特に異常はないが、シノブは衣服がかなり乱れた状態で倒れ伏していた。


「た、助かったでござる······アイラ殿、師匠」


 シノブが少し涙目でそう言った。

 これはおそらく羞恥によるものだな······。

 今のシノブの服装は直視するにはアレな状態なので、オレはそっと視線を逸らした。

 アイラ姉がシノブの衣服を整えさせる。



[シノブ] レベル872

〈体力〉179900/179900

〈力〉128420〈敏捷〉205000〈魔力〉105800



〈スキル〉

(全状態異常無効)(薬物錬成)(連携)

(魔法・スキル付与)(獲得経験値10倍)

(スキルスティール)(同時詠唱)(暴食)

(強化再生)(限界突破)(聖剣術〈レベル9〉)

(各種言語習得)(分身)

(異世界の絆〈5/10〉)

(女神の祝福〈仮〉〈NEW〉)

(女神の導き〈1/7〉〈NEW〉)



 シノブのステータスが大幅に上がっていた。

 (異世界の絆)スキルのカウントの最大値が10まで増えて、オレのように特別ボーナススキルが解放されている。


 そしてディリーとアトリのスキルに(加護〈小〉)が加わっていた。


「······シノブはご主人様やアイラと比べて実力不足だと悩んでた。だからディリーとアトリに加護をつけさせた」


 スミレが淡々と言う。

 ああ、なんとなく事情はわかったが······。

 オレ達は誰かに加護を与えれば絆スキルがカウントされ、ステータスが上昇する。

 スミレもそのことを知っているからな。


 問題は何をして加護がついたのかだが、シノブの様子を見ると、具体的に聞くのが少し怖い。


「ディリー殿とアトリ殿が師匠を満足させるための予行練習と言って拙者に······。と、とにかくすごかったでござるから、師匠も覚悟しておいた方がいいでござるよ」


 オレを満足させるための予行練習?

 どうしよう······。内容が気になるが、聞くのがさらに怖くなったぞ。


「マスター! 楽しみにしててくださいですです!」

「もっともっと精進致します、今しばらくお待ちになってください、マスター様」


 ディリーとアトリの言葉に、なんて答えればいいかわからない。

 アイラ姉が頭を抱えながら、二人にお説教をしていた。




 それにしても、これでシノブも五人と絆を深めて特別ボーナススキルが解放されたのか。

 ディリーとアトリにも加護が与えられるのなら、エンジェやグラム、それに他のメイドさんにも与えれば簡単に10人達成出来そうだな······。

 いやいや、何考えてるんだオレは。



 ············ん? そういえばシノブが加護を与えた五人目って誰だ?

 確かユーリ、ユヅキ、ディリー、アトリ··················一人足りないぞ。



[スミレ] レベル565

〈体力〉119000/119000

〈力〉69200〈敏捷〉71800〈魔力〉53250



〈スキル〉

(幻獣化)(身体強化〈極〉)(同時詠唱)

(暴食)(強化再生)(二刀流剣術〈レベル5〉)

(異世界人の加護〈小〉)

(異世界人の加護〈小〉〈NEW〉)



 もしかしてスミレか?

 (異世界人の加護〈小〉)が二つ並んでステータスも大幅に上がっている。

 スキル表示がバグったわけじゃないよな?


 スミレはオレからの加護を受けていたはずだけど······。下の加護はシノブからのだろうか?

 〈NEW〉と表示されているし。



 まさか加護の重複が可能だったとは······。




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