表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第五章 幻獣人族の里 神樹の迷宮編
386/736

288 国王からの依頼再び

本編再開です。

 先日は温泉施設で、色々あって大変だった。

 ルナシェアと間違いを犯す、一歩手前まで行ってしまったが、ミールとアイラ姉の登場により、それどころではなくなったからな。

 結果的によかったのか、どうなのか······。



 その後のアイラ姉のお説教とシゴキは、かなり厳しいものだったと言っておく。

 ミールやミウ達からも、オレとルナシェアは色々と追求されたしな······。

 (愛のペンダント)のこととかも······。








 それから数日が経ち、ルナシェアは予定通り、聖女としての使命のため、王都を発って行った。

 寂しくはなったが、ルナシェアとは念話が出来るようになったので、話そうと思えばいつでも話せる。

 何か緊急事態があれば、連絡も入るだろう。






 神樹の迷宮の攻略を進めつつ、今後の予定を立てるために、オレとアイラ姉の二人で王都に戻ってきた。

 学園再開の正確な情報を聞きたいしね。


「レイ、それにアイラも一緒か。丁度良かった、お前達に頼みがあるのだが」


 王城まで行き、出迎えてくれたのはリイネさんだ。

 オレ達に頼みたいことってなんだろうか?


「まあ、ここではなんだからな。二人とも奥まで来てくれ」


 そう言ってオレ達は王城の執務室まで案内された。この部屋は何回か来たことがある。

 今は誰もいないみたいだが。

 ロディンは別の場所で仕事中かな?


「今、父上を呼んでくる。少し待っていてくれ」


 リイネさんがオレ達を残して部屋を出ていった。

 父上って······国王のことだよな。

 つまり国王がオレ達に何か頼みがあるということか?



 しばらく待っていると、リイネさんが国王を連れて戻ってきた。

 護衛のためか騎士隊長のグレンダさんも一緒だ。


「突然の頼みですまぬが、二人とも都合は良いか?」


 国王がオレ達に問う。

 特に急ぎの用事はないんだけど、内容次第かな。


「こちらの都合は問題ありませんが、頼みとは?」


 アイラ姉が問い返す。

 まあ、国王の人柄はなんとなくわかってるし、無茶苦茶な依頼はしてこないと思うけど。


「実は我が国と友好的な、隣国からの救援要請を受けた。魔王軍に攻められて、劣勢に追い込まれているとな」


 いきなり穏やかじゃない内容だな。

 ルナシェアやリイネさんから、周辺諸国で魔王軍の被害が出ていると以前から聞いていたが。

 劣勢に追い込まれているって、かなりヤバいんじゃないか?


「我が国も魔王軍に警戒せねばならぬから、多くの騎士を他国に送れん。かと言って見殺しにするわけにもいかぬ」


 国王が地図で、問題の国の場所を教えてくれた。

 この国と幻獣人族の里がある国の、ちょうど間にあるフレンリーズ王国という国だ。

 ちなみにリイネさん達の住む国はアルフィーネ王国というらしい。(最近知った)

 フレンリーズ王国の領土は、アルフィーネ王国よりも少し小さいが、充分に大国と言っていいくらいだな。


 隣国ということもあって、友好的な付き合いをしているようだ。

 ちなみに幻獣人族の里がある国とは、どちらも仲がよろしくないそうだが。



「リイネ様と私が率いる、第三騎士団が救援に向かう。聖女アルケミア殿率いる、神殿騎士団も一緒にな。レイとアイラ殿も来てくれると心強い」


 グレンダさんが言う。

 どうやらすでに出陣の準備は整っているようだ。

 そこへタイミング良いのか悪いのか、オレ達が訪ねてきたってわけか。


 戦闘が行なわれているのなら「聖」属性魔法を使える聖女は必須だろう。

 怪我人を癒やすことができるし、魔物を弱体化させることもできる。

 それに人々にとって、聖女は勇者同様に特別な存在だから、劣勢で絶望しているかもしれない隣国の住人の希望となる。


 ルナシェアは王都を発ったばかりで、セーラは龍人族の国にいる。

 エレナはまだ聖女になって間もないので、本殿で色々とお勉強中だし、知名度も低い。

 だからアルケミアが隣国に向かうことになったのか。




 劣勢に追い込まれているのなら、悠長にしていられないよな。

 学園再開時期を聞くどころじゃなくなったな。

 まさか城に来て、いきなり厄介事が舞い込んでくるとは思わなかった。


 オレとアイラ姉は頷き、国王の依頼を受けることにした。隣国に興味もあるしね。


「今回の件に対する報酬については、わたしが隣国に情報提供を掛け合おうと思っている。隣国が異世界について、わたし達が知らないような情報を持っているかもしれないからな。お前達が異世界人だということを話すかは、そちらの判断に任せるが」


 リイネさんが今回の報酬の一環として、隣国の王族に情報提供の協力などの交渉をしてくれるようだ。

 もしかして今回の依頼、オレ達が隣国と顔合わせをするためでもあるのかな?


 元の世界に帰る方法を知っているとは限らないが、他国の王族の協力が得られるのは大きい。

 オレ達にとって一番嬉しい報酬だ。



 異世界人だと正直に話すか、そこは隠して情報をもらうかは、その国の王族の人柄次第だな。

 リイネさん達みたいに良い人ならいいんだけど、オレ達を利用して何か企むような人物の可能性もあるからな。


 まあ、この国とは友好的らしいので、悪い人達ではないと思いたいが。



「出発はいつになる? 一度、幻獣人族の里に戻り、長達に事情を話しておきたいのだが」

「わたし達はすでに出陣の準備は整っている。アルケミア殿と神殿騎士達も万端のはずだ。正午には王都(ここ)を発つつもりだったが」


 アイラ姉の問いにリイネさんが答えた。

 正午というと、あと二時間くらいあるな。

 それなら里に戻って、事情を話してくる時間はありそうだ。



 というわけで、オレとアイラ姉は国王の依頼を引き受け、その事情説明のために、幻獣人族の里に戻ることにした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ